皆さんは「ボードゲーム」といえば何を思い浮かべますか? トランプや将棋、すごろくなどもボードゲームのひとつ。今月の26日、同人ボードゲームのイベント「新潟ボドゲ博」が朱鷺メッセで開催されます。主催者の米田さんに、自身がボードゲームをつくりはじめたきっかけや、イベントのことなど、いろいろお話を聞いてきました。
新潟ボドゲ博
米田 太陽 Taiyo Yoneda
1979年新潟市出身。これまで実家のペンキ屋の手伝いをはじめ、自然食品店の経営、農業系NPO法人の手伝い、イベント企画等を経験。地元野菜を使ったカレー店の経営後、趣味で制作していた同人ボードゲームのイベント「新潟ボドゲ博」を開催する。イベントに向けて、今は体調管理を徹底しているそう。
——4年前にカレーについてお話を聞いた米田さんに、今回はボードゲームのお話を聞きます。
米田さん:お久しぶりです。今はカレーからは手を引いて、ボードゲームにまつわる活動をしています。今月朱鷺メッセで開催される「新潟ボドゲ博2.0」は、僕が企画・運営しています。
——前回お話を聞いたときも、同人ボードゲームの制作が趣味とおっしゃっていましたね。そもそもボードゲームってどんなものなんでしょう。
米田さん:一般的には、電気を使わないアナログなゲームのことを「ボードゲーム」と呼んでいます。チェスや将棋はもちろん、「人生ゲーム」や「UNO」もボードゲームに入ります。同人のボードゲームは本当に幅が広くて、カードを使ったものやボード上で遊ぶもの、中にはスマホを使いながら遊ぶものもあるんです。一般の市場に出回っているボードゲームよりも、自由な発想でつくられているのが、同人のボードゲームなのかなと思います。
——米田さんが、ボードゲームの制作をはじめたきっかけは?
米田さん:もともとボードゲームじゃなくて、コンピューターゲームをつくりたかったんです。どうやって制作しようか考えていたときに、ふとボードゲームが頭に浮かんできて。「これならコンピューターゲームより、手軽につくれそう」と思って制作をはじめました。
——それからずっとボードゲームで遊んでいるんですか?
米田さん:実はそんなこともなく(笑)。トランプの延長線上で、「人狼ゲーム」を飲み会の場でやるくらいでしたね。自分でボードゲームの制作をはじめてから、「同人ボードゲーム」っていうジャンルを知って。毎年開催される「ゲームマーケット」というイベントに向けて、何人かで集まってボードゲームを制作したのをきっかけに、県外の同人ボードゲームのイベントに出るようになりました。
——県外の同人ボードゲームの盛り上がりって、どんな感じなのでしょう。
米田さん:「ゲームマーケット」は3万人規模のお客さんが来ますし、出店するサークルも1,000くらいあります。名古屋や北海道なんかも、大きな規模のイベントをやっています。ちょうど僕が制作をはじめた頃に「北海道ボドゲ博」がはじまって、第1回目から出店していたんです。そこから運営の方と仲良くなって、イベント名をお借りして新潟でボードゲームのイベントを開催することになったんです。
——「新潟ボドゲ博」では、どんなことができるのでしょうか。
米田さん:県外のイベントと大きく違うのは、試遊できるボードゲームがたくさんあるということです。ボードゲームって、大まかにこういうものっていうイメージはできると思うんです。でも、口頭で説明されただけでは、ゲームのことがいまいちわからない人も多い気がして。即売会みたいなイベントだと、ボードゲームのジャンルや根本のルールがわかっていないと、買うこともできないと思うんです。
——そうなると、ボードゲームに馴染みのない人にはハードルが高いかもしれませんね。
米田さん:そうなってほしくなくて、会場内には大きな試遊スペースをつくりました。当日は30作品以上のボードゲームを遊べますよ。
——1日中楽しめそうです。試遊の他にも、誰でも参加できる大会も開催されるんだとか。
米田さん:今年の「新潟ボドゲ博」から、大会も開催することにしたんです。楽しむだけじゃなくて、ちょっと真剣に遊びたいという方にはぜひ、大会に参加してもらえたらいいなと思って。気軽に遊ぶのも面白いんですが、勝ち負けがあると、より楽しめる作品も多いんです。
——今日、イベント当日に楽しめるボードゲームをたくさん持ってきてもらいました。
米田さん:このラインナップだけでも、ボードゲームの幅広さがわかっていただけるんじゃないかなと思います。トランプに少し手を加えたものや、オセロみたいな陣取り合戦を元につくられたものなど、どんな人にも楽しんでもらえるラインナップになっていますよ。
——中でも、米田さんのオススメは?
米田さん:今回、新潟のサークルさんにたくさん参加していただいていて、新潟ならではのボードゲームがたくさんあるんです。「NajiraGames」さんの「銘柄カクテル 鬼たのし」という作品は、日本酒をテーマにした作品です。日本酒の銘柄を自分の手持ちのカードから決めていく、大喜利的な要素を持ったゲームで、飲み会の場で遊んだら盛り上がること間違いなしです。
——これは試遊もできるんですね、ぜひやってみたいです。ところで、このエリンギのカードゲーム、すごく気になります……。
米田さん:僕もこれは、サンプルをいただいたときから気になっていました(笑)。説明書を読んでみたんですけど、カードに移されたエリンギたちの物語を考えて、その物語を当ててもらうゲームのようです。例えば、3つのエリンギのカードをみて、「これは家族で、家族構成は、父と母、子供で……」といった感じです(笑)
——どこまで細かく妄想できるか、その妄想がちゃんと相手に伝わるか、考えることがたくさんあって、遊びがいがありそうです(笑)
米田さん:同人のボードゲームはいろんな発想からできているので、遊びがいがあるのがすごく良いところなんです。制作者のみなさんが手づくりでつくったパーツもあるので、そういった細かいとことも見て楽しんでもらえると嬉しいですね。
——はじめてイベントに行く方は、どんなふうに楽しんだらよいですか?
米田さん:まずは、実際に遊んでもらいたいですね。作品についての説明を聞くだけでは、わからないこともありますし、買った後に思っていたのとは違ったと感じてしまうかもしれないので。ぜひ試遊スペースで遊んでもらって、アナログの良さを体感してもらえれば嬉しいですね。当日は、ストーリーテリング・ゲームを楽しめるイベントも用意しているので、試遊の休憩に遊んでもらうのも良いかもしれません。
——ボードゲームの魅力を余すことなく体験できる一日になりそうです。
米田さん:デジタルゲームが普及している今、アナログゲームって日常では体験できないものだと思うんです。僕は若い子たちには特にボードゲームをやってほしいと思っていて。人と顔を合わせて話をしたり、表情を見ながら相手の様子をみたりっていう遊びをしてほしいんです。
——そこから会話が弾むこともあるかもしれないですね。
米田さん:そうそう。30分遊んでもらうだけでも、そのゲームのことで盛り上がれますから。ボードゲームを通して、人とのつながりも感じられると思うので、親子で遊んでもらうのも良いのかなって思っています。
——改めて、米田さんの思う、ボードゲームの魅力を教えてください。
米田さん:勝っても負けても、みんなが楽しめるのが魅力だと思います。僕もボードゲームで遊んでいて、負けても全然おもしろいって思うし、むしろ「よし、もう1回やろう」みたいになるんです。しかもそれが初対面の人でもそうなるのが面白いんですよ。 コミュニケーションのきっかけとして、どんな人とも遊べることができるのも魅力なんじゃないかなって思っています。
新潟ボドゲ博2.0
開催日:2025年10月26日(日)
時間:11:00-16:00
会場:朱鷺メッセ スノーホールBサイド
入場料:500円(学生無料)
新潟ボドゲ博2.0