Things

長岡市の陶芸教室「みよしの窯」で、焼き物の可能性を知る。

  • ものづくり | 2022.04.04

長岡市東新町の住宅街の一角に、陶芸教室があるって知っていましたか? その名も「みよしの窯」。全国規模の作品展で数々の受賞歴がある、陶芸家の眞島美代子さんが主宰している教室兼アトリエです。廊下には、思わず目を引くオブジェがたくさん並んでいます。これもみんな焼き物なんでしょうか……? 今回は、陶芸をはじめるまでの経緯や作品づくりについて、眞島さんにいろいろとお話を聞いてきました。

 

 

みよしの窯

眞島 美代子 Miyoko Mashima

1969年長岡市生まれ。機械メーカーに勤務していたころ、社員旅行で行った佐渡でろくろを体験。それをきっかけに陶芸に興味を持ち、教室に通いはじめる。33歳のときに独立。2006年に「みよしの窯」を開窯。日展入選、新潟県展賞などの陶歴を持つ。

 

何もないところから形にしていく、陶芸の面白さ。

――まずは、眞島さんが陶芸をはじめたきっかけを教えてください。

眞島さん:長年会社勤めをしていて、「毎日職場と家の行き来だけで面白くないし、何か趣味を見つけたいな」と思っていました。それで会社の社員旅行で佐渡に行ったときに、ろくろの体験をしてみたんです。それまでも「陶芸をやってみたいな」とは思っていたんですけど、実際に体験してみたら「もっとやりたい!」という気持ちになったんですね。そうしたらたまたま、家に陶芸教室の生徒募集のチラシが入っていたんですよ。

 

――それをきっかけに教室に通いはじめるわけですね。眞島さんは、陶芸のどんなところに魅力を感じたんですか?

眞島さん:何もないところから形にしていく面白さかな。あとは、他の人がやったことないことに挑戦できるところですね。

 

――もともと、ものづくりがお好きだったんでしょうか。

眞島さん:そうですね。以前は機械のメーカーに勤めていました。そこで、いちから機械を作り上げていく工程を見て魅力を感じて、「ものづくりってすごく面白いんだろうな」って思いました。仕事では間接的にしか関わっていなかったので、私は見ているだけだったんですけど、「将来何かを作りたいな」っていう気持ちはずっとありましたね。

 

 

――陶芸教室に通いはじめたのも、「陶芸を仕事にしたいな」と思ってですか?

眞島さん:はじめは、陶芸が仕事になるなんて思ってもみませんでした。教室に通っているうちに先生の仕事のお手伝いをするようになって、あるときから、「仕事にしてみてもいいのかな」って思うようになったんです。前の会社を辞めてから、通っていた陶芸教室の先生に何年か教わって、33歳のときに独立しました。

 

――その後、ご自分の窯を開いたわけですね。

眞島さん:2006年に「みよしの窯」を開きました。それまでは以前長岡駅前にあったイトーヨーカドーでカルチャー教室の講師をやっていました。そのときは自分の窯がなかったので、知り合いの陶芸家さんに頼んで作品を焼いてもらっていたんです。それで「人の窯を頼ってばかりいちゃダメだな」って思ったのもきっかけになって、「自分の窯を開きたい」っていう気持ちが強くなっていきましたね。今は教室の生徒さんも随時募集しています。一緒に成長していけたら作家冥利に尽きます。

 

 

――眞島さんは展覧会などで、数々の賞を受賞されていますよね。最初にご自身の作品を出品されるようになったのはいつですか?

眞島さん:まだ教室の生徒だったときです。先生に、「大きい作品をつくって公募展に出してみないか」って声をかけてもらったのがきっかけですね。最初は長岡市の市展、あとは地方の陶芸の作品展とか県展に出して、そうこうしているうちに今所属している、全国組織の「現代工芸美術家協会」に入会して、毎年その展覧会に作品を出すようになりました。

 

――これが、そのときに出品された作品なんですね。想像していたものと全然違いました。

眞島さん:陶芸っていうと器とか鉢みたいに丸いイメージだと思うんですけど、それはまた違う会になるんです。私のやり方は特殊なんですよ。

 

 

――どういうところが特殊なんでしょうか。

眞島さん:土を紐状にしたものを積み重ねたり、ろくろを挽いたりするのが基本的なやり方ですけど、私の場合は、土を板状にしたものを貼り合わせていくんです。パーツごとに分割して焼いて、それを組み立てて立体構成にしています。

 

――へ~、どうしてそういう作り方をされるようになったんですか?

眞島さん:公募展に出すには小さい作品だと見栄えがしないので、大きいものを作らないといけないんですけど、私の窯はちょっと小さかったんですよ。それなら小さいパーツで焼いて、組み立てればいいんじゃないかって考えました。

 

 

――実際に作品を作る前は、設計図みたいなものを書くんでしょうか?

眞島さん:ひとつの作品に対して100枚近く絵を描きます。現代工芸の新潟会で勉強会をするんですけど、「今回の展覧会はこれを出します」っていうプレゼンをするので、そのときに「エスキース」っていう、作品の模型を粘土や厚紙で作って持っていきます。大きな作品をつくる前にはミニチュア版を作っているんです。

 

見る人みんなに感動してもらえる作品をつくりたい。

――これまで作品をつくられてきて苦労したことはありますか?

眞島さん:みんな新しいものを求めているから、同じことばっかりはしてられないですよね。アイデアが生まれない苦しみで、スランプになることはあります。そういうときは美術館とか建物とか、いろんなものを見に行くんです。美術館に行くといろんなものを吸収しようとするから、すごく疲れます(笑)

 

――作品をつくっていて「面白い」と感じるのはどんなときですか?

眞島さん:公募展とかで人に作品を評価してもらうのもちょっとずつ楽しみになってきています。苦しいときもありますけど、「作ったものに対してどう言ってもらえるんだろう」と思って励みになるんです。

 

――ふむふむ。

眞島さん:あと、土はすごく正直なので、作り手の感情が入り込むとその形になってくれるんです。だから、自分の気持ちがダメなときはダメな作品になる。「あのときこうだったよな」とか、作品を見ると思い出すから面白いなと思います。気持ちが入っちゃうんでしょうね。

 

 

――最後に、眞島さんの今後の目標を教えてください。

眞島さん:作品に関しては、見る人に感動してもらえるような作品をつくりたいです。土に真摯に向き合うことが永遠のテーマかもしれないですね。

 

 

 

みよしの窯

長岡市東新町3-7-17

090-1653-3819

  • She
  • Things×セキスイハイム 住宅のプロが教える、ゼロからはじめる家づくり。
  • 僕らの工場
  • 僕らのソウルフード


TOP