何気ない日もちょっと楽しくなる「3ku_koyanagi」のアクセサリー。
ものづくり
2023.07.03
暑くなってくるとシンプルでラフな服装になりがち……。そんなときにさっと身に着けておしゃれになるのが、「3ku_koyanagi」のアクセサリーです。個性が光るデザインのピアスやリングを手掛けているのが、元ネイリストという経歴を持つコヤナギさん。今回は十日町市にあるコヤナギさんのアトリエにお邪魔して、アクセサリーの製作をはじめたきっかけや、ブランドのコンセプトについてなど、いろいろなお話を聞いてきました。


3ku_koyanagi
コヤナギ ミク
1994年十日町市生まれ。高校卒業後、東京のバンタンデザイン研究所に進学し、ファッションプロデュースについて学ぶ。卒業後は東京でネイリストとして働きながら、2016年に「3ku_koyanagi」というブランド名でアクセサリーの製作・販売をはじめる。2年前に十日町へ戻る。この日のネイルは「ちいかわ」。
「ネイル」から、お客さんとより長い時間を過ごせる「アクセサリー」へ。
——コヤナギさん、前職はネイリストさんだったそうですね。
コヤナギさん:そうなんです。高校を卒業した後は、東京にあるバンタンデザイン研究所のプロデュース課で「この服がどうやったら売れるか」とか、ファッションのプロモーションの仕方を勉強していました。学校に通いながらネイルサロンにネイルの勉強をしに行っていて、卒業後はネイリストになりました。
——おしゃれやファッションに興味を持つようになったのには、何かきっかけがあったんですか?
コヤナギさん:それはもう、矢沢あいさんの漫画です。「NANA」をきっかけに、あの雰囲気も矢澤あいさんのこともすごく好きになりましたね。
——あの世界観、影響されますよね。卒業後にネイリストの道を選んだのは、勉強するうちにそちらへの興味が大きくなったから?
コヤナギさん:学校に通っていたとき、アクセサリーのパーツ屋さんでバイトしていたんです。そのときにもいろいろアクセサリーを作らせてもらったんですけど、自分でデザインしたものを見た人が「すごくかわいい」と言って喜んでくれるのが好きで。それでネイルにも興味が湧いて、5年くらいネイリストをしていました。

——現在の活動も、パーツ屋さんでのアルバイトが原点なんですね。
コヤナギさん:ネイリストになってからも並行してアクセサリーを作っていたんです。自分で作ったものをつけて仕事に行っていましたね。友達とかお客さんにも「かわいい」「どうやったら買えるの」って言ってもらえて、それで本当に少量だけ、パスワードを設定したWEBサイトで販売していました。
——少量で販売していたのは、ネイルのお仕事が忙しくて?
コヤナギさん:ネイルもそうですし、ネイルチップが好評でした。成人式用のネイルチップとかを1カ月に30人分くらい作っていたかな。
——大人気じゃないですか! それだけコヤナギさんのデザインが好きなお客さんがたくさんいたんですね。
コヤナギさん:自分がデザインして作ったものを喜んでもらえて、すごく嬉しかったし楽しかったです。でもネイルっていくらかわいいものが仕上がっても、やっぱり1カ月しかもたないんですよ。それがちょっと寂しくて……。
——確かに、2時間かけて作っても1ヶ月後には剥がさなきゃいけないって、ちょっと儚いですよね……。
コヤナギさん:ネイルの仕事が嫌で辞めたわけではないんですけど、アクセサリーのほうが買ってくれた方と過ごせる時間が長くなるから、そういうものをたくさん作っていけたらなって思いました。

——それから十日町に戻ってきて、いよいよアクセサリー作りに本腰を入れるようになったわけですね。
コヤナギさん:それにもきっかけがあるんです。この近くに大きい広場があって、「大地の芸術祭」期間中の土日は、そこで部落の人たちと熱中症対策のお茶を配っていまして。そのときに「テントもテーブルもあるから、なんでも出していいよ」と言われたので、アクセサリーを持っていくことにしたんです。
——それはチャンスですね。お客さんの反応はいかがでしたか?
コヤナギさん:すごく反応がよかったんです。十日町の方だけじゃなくて東京とか関東から来る方が多くて、「大地の芸術祭に来て一発目でこんなに買っちゃって大丈夫かな~」って言いながらたくさん買ってくださる方とかいて。それがやっぱり嬉しくて、本腰入れて活動していくことにしました。

アートや自然から受けたインスピレーションを、デザインに落とし込む。
——コヤナギさんが作るアクセサリーに、コンセプトってあるんでしょうか。
コヤナギさん:十日町に帰ってきたときに、この街の女性たちって、おしゃれに興味はあるんだけど、ファッションへの自信のなさもあるように感じて。だからみんながファッションを楽しむきっかけをこのブランドで作れたらな、って思ったんです。「ファッションの第一歩」っていうのが最初のコンセプトですね。あと、どんな服にでも合うようには意識して作っています。今持っている服にプラスすると、華やかに見えるように。
——Tシャツでもワンピースでも、なんでも合いそうですね。使っているパーツにもこだわっているんでしょうか。
コヤナギさん:素材にはかなりこだわっていて、パールも天然石もひとつひとつかたちや透明感が違うので、ネットで買わずに自分の目で見て選んでいます。

——アクセサリーのデザインはどうやって考えているんでしょう?
コヤナギさん:もちろん私が「好きだな」っていうものを作るときもあるんですけど、出店するイベントとイベントの間隔がすごく短くて、短期間で何個も作らないといけないようなときは、アートを見に行ったり美術館に行ったりしますね。
——そこら中にアートがある十日町は、インスピレーションを受けるのに最適ですね。
コヤナギさん:あとは自然からインスピレーションを受けることも多いです。「今の季節ってどんな花が咲いているんだろう」って見ながら散歩してみたり。こういうデザインの作り方はネイリストだったからだと思います。
——お花を見て、それをどうやってデザインに落とし込むんですか?
コヤナギさん:春先だと、桜ってかわいいじゃないですか。それで「桜って、ちっちゃい花がたくさん集まってるからかわいいんじゃない?」って考えて、お花のパーツをたくさん組合せて大ぶりに見せたり、夏だったら「Tシャツに大ぶりのピアスを合わせたらかわいいよな」って考えたり。私、季節のイベントがすごく好きなので、そういうのに左右されることも多いです。

——季節ごとに新作を出されていますよね。今は夏に向けて製作している最中ですか?
コヤナギさん:これから作りはじめます。今つけているのも夏の新作コレクションのひとつです。あと、ずっとやってみたかったシルバーのアクセサリーとかも、夏からはじめていこうかなと。
——へ~、新しい挑戦ですか。楽しみですね。
コヤナギさん:パーツ屋さんでバイトしていた頃から、ずっとやってみたかったことなんです。作りたいものはもう決まっているんですけど……お楽しみです。

ふとした瞬間でも、さっと身に着けるだけでおしゃれになれるアクセサリー。
——こういうシーンで自身が作ったアクセサリーをつけてほしいとか、イメージはありますか?
コヤナギさん:もちろん大事な日につけてもらうのもいいんですけど、保育園のお迎えとか、そういうふとした瞬間とかにつけてもらいたいですね。友達の子どもとか、これから保育園に通うような子も多くて。すっぴんにTシャツでも、このピアスをつけてもらえたら何もしていなくても何もしていないように見えないと思います。
——楽にさりげなくおしゃれになれるって嬉しいです。最後に、「3ku_koyanagi」のアクセサリーがどちらで購入できるのか教えてください。
コヤナギさん:オンラインストアからご注文いただけるほか、魚沼市のパティスリー『甘泉堂』様と新潟市の美容サロン『KACIKO』様にて取り扱っていただいております。イベント出店も積極的に行っておりますので、ぜひ一度製品を見ていただけると嬉しいです。

3ku_koyanagi
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