加茂の魅力を発信する拠点を目指す「BBC Kamo Miyagemono Center」。
カフェ
2022.04.11
人口減少とともにシャッター街と化している商店街も多い中、加茂駅前を歩いていると、開いている商店街のお店の多さに驚かされます。「それだけ地元の人から愛される魅力的なお店が多いんだろうなあ」と、そんなこと考えながら散策してみたところ、ひときわ賑わっているお店を発見。その名も「BBC Kamo Miyagemono Center」。昨年4月、以前よりあった「加茂土産物センター」が、ボーダーカットソーで知られる「G.F.G.S.」のプロデュースでリニューアルオープンしたお店だそうです。今回は、店長の小柳さんにお話を聞いてきました。


BBC Kamo Miyagemono Center
小柳 陽平 Yohei Oyanagi
1994年加茂市生まれ。家電製品のメーカーに就職し、厨房機器の設計や販売に携わる。「G.F.G.S.」の代表である父親から「加茂土産物センター」リニューアルの話を聞き、昨年4月に「BBC Kamo Miyagemono Center」の店長に。音楽が好きで、県外へライブをしに行くこともあるんだとか。
スタートは、「若い世代に加茂を知ってもらいたい」という思い。
――こちらは、もともとあった「加茂土産物センター」がリニューアルしてできたお店だそうですね。
小柳さん:はい。加茂市から「G.F.G.S.」へ依頼があって、昨年4月にリニューアルオープンすることになりました。加茂市は人口が減ってきていて、特に20代から子育て世代までの方が非常に少ないんですよね。だから、「若い世代に加茂を知ってもらいたい」っていうところからスタートしています。
――なるほど。カフェを併設することになったのにはどんな理由が?
小柳さん:ここでは以前の「土産物センター」のように加茂のお土産も取り扱っているんですけど、それだけでは若い方を呼び込むのは難しいと思ってカフェを取り入れました。カフェを利用していただく方に加茂の特産品や文化に触れてもらえたり、この店をきっかけに加茂を散策してもらえたりするようにイメージして設計しました。

――気になっていたんですけど、すごい数のレコードですね。小柳さんは音楽がお好きなんですか?
小柳さん:これは「G.F.G.S.」の代表、オーナーの趣味なんですよね。私もずっと音楽ばかりやっていたので収集はしているんですけど。ジャズとかブルースが好きで、西堀のライブバーでセッションのホストをやっていたこともあるんです。自分、ハーモニカとギターと歌ができるので。趣味の範囲ですけど(笑)
――へ~!ぜひ演奏を聴いてみたいです。ところで、小柳さんはどういう経緯でこちらのお店に関わることになったんですか?
小柳さん:私はオーナーの息子なんです。もともとは、家電製品のメーカーに勤務していて、フライパンとか包丁とか、厨房機器を設計したり販売したりしていました。仕事のかたわら音楽活動もしていたんですけど、あるとき父から「カフェをやろうと思っている」という話があったんです。僕自身、「新しいことをはじめてみてもいいかな」っていうタイミングでした。飲食に携わる道具作りをしていて、カフェにも興味があったのでトライしてみることにしました。
――まったく違うお仕事のようで、通じる部分があったわけですね。それまでも調理の経験はあったんですか?
小柳さん:コーヒーが好きでもともと趣味で淹れていて、ハンドドリップについては知識がありました。カフェ向けのお菓子作りなどは勉強しましたが、前の仕事でも調理とは常に関わってきていたので、そこまで大変ではありませんでした。

カフェであり土産物屋であり、地域と関わりながらカルチャーも発信していく。
――小柳さんは生まれも育ちも加茂市だそうですね。加茂の魅力ってどんなところだと思いますか?
小柳さん:加茂山公園のような、非常に歴史の長い神社があるところや、町の中央に川が流れているところも面白いですよね。それと、和食の文化が豊かです。そして「肉を買うなら肉屋に行く」とか、地域の方が商店街の中で買い物を済ませるっていう文化もまだ残っているんですよ。それだけ食に魅力がある商店街なんでしょうね。
――そんな加茂の食の魅力が感じられるお土産も置いているわけですね。
小柳さん:そうなんです。地域の商品を若い方に手に取っていただけるようにデザインを変えたり、これまで知られていなかったものを提案し直してみたり、これまであったものをリブランディングして販売しています。

――例えばどんなお土産が?
小柳さん:5月になると加茂川の上空に500匹以上の鯉のぼりが飾られる行事があって、たくさんの人が見に来るんです。だけど、これまで鯉のぼりをモチーフにしたお菓子はなかったので、「KOINOBORI」っていうお菓子をオリジナルで作りました。同じく加茂の商店街に「涌井金太郎商店」さんという100年くらい続いている菓子屋さんがあって、そこで作ってもらっています。
――ふむふむ。
小柳さん:あとは「たなべのかりん糖」ですね。今までは個包装されていない状態で10本袋に入っていたんですよ。それだと一度封を切ると食べきらなきゃいけないので、当店では1本ずつ個包装されたものを販売しています。どちらもお土産品としてとても人気です。

――カフェのメニューについても教えてください。
小柳さん:ドーナツとコーヒーがメインですね。ドーナツは国産の小麦を100%使用していて、油も添加物や保存料の入っていない、ノンコレステロールのものを使っています。2月はチョコレートで4月はいちごとか、季節に応じてディップを変えていますよ。
――コーヒーにはどんなこだわりがあるんでしょうか。
小柳さん:「DONUTS BREND」は、ドーナツとの相性を考えて作ったオリジナルのブレンドです。あと「SEY COFFEE」という、ニューヨークのロースターのコーヒーを取り扱っています。パッケージを見ると分かるんですけど、コーヒー豆が栽培された場所や時期、仕入れている流通経路や運賃をすべて明かして、「この商品をフェアトレードで仕入れている」ってことを示しているんです。華やかな酸味の浅煎りコーヒーが得意で、とても美味しいですよ。

――こちらではイベントも開催されているそうですね。
小柳さん:「BBCマーケット」という、お店の前を使った小規模なマルシェをやっています。キッチンカーを呼んだり、地域の農家さんや食品店さんから出店していただいたりしています。冬期期間はお休みしていたんですけど、5月からはまた毎月開催するつもりですよ。
――それは楽しみですね。他にも、小柳さんが「BBC」で今後やってみたいことはありますか?
小柳さん:店の2階を開放して朝ヨガや、英会話の教室を運営していこうと思っています。カフェでありお土産物も販売しているんですけど、音楽や英語、ヨガとか、カルチャーの部分も発信していきたいと思っています。

「BBCがあるから加茂に住みたい」と思ってもらえるお店になりたい。
――小柳さんがお店をやっていて嬉しいのはどんなことですか?
小柳さん:前の仕事では自分が作った製品を料理人に届ける、もしくは家電量販店に置いてもらうっていうところまでだったんですよ。それもひとつの達成感ではあったんですけど。自分が店に立つようになって、お客様とダイレクトに触れ合う機会が増えたのには大きい喜びを感じますね。カフェではあるんですけど、拠点のような位置付けでもあるので、お客さんの層の幅がすごく広いんですよ。
――といいますと?
小柳さん:店内に、カフェが好きなふたり組がいて、小さい子どもを連れたご夫婦がいて、おばあちゃんたちはかりんとうを買いに来ているとか(笑)。あらゆる年代の方にそれぞれの楽しみ方があるっていう、その状況が個人的にすごく好きです。
――昔ながらの商店街にあるお店ならではのことですね。最後に、小柳さんの夢を教えてください。
小柳さん:この店があることによって、いろんな方が加茂に来ていただけるようになると思うんです。「BBCがあるからこの街に住みたい」って思ってもらえるお店になりたいですね。

BBC Kamo Miyagemono Center
加茂市穀町8-27
11:00-18:00
水木定休
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