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自然豊かな粟島の魅力を体感できる「あわしま自然体験学校」。

「あわしま自然体験学校」では、粟島の自然や暮らしを伝える体験プログラムを幅広い年齢層の方に提供しています。今回は、釣り好きが高じて2020年に粟島へ移住したスタッフの中沢心さんに、体験プログラムや印象に残っているお客さんのこと、粟島での釣りのお話などを伺ってきました。

 

あわしま自然体験学校

中沢 心 Kokoro Nakazawa

1995年新潟市東区生まれ。大学卒業後、新潟市内の会社で3年間勤務。その間、子どもの頃から興味を持っていた釣りをはじめ、いつしか釣りの虜に。「いつでも釣りができる環境で暮らしたい」と考え、2020年に地域おこし協力隊として粟島に移住。任期終了後も粟島に残り、「あわしま自然体験学校」のインストラクターを続けながらYouTubeチャンネル「あわしまDC」やSNSで釣りの魅力を発信している。

 

晴れの日も雨の日も、粟島の豊かな海を感じられる体験プログラム。

——体験内容について教えてもらえますか?

中沢さん:海でできる「穴釣り体験」「堤防釣り体験」「SUP体験」と、屋内でできる「ものづくり体験」の4種類です。いちばん人気は「穴釣り体験」ですね。岩が連なる「ゴロタ」という場所で岩の間に隠れている魚を釣るのですが、他の場所ではなかなかできない釣りだと思います。粟島のおじいちゃんやおばあちゃんが子どもの頃にやっていた遊びのひとつですね。

 

——「穴釣り体験」では具体的にどんなことができるのでしょうか?

中沢さん:木の棒に糸を巻きつけて、糸の先に針と餌、重りをつけた原始的な道具を使います。魚のいそうな穴に糸をたらして待ち、魚が糸を引っ張ったら糸を引き上げます。大人の方が一緒であれば小さいお子さんでもできますよ。釣れるかどうかは日によって違い、魚の機嫌次第ですね。釣れるか釣れないかわからないところに面白さがあります。

 

 

——面白そうですね。雨の日にできるプログラムはありますか?

中沢さん:「ものづくり体験」でフォトフレームやキーホルダーを作ることができます。材料は粟島の海岸で採れたシーグラス、貝殻、砂です。フォトフレームの場合、グルーガンとボンドを使って素材を貼り付けていきます。キーホルダーは砂を瓶に入れて作るんですけど、砂の中に小さな貝や石が混ざっているので、選んで入れてもいいと思います。巻貝や丸い石だけを集める、赤い色でそろえるなど、自分の好きなイメージを形にできますよ。

 

 

——これまでにどんなお客さんが来られましたか?

中沢さん:ご家族や、20代のお客さんが2~3人で来られることが多いですね。ご家族だと、はじめはお子さんだけが体験することが多いんですけど、お父さんやお母さんが「もっとこうしたら?」と声をかけていることもあって。僕が「よかったらお父さんお母さんもどうですか?」と言うと「やります!」と返ってきて、お子さん以上に熱中されることもありますね。

 

——大人も熱中できる内容なんですね。印象に残っている方はいますか?

中沢さん:穴釣りのお客さんで、全員耳が聞こえないというご家族が来られたことがあります。お父さんが読唇術のできる方だったので、僕が話す言葉を口の動きで読み取ってくれて、お父さんからご家族には手話で通訳して。さまざまなかたちでコミュニケーションできるのはすごいなと思いました。

 

動画をきっかけに釣りへの思いが再燃し、島への移住を決意。

——中沢さんは釣り好きが高じて移住したそうですが、釣りはもともとお好きだったんですか?

中沢さん:小さい頃から釣りが大好きだったんですけど、部活を一生懸命やるようになってから、なかなか時間が取れなくなって。その後、大学時代に釣り系のYouTubeを見るようになって「社会人になったら絶対釣りをしよう!」と釣りへの思いが再燃しました。新潟市の会社に就職して釣りを再開したときは、阿賀野川の河口沿いでスズキを狙っていましたね。

 

 

——動画がきっかけだったのですね。粟島には釣りをしによく来ていたのでしょうか?

中沢さん:粟島のことは存在すら知らなかったんです。最初に移住を考えたときは、大きな魚が釣れそうな南方の離島に行きたいと思っていました。それで地域おこし協力隊のリモート面接をしていたんですけど、ちょうどコロナ禍に入ってしまって。「観光をストップするから」と面接も中断になったんです。別の移住先を探していたときに見つけたのが粟島の求人でした。粟島ならヒラマサとかイシダイとか、本土では釣りにくい大きな魚も釣れますし「これだ!」と思って応募しました。

 

移住先の粟島で釣りを発信し、切り拓いた新しい暮らし。

——移住後はどんな暮らしをされているんですか?

中沢さん:移住当初は新型コロナの影響で「島民以外は船に乗せない」という状況だったので、釣りばっかりしてました(笑)。観光を再開した後は「あわしま自然体験学校」のインストラクターとして仕事をしつつ、空いた時間に釣りをするスタイルになりましたね。「午前中暇だから釣りに行くか」という気軽さは、住んでいる者の特権です。

 

 

——YouTubeで「あわしまDC」チャンネルを運営されていますね。

中沢さん:移住が決まった段階で動画の勉強をはじめて、移住後にはじめました。当初は「離島に移住して、大きい魚を釣って動画にすれば、すぐにバズって大金持ちになれるかも」と思っていました(笑)。現実はそう甘くはありませんでしたが、続けていく中で見てくれる人が増え、今は動画での仕事にもつながっています。動画をきっかけに釣り好きの人と仲良くなることも多くて。「○○では□□が釣れるよ」と教えてもらって、粟島以外の離島にも行くようになりました。

 

——釣りで人生を開拓している感じですね。釣りのいちばんの魅力は何ですか?

中沢さん:魚次第というところですね。自分で考えたやり方がガチっとハマって大きい魚が釣れると楽しいですし、想定外のことが起きて「やべー、なんで?」と思うのも面白いです。一生やめられないですね。

 

——魚次第だからこその面白さがあるんですね。最後に、粟島の魅力を教えてください。

中沢さん:粟島は自転車で一周できるくらいコンパクトで、景色のきれいな場所も気軽に行くことができます。個人的に好きなスポットは「矢ヶ鼻展望台」です。本土がいちばんきれいに見えますよ。あとはやっぱり釣りができるところです。漁師の方には負けますが、粟島にあるいろいろな釣り場を知っているので「粟島での釣り、渡船について知りたい」という方がいれば、ぜひ僕に聞いてください。

 

 

 

あわしま自然体験学校

岩船郡粟島浦村日ノ見山1491-8

0254-55-2146(粟島観光案内所と共用)

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。

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