Things

鮮やかで立体的なチョークアートを広める「atelier noco」。

「チョークアート」ってどんなアート?

「チョークアート」ってご存知でしょうか? 真っ黒な黒板に色鮮やかなパステルで描くアート。イタリアンレストランやハンバーガーショップなどの店頭でよく見かける、あれです。パッと見た瞬間、目に飛び込んでくる魅力的なチョークアート。今回はチョークアーティストでインストラクターでもある「atelier noco(アトリエノコ)」の三井さんにお話を聞いてきました。

 

 

atelier noco

三井 由紀子 Yukiko Mitsui

1978年新発田市生まれ。短大卒業後、就職した紳士服店で店のPOPを作り始める。結婚を機に移り住んだ兵庫で、ドンキホーテの契約POPライターとして活躍。新潟に戻って飲食店で働いていた頃にチョークアートと出会い、独学や横浜のスクールで技術を習得。新潟にチョークアートを広めるため「atelier noco」を開講する。最近は中学高校とやっていたテニスを再開し、テニススクールで汗を流している。

 

チョークじゃなくパステルで描いているのになぜチョークアートなの?

——今日はよろしくお願いします。早速ですがチョークアートはどんなものなのか教えてください。

三井さん:チョークアートはイギリスのパブが発祥といわれています。元々は黒板に白いチョークで描くモノトーンのアートだったんです。それがオーストラリアに伝わって、オイルパステルなどを使ったカラフルなものになっていったそうです。それぞれの土地によって色々なチョークアートがあるんですよ。

 

——あれ?チョークアートなのにチョークを使わないんですね。

三井さん:日本では水彩絵の具でも油彩絵の具でもすべてまとめて「絵の具」と呼ぶじゃないですか。それと同じ感覚で、海外ではチョークでもパステルでも手に持って描くスティック状のものを「チョーク」と呼ぶんです。ちなみに私は現在、4種類のパステルを使い分けてチョークアートを描いています。

 

——なるほど。そういう感覚なんですね。チョークアートって、どういうところでよく使われてるんですか?

三井さん:メニューを書き込むために、備え付けの黒板がある飲食店って多いんですよ。そういう飲食店の黒板に描くことが多いですね。あと、結婚式のウェルカムボードやお誕生会のバースデーボードにも使われます。

 

「atelier noco」のアートのルーツはディズニーのキャラクター?

——三井さんは昔から絵を描くのが好きだったんですか?

三井さん:小さい頃から絵を描くことが大好きで、ディズニーランドのお菓子のパッケージとかを見ながら、キャラクターの模写なんかをやっていたんです。だから絵を描く仕事をやりたいっていう気持ちはずっとありましたね。

 

——じゃあ、三井さんの絵のルーツはディズニーにあるんですね。最初からチョークアーティストを目指していたんですか?

三井さん:いえ、以前はチョークアートというものを知りませんでしたから…。短大を卒業してすぐ全国チェーンの紳士服店に就職したんです。紳士服店では商品をPRするためのPOPをよく使うんですよ。店に専属POPライターが来るたび、その仕事ぶりをそばで見せてもらっていて、密かに憧れていたんです。そのうち、私が店のPOPを描くようになってました(笑)。でも、結婚を機に紳士服店を辞めることになったんです。

 

——せっかく描く仕事ができたのに残念でしたね。

三井さん:ところが、POPライターの仕事は続けることになるんです。夫の転勤で移り住むことになった兵庫県伊丹市に関西初の「ドンキホーテ」がオープンすることになって、POPライターを募集してたんです。申し込んでみたら採用されることになって、契約POPライターとして2年間くらいやりました。その後、兵庫県の姫路市に行ってからも在宅で「ドンキホーテ」のPOPライターをやってましたね。

 

 

——じゃあ、チョークアートはいつ頃から始めるんですか?

三井さん:新潟に戻った頃、調理師免許を取ろうと思って飲食店で働き始めたんです。そのとき、テーブルに置いてあったメニューのデザインがいまいちだったので、お店に申し出て私が書かせてもらうことになったんですよ。そのメニューを書くにあたって、書店で参考になる本を探しているときに、チョークアートを紹介している本と出会ったんです。パステルだけで簡単に色鮮やかなアートが描けることに衝撃を受けたんですよね。

 

——「これだ!」と思ったわけですね。チョークアートを始めるにあたってどこかで教わったんですか?

三井さん:調べてみたら、チョークアートを教えている教室が新潟には全然なかったんです。これは自分が新潟にチョークアートを広めるしかない?(笑)と思って、まず本に書かれていた材料を揃えて、1年ほど独学して技術を身につけていきました。

 

——え?独学でここまでの技術を身につけたんですか?

三井さん:最初は独学でいろいろ試行錯誤しました。でも、人に教えるためにはもっと深い知識をつけなければならないし、自分が教室を始めるときの参考にしたかったので、横浜にあるチョークアートスクールに通うことにしたんです。2年弱かけて「プロコース」と「インストラクターコース」を受けて、プロインストラクターの資格を取得したんです。その後、新潟のカルチャースクールでチョークアートの講師を始めました。

 

お店のテイストに合わせタッチを描き分ける。

——チョークアートの教室にはどんな人が習いに来るんですか?

三井さん:子育てがひと段落した人が多いですね。新しい趣味を見つけたいということで、チョークアートを体験しにきます。あと、公民館や児童クラブとかでの出張講習もやってます。

 

——チョークアートって、どんなところが難しいんですか?

三井さん:パステルって、描いているうちに先端が潰れて太くなるじゃないですか。慣れないとパステルの先端がどこにあるのか感覚がつかめなくて、自分が思ったところに当たらないんですよ。よく指の太さを気にする人がいますけど、指の太さは関係ありません(笑)

 

——じゃあ、上達するコツってありますか?

三井さん:教室の限られた時間の中だけではなかなか上手くならないので、家に帰ってからも教わったことを思い出しながら自分で描いてほしいですね。何にでも言えることなんだけど、とにかく好きじゃなければ上達はしないと思うんです。

 

 

——確かにその通りですよね。三井さんは教室で教える以外にも、オーダーでチョークアートの仕事を受けてるんですよね?

三井さん:イタリア料理とかの洋食店からオーダーをいただくことが多いですね。でも、私はなんでも描きたいので、飲食に限らずいろんな業種の仕事をしたいと思ってます。同じアーティストが描いてるから、どれを見てもタッチが同じというのは嫌なんです。それぞれのお店に合ったテイストがあると思うので、お店に合わせてタッチを描き分けてるんですよ。お洒落にしたいと思っているんだけど、どうやったらお洒落になるのかわからないお店ってたくさんあるんですよね。そんなお店のお手伝いをしたいと常に思っています。

 

——今後、どんな仕事をしていきたいと思っていますか?

三井さん:チョークアートって、使うパステルによって消せるものと消せないものの2種類あるんです。消えるというのもチョークアートの特性なので、シーズンごとにアートを変えたり、マメに使ってほしいなって思いますね。あと、チョークアートで絵本を作って個展で販売したいんです。実は途中まで作ったんですけど、最近は作る時間がなくてそのまま未完成になってるんです(笑)

 

 

新潟ではまだ聞き慣れない「チョークアート」を広めるため、オーダー製作や講習などの活動を続けている三井さん。パステルの鮮やかな発色と、指先から生まれるグラデーションの立体感がチョークアートの魅力です。未完成になっているという絵本の完成を楽しみにしたいですね。

 

 

 

atelier noco

〒950-0163 新潟県新潟市江南区東船場2-1-19 2F

090-1449-0873

  • She
  • Things×セキスイハイム 住宅のプロが教える、ゼロからはじめる家づくり。
  • 僕らの工場
  • 僕らのソウルフード


TOP