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ものづくりの精神でブライダルリングの価値を高める「アトリエクラム」。

新潟市と長岡市に「アトリエクラム」というジュエリーショップがあります。家具屋さん「S.H.S」内にも姉妹店の「アルティザン・ワークス」があるので、結婚を控えているカップルをはじめ、「あぁ、あそこね」とピンとくる人も多いかもしれません。ちなみにこちらのお店、実は見附市に本社を構える貴金属加工メーカー「株式会社三雄工芸(さんゆうこうげい)」が手掛けているんです。ジュエリーショップを立ち上げた経緯やお店のコンセプトについて、社長の平沢さんにお話をうかがってきました。

 

株式会社三雄工芸/アトリエクラム

平沢 竜人 Tatsuhito Hirasawa

1979年埼玉県生まれ、見附市育ち。ジュエリーの専門学校を卒業後、父親が経営する株式会社三雄工芸に入社。製造・加工部門や営業、Webサイトの立ち上げなど、様々な経験を積み、創業40周年にあたる2020年に代表取締役社長に就任。休日は子どもたちの野球を応援する優しいパパ。

 

ものづくり企業「三雄工芸」から、ジュエリーショップ「アトリエクラム」が誕生。

——ジュエリーショップ「アトリエクラム」は、「三雄工芸」さんがやっているお店ということですけど、そもそも三雄工芸とはどんな企業なのか教えてください。

平沢さん:「三雄工芸」はジュエリーなどの貴金属製造と加工をしている会社です。創業からOEM(他社ブランド製品の委託製造)に携わっていて、百貨店で売っているような有名ブランドの指輪を当社で製造・加工していたこともありました。今はOEMだけではなくて、オリジナルブランドの卸しや小売もしているし、「アトリエクラム」として店舗展開もしています。

 

——へ〜、有名なジュエリーブランドにも新潟の技術が貢献していたんですね。OEMでの実績があるのに、どうして「アトリエクラム」を始めたんですか?

平沢さん:僕が入社した90年代後半はジュエリーブランドがすごく盛り上がっていて、OEMの依頼が今より多かったんです。それが時代とともにブランドの勢いが失われて、海外で安価に製造できるようにもなってきたから、僕たちも会社として危機感を持つようになったんですよ。それに、OEMって他社ブランドの名前で世間に出るわけじゃないですか。やっぱり、自分たちのブランドでエンドユーザーに直接商品を提供したいという思いもあったので、「アトリエクラム」をオープンしたんです。

 

 

——OEMだけじゃなく、自分たちのブランドも。事業の軸がいくつもあると安心できますね。

平沢さん:これまでも新しい仕組みを作ろうとしてきて、2003年にはネットでOEMの依頼を受けられるように社内メンバーで専用サイトを立ち上げたこともありました。当時はネットで受注する仕組みってかなり新しかったから、徐々に客層が変化して、新規の顧客を開拓できるようになりましたね。

 

——そんな時代も経て、去年、創業40周年を迎えたわけですね。ん……? 社長は41歳ですよね。会社とほとんど同じ年じゃないですか。

平沢さん:そうなんです(笑)。当時、父親が埼玉でジュエリーの加工技術を習得して、「これなら地元でもできそうだ」と長岡で創業したんです。父は実直で器用な職人だから、ものづくりの腕が評価されていたようで、紹介や口コミなどでいろんな仕事が来ていたそうです。「三雄工芸」は製造業ですから、ものを作る技術力が会社の基盤です。父が会社の基礎を作って波に乗せてくれたと思っています。

 

世界にひとつのブライダルリング。オーダーメイドでふたりだけの指輪を価値あるものに。

——「アトリエクラム」についても詳しく教えてください。どんなお店ですか?

平沢さん: 「アトリエクラム」のコンセプトは、「世界に一つだけのブライダルリングを提供する」です。カップルにとって価値のある指輪になるようにお手伝いをすることがサービスの根本ですから、カウンセリングをとても大事にしています。商品としては、お客さま自身で指輪のデザインと製作ができる「手作りコース」、オリジナルデザインで作る「フルオーダーコース」、そしてデザインや素材などを好みに合わせてアレンジできる「カスタムオーダーコース」の3コースがあります。

 

 

——並んでいる指輪の中から好みのものを選んで終わり、じゃないんですね。

平沢さん:ブランド品を揃えて販売することもできたんですけど、それだと他のお店でも用事が済みますからね。「三雄工芸」の強みである物作りの精神と職人の技術力を生かして、他店と差別化するために、このスタイルに辿り着きました。

 

——プロに相談しながら自分好みの指輪が作れたら素敵だし、製作に関われたらより指輪が気に入りそうですね。

平沢さん:そうですね。既製品の指輪に自分の理想を寄せるんじゃなくて、自分の理想や想いを指輪として新しくカタチにすることができます。例えばもしシンプルでよく目にするデザインだったとしても、ふたりで悩んで、相談した結果、出来上がった指輪だったら、既製品とオーダーメイドでは思い入れの強さが違いますから。ただ指輪を選ぶ、買う、だけじゃなくて、その過程もお客さまにとって価値があると考えているんです。それに、その時間を提供することって、結婚するカップルの幸せをお手伝いすることになるんですよね。

 

——ジュエリーの知識がなくても大丈夫でしょうか?

平沢さん:もちろんです(笑)。お客様のほとんどが指輪なんて作ったことないですから。こちらでしっかりサポートするから安心してください。資本力や知名度では大手には敵いませんけど、口コミで来店してくださるお客様も多いんですよ。それって、「アトリエクラム」で実際に指輪を購入したお客さまが僕たちを信頼してくれた、ってことだから、とても嬉しいですよね。

 

良いものを作る、それが大前提。

——「アトリエクラム」を始めたときは、新しいスタッフさんを増やしたんですか?

平沢さん:いえ、既存のスタッフのみでスタートしました。余裕がなかっただけなんですけどね。だって、僕も店舗に立ちましたから。でも、スタートを切ってから割とすぐに新卒で人員確保もできたし、お陰さまでお店も盛り上がって、今、社員数はその当時と比べると倍の40人以上になりましたね。

 

——今年は本社も新装移転したそうですし、会社も成長しているんですね。

平沢さん:社員に恵まれているんですよ。OEMのサイトを作ったときもそうだったけど、僕は何もできないけど、何でもできる頼もしい社員がたくさんいて、いつも助けてもらっています。本社は移転したばかりでまだ閑散としていますが、ゆくゆくは「アトリエクラム」の3店舗目にしようかなって構想を練っています。

 

——これからも期待していますね。お話を聞いて、ものづくりの精神が根底にあることを感じました。

平沢さん:表向きには店舗が目立つんですけど、元々はものづくりの会社だから、「良いものを作ること」が大前提にあるんですよね。それが「アトリエクラム」の強みにつながっているし、これからも大切にしたいことですね。それに、これだけの規模で販売店舗と製造工房があるのは県内ではうちだけだから、品質や技術面だけじゃなく、新しいサービスを生み出すアイディア力にも磨きをかけていきたいです。

 

 

 

株式会社三雄工芸

新潟県見附市今町3-12-33

0258-86-8953

 

アトリエクラム新潟店

新潟県新潟市中央区愛宕2-7-14

025-288-6266

 

アトリエクラム長岡店

新潟県長岡市古正寺2-40

0258-86-6121

営業時間 平日11:00〜20:00、土日祝10:00〜19:00

定休日/水曜日(祝日は営業)

 

Artisan Works

新潟県新潟市中央区女池南3-5-1

025-288-6166

営業時間:10:30~19:00

定休日:火曜日・水曜日※祝日の場合は営業

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