地元にこだわり、子ども連れに優しいラーメン店「麺屋 米」。
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2025.10.23
新津バイパスからJR荻川駅へ向かう道は、様々なラーメン店が立ち並ぶラーメンストリートになっています。そこに新しくオープンしたのが「AKIHA麺屋粋翔」の姉妹店「麺屋 米(めんや こめ)」です。AKIHA麺屋粋翔は地元愛に溢れたお店ですが、こちらの「麺屋 米」もその点は負けてはいない様子。和モダンな雰囲気の店内で、優しい笑顔の川瀬店長がお出迎えしてくれました。


麺屋 米
川瀬 理紗 Risa Kawase
1998年新潟市秋葉区生まれ。短大卒業後、保育士として新潟市内の保育園やこども園に勤務。高校生から5年間「AKIHA麺屋粋翔」でアルバイトを経験。2025年に転職して新しくオープンした「麺屋 米」の店長に就任。趣味はサウナとフェス。
保育士からラーメン店の店長へ。
——店長を任されているということは、川瀬さんは飲食業の経験が長いんですか?
川瀬さん:学生時代に姉妹店の「AKIHA 麺屋粋翔」で5年間アルバイトをしていました。でも、短大卒業後は昨年まで保育士として働いていたんです。
——そうなんですね。保育士になったのは、何かきっかけがあったんでしょうか?
川瀬さん:私は子どもの頃、保育園が大嫌いだったんですよ。でも年長クラスのときに担任してくれた保育士さんは、私が苦手なことをすべて受け入れてくれて、そのおかげで保育園を好きになることができました。それで、その方のようになりたくて、保育士を目指すことにしたんです。
——実際に保育士になってみて、いかがでした?
川瀬さん:子ども達をお預かりしている責任を感じながらも、日々成長する姿を見るのは楽しかったですね。落ち込むことがあっても、子ども達と触れ合っていると元気をもらえるんです。まったく同じことをする日はないので、毎日を新鮮な気持ちで過ごすことができました。

——充実した毎日を過ごしていたんですね。それなのに、どうしてラーメン店の店長に転職したんでしょう?
川瀬さん:それまでとは違った人生にチャレンジしてみたくなったんです。それを「AKIHA麺屋粋翔」のオーナーに相談してみたら「新しくオープンするラーメン店の店長をやってみる?」と誘っていただいたので、チャレンジするなら今しかチャンスはないと考えてお受けしました。
——保育士になってからも「AKIHA麺屋粋翔」のオーナーとは会っていたんですね。
川瀬さん:アルバイトを辞めてからも、しょっちゅうお店に顔を出していました。「AKIHA麺屋粋翔」でアルバイトをするまでの私は、引っ込み思案で人前に出るのが苦手だったんですけど、アルバイトを通して人と接することが大好きになりました。スタッフ全員が家族みたいに仲良くて、私にとっては「第2のお家」といえるくらい居心地のいい場所だったんです。

秋葉区への愛にあふれたお店。
——「麺屋 米」って、考えてみると不思議な名前ですよね。
川瀬さん:新潟らしさを表した店名にしたかったのと、麺と一緒に美味しい新潟のお米も味わってほしいという思いで名付けました。
——ということは。お米を使ったメニューもあるんですか?
川瀬さん:「新津(一合升)」という人気メニューがあります。私の実家で父がつくっているコシヒカリを使って、子持ちキクラゲとチャーシューをミルフィーユみたいに挟んで、卵黄をトッピングした升飯なんです。他にも期間限定でおにぎりをやっているんですが、ゆくゆくは定番メニューに入れていきたいと思っています。
——お父さんは農業をされているんですね。
川瀬さん:そうなんです。他にも父の栽培した小麦でつくる特注麺を使っていますし、できるだけ秋葉区産の食材を使うようにしています。ラーメンのかえしに使っているお醤油も秋葉区にある醸造所から仕入れているんですよ。
——「AKIHA麺屋粋翔」譲りの地元愛を感じますね。
川瀬さん:地元愛が強過ぎてメニュー名も秋葉区の地名にしているんです(笑)。なかでも人気があるのは、お客様からリクエストの多かった「荻川(おぎかわ)」っていう生姜醤油ラーメンなんですよ。

——メニュー名まで地名にしちゃうなんて、どれだけ地元にこだわっているんですか(笑)
川瀬さん:お店づくりも全て秋葉区の業者さんにお願いしたんです。「和モダン」をイメージしたお店にしたかったので、秋葉硝子製のガラスオブジェや唐傘を装飾しました。グラスやガラス食器も秋葉硝子製なんですよ。

——徹底した地元愛ですけど、割らないように気をつけないと……(笑)。内装ではカウンター席が気になります。
川瀬さん:最初はシンプルな無地だったので気に入っていたんですけど、ある日来てみたら阿賀野川のイメージに模様が描かれていました(笑)。戸惑いましたが、今では個性的で気に入っています。カウンターの幅を広く取って仕切りが設けてあるので、おひとりおひとり独立した空間でお料理を楽しんでいただけるんです。そのせいか女性ひとりでご来店されるお客様も多いですね。

保育士経験を生かして、お子様ラーメン無料。
——店長という立場に立ってみて、難しいと感じることはありますか?
川瀬さん:人の上に立って大きな決断をする立場になった経験がないので、プレッシャーは感じましたね。でもスタッフがいい人ばかりなので、いつも助けてもらっています。
——ラーメンは店長の川瀬さんがつくっているんですか?
川瀬さん:もちろんです。スープの仕込みからやっているので、味に対しての責任を感じながらつくっています。
——ラーメンをつくるなかで、大変だと感じることがあれば教えてください。
川瀬さん:ラーメンの調理は、力仕事が多いので女性には大変ですね。麺の湯切りを利き手でばかりやっていたら、そっちの腕だけ筋肉がついて太くなりました(笑)。あと気温や湿度で麺やスープの状態が変わってしまうので、毎日同じ味を保つのも難しいです。でもご来店くださるお客様に、美味しいラーメンを楽しんでいただきたいという一心で頑張っています。

——お店にとってラーメンの味は何より大切ですもんね。
川瀬さん:もちろん味は大切なんですけど、それ以上に私は接客を大切にしているんです。スタッフにも過剰なくらい徹底してほしいと伝えました。食券販売機やタブレットを使って効率化を図るお店も増えていますが、私は接客が好きなので導入するつもりはありません。
——接客をする上で、大切にしていることがあったら教えてください。
川瀬さん:私は保育士をやってきたので、その経験をお店でも生かせたらと思っているんです。そのひとつが「お子様ラーメン」の無料提供です。「お子様ラーメン」を提供しているお店は多いんですけど、なかなかいい値段だったりすることも多いんですよね。そうなると、親が大盛りを頼んで子どもとシェアしたりするんですけど、それでは親が食べたいラーメンを頼めないこともあると思うんです。
——なるほど。それで「お子様ラーメン」を無料に?
川瀬さん:小学6年生までは何名分でも無料で提供しています。その他にも、お子様連れのお客様のために必要なものは、出来る限りご用意しているんです。家族で過ごす時間を大切にしていただけたら嬉しいですね。

——保育士の経験が、そんなところにも生かされているんですね。今後はどんな店にしていきたいと思っていますか?
川瀬さん:あまりラーメン店らしくないラーメン店にしたいと思っているんですよ。私の保育士経験を生かしつつ父にも協力してもらって、稲刈りや芋掘りといった農業体験イベントをやってみたいですね。人のつながりを大切にしながら、わくわくできることを続けていきたいです。

麺屋 米
新潟市秋葉区車場4-2-18
050-8892-9552
10:00-14:30/17:00-20:30(土日曜は通し営業)
無休
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