猫のいるお茶の間。保護猫が里親と出会う猫カフェ。
カフェ・遊ぶ
2019.05.09
新潟初の譲渡型猫カフェ。
新潟市中央区の観光商業施設「ピアBandai」からすぐ近く。車も通れない細い路地を進んでいくと、一軒の民家が見えてきます。入口にかけられた暖簾には「里親さがし猫カフェ おっぽ」の文字。ここはただの猫カフェではなく「里親さがし」をしている猫カフェなのです。引き取った保護猫たちで猫カフェを運営し、お客さんの中から里親になってくれる人を探すという、新潟では初めての「譲渡型猫カフェ」。運営しているオーナーの神田さんにお話しをお聞きしました。

里親さがし猫カフェ おっぽ
神田 弘樹 Hiroki Kanda
1978年新潟市江南区生まれ。東京と新潟で介護職を経験した後、食品工場に勤めたが自分に合っていないと感じ、「里親さがし猫カフェ おっぽ」をオープンする。「新潟動物ネットワーク」や「あにまるガード」でボランティアをしていた経験や人脈が役立っている。
「猫のいるお茶の間」生活感ある一軒家で猫と触れあう。
お店に入ると、まず洗面所で手洗いしてから茶の間に通されます。「猫のいるお茶の間がテーマなんです」と店内に案内してくれた神田さん。ふた間続きの茶の間を、2匹の猫たちが自由に歩き回っています。普通の猫カフェに比べ、猫の数が少ないので、まるでお店ではなく、知り合いの家に遊びに来たような感覚です。




お店を始めるにあたって、神田さんは空き家を使うことにこだわりました。押入れだったところには透明のキャットウォークを作り、歩く猫の姿を下から眺めることができるなど工夫も満載。1階に一間、2階にも二間の部屋があり、どの部屋もそれぞれに雰囲気がちがっているので、飽きずにくつろぐことができます。「ふつうの猫カフェはワンフロアですが、ここは一軒家なので管理も大変なんです」季節に合わせてカーペットを変えたり、マメに部屋の模様替えをしたりしています。

保護猫の里親を探す場を作りたかった。
「じつは猫カフェをやりたかった訳じゃないんですよ」そう語る神田さんは、もともと「新潟動物ネットワーク」や「あにまるガード」などのボランティアをやっていました。「新潟動物ネットワーク」は保健所や動物保護施設に収容された、犬や猫の新しい飼い主を探す活動をしている団体。「あにまるガード」は飼い主のいない犬や猫を一時的に保護する施設です。そうした活動に携わってきた神田さんだからこそ、保護猫の里親を探し、譲渡することを目的にした施設を運営しようと思ったのです。でも、肝心の運営費がなければ、そういった活動を続けることはできません。そこで始めたのが保護猫を使った「猫カフェ」というわけなのです。



この日、「里親さがし猫カフェ おっぽ」にいた猫は4匹。もちろんすべて保護猫で、中には親子の猫もいます。どの猫もこの店に来たばかりのときはまだ人に慣れず、お客さんになかなか寄りつかなかったそうです。でも、だんだんお客さんと触れ合ううちに、人間と共生する社会性をおぼえていきました。そうして人に慣れ、お店の看板猫になった頃には、里親が見つかって引き取られていくというのが、この猫カフェにやってくる猫のサイクルです。現在までに19匹の猫が卒業し里親に引き取られていきました。

「里親さがし猫カフェ おっぽ」では、里親希望の人に次のような「譲渡条件」を設けています。
・家族の一員として、終生大切に育てられる
・生後半年経過後、避妊・去勢手術を行うこと(ちなみに「おっぽ」にいる猫たちは基本的に避妊・去勢手術済みです。)
・生後3ヶ月後からワクチンを接種させること
・完全室内飼いの徹底
・脱走防止対策を練っていただくこと
・60歳以上、単身者は後見人が必要
人によっては厳しいと感じる条件かもしれませんが、猫と人が安心、安全に暮らし、猫たちに幸せな生活を送ってもらいたいという思いからなのです。


いつか、里親さがし猫カフェのネットワークを各地に。
神田さんに今後の展望を聞いてみました。「県内には他にこういう保護猫の譲渡施設がないから、うちの店には村上や上越など、遠いところからもお客さんが来ます。だから、他の地域にも里親さがし猫カフェを増やしていけたらと思っています。」それはもちろん、支店を作ったりチェーン展開をしたいということではありません。いろいろな人が譲渡型の猫カフェを運営し、それぞれのお店が連携を図りながら、ネットワークを作ることで、新潟に動物保護の活動が広がっていってくれればと願っているそうです。

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