縄文系音楽で世界に。魚沼市出身、シンガーソングライター「星野裕矢」。
カルチャー
2025.09.26
魚沼市出身のシンガーソングライター、星野裕矢さん。「安全地帯」のメンバーとの交流をきっかけに北海道に移り住み、本格的にアーティスト活動をスタートしました。独自に生み出した「縄文系音楽」を武器に活動の幅を広げ、来年はニューヨークに進出するのだそう。シンガーソングライターとしての転機や曲づくりの方程式、目指しているものなど、いろいろとお話を聞きました。

星野 裕矢 Yuya Hoshino
1987年魚沼市生まれ。北里大学水産学部在学中に楽曲制作をはじめる。東京のライブハウスでの「安全地帯」のギタリスト矢萩渉氏と武沢侑昂氏との出会いを機に、北海道で本格的にアーティスト活動を開始。魚沼市のPRアンバサダー。

1日1曲以上制作した、北海道での日々。
――星野さん、大学では水産を学ばれていたんですね。
星野さん:魚釣りと音楽は「研究に終わりなし」という意味で、僕にとって同じものです。釣りを極めたくて、魚の研究をするために水産学部へ進学しました。
――その頃から音楽をやっていらっしゃった?
星野さん:音楽は、19歳か20歳からです。それまではまったく。ゴミ捨て場にギターが捨ててありまして。はじめたきっかけは、それです(笑)
――どういった経緯でアーティスト活動をはじめられたんでしょうか?
星野さん:大学を卒業してから、下北沢のライブハウスで働いていました。たくさんの方と出会った中に「安全地帯」のギタリスト、矢萩渉さんと武沢侑昂さんがいたんですね。その出会いがあり、僕は北海道に移住して、毎日楽曲制作の日々を送っていました。彼らとは、2014年にバンド「EZO」を結成しました。

――音楽の道を追求することになったのは?
星野さん:「定年のない仕事」に就きたくて(笑)。音楽には定年がないですから。これからでも、お蕎麦屋さんとか炭火焼き職人とかになる可能性はあります。ただ、今は音楽にハマっています。
――ずっと音楽一筋でいらっしゃると思います。転期はいつでしたか?
星野さん:やっぱり「安全地帯」のふたりと出会ったことですよね。「プロになるためには、プロ集団の中に飛び込むしかない」とずっと思っていて。「ついにそのときがきた」と思いました。

――技術的な面などで挫折を感じられたことはありませんでした?
星野さん:技術は、磨けばいいだけなんですよね。技術じゃないところで挫折する人がほとんどなんだと思います。周りに「ほんとにやる気がある人」はいませんでした。要は覚悟があるか、ないか。楽しくて、好きで音楽をやっている人たちはたくさんいました。でも僕、そうではなかったので。北海道に渡ってからは特に、やるしかないなと(笑)。追い込まれた状況だったのは、間違いないです。
――北海道では、どんな経験をされたんでしょうか?
星野さん:毎日1曲以上を制作してメンバーに送っていました。人によっては、地獄の時間だったと思います。でもそういうふうに「気が狂いそうなところ」までいかないとダメなんですよ。平常のままでは、曲作り自体が滑稽に思えてきますから。曲を作る行為自体、まともじゃないですもんね(笑)

星野流、創作方法と感覚の磨き方。
――「曲が完成した」と思えるのは、どのタイミングですか?
星野さん:レコーディングという「締切」があるので、そのときですね。僕の場合は、年に数枚CDをリリースするとあらかじめ決めてスケジューリングを組んでいます。
――来年は大きなチャレンジをされるそうですね。
星野さん:はい、ニューヨークで活動予定です。僕しか歌えない「縄文系音楽」というジャンルを生み出したので、それで勝負しに行こうと思っています。
――「縄文系音楽」というのは、いったい?
星野さん:僕が生まれた魚沼市は、火焔型土器が出土したり多くの縄文遺跡があったり、縄文時代の歴史を垣間見られる場所です。そういうつながりもあって、今、縄文時代の研究をしています。「縄文系音楽」は日本人にしかできない音楽、というか僕が作ったものなので、僕しか歌えない曲です。

――曲づくりが嫌になることはないんですか?
星野さん:音楽は、飽きないです。飽きたら楽だろうなと思うくらい(笑)。変なこと言っていると思われるかもしれませんけど、僕は満月の夜に曲を作ったりするんです。人間、誰しも第6感があるんでしょうけど、だいたい眠ったまま。第6感が眠らないように、夜、真っ暗な道を歩くこともあります。暗闇はイマジネーションの友達のような気がして。暗闇にいる時間を大切にしています。
――年間数枚アルバムを出されるわけですから、曲づくりのペースは速いんでしょうね。
星野さん:そう思っています。いまだに、1日1曲作ります。そのための方程式もあるし。

――どんな方程式ですか?
星野さん:図形で作るんですよ。僕、理系なんで(笑)。僕らにとっていちばん怖いのは、曲が作れなくなること。だから、曲がいつでも作れる方程式を自分で編み出さないと。例えば、三角形の中心に主題。その周りに時間軸、気候、天候といろんな要素を置くんです。そうして1曲を完成させます。方程式で図形の面積を導くみたいでしょう。
――合理的なアイディアですね。
星野さん:言葉って何もしないと、蓋をされて、自分の中でかさぶたみたいになっちゃう。そのかさぶたを常に緩めておく作業はしています。どんなときでも曲が作れる、それは僕の強みです。
――よく詞先、曲先といいますが、星野さんはどちらですか?
星野さん:それぞれに楽しみがあるんですよ。曲を先に作るっていうのは、鉛筆でだいたいの風景を書いておく感じです。そこに色彩を加えるのが、作詞。作詞が先のときは、色を塗っておいてから「これは山っぽいな」って枠組みをしていく作業。それぞれ、違うものができます。僕はどちらも得意です。

――どういうものを曲に表しているんですか?
星野さん:僕の曲は、ショートムービーみたいって言えばいいかな。ほとんどが、日常にあるドラマのワンシーン。ドラマって、短い時間の中で起きることが多いじゃないですか。ふとした時間、それほど長くない時間を曲に表現しています。
――星野さんが目指しているものは?
星野さん:僕は、職人になりたいとずっと思っているんです。魔法を使えるから、職人さんは。
星野裕矢
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