お気に入りの写真集に出会える書店「BOOKS f3」。その魅力とは。

新潟では数少ない、写真集をメインに揃えている書店。

書店といえばコミック本や週刊誌、専門誌などが多く並んでいますが、新潟市中央区沼垂に店を構える書店「BOOKS f3(ブックスエフサン)」は、写真集がメイン。ほっこりする写真集から、ちょっと奇抜な写真集まで、オーナーを務める小倉さんがセレクトしたものばかです(古書もあり)。なぜ写真集をメインに販売しているのか、なぜ魅せられたのか。いろいろとお話をうかがいました。

 

BOOKS f3

小倉快子 Yasuko Ogura

1987年生まれ。とある書店での出来事をきっかけに写真集に魅せられる。自身もカメラ撮影を趣味として、愛機のコンパクトカメラを持ち歩く。休日の趣味は散歩。歩いて垣間見られるちょっとした気づきが好き。

 

「BOOKS f3」のきっかけ。店名の意味とは。

――「BOOKS f3」は、どんな書店ですか?

小倉さん:基本的には自分でセレクトした写真集(新書)を販売している書店です。でも、古書の取扱もあるので、「写真集を中心とした新書と古書の本屋」ですかね。3席しかないですけど、カウンターでコーヒーやハーブティーも提供しています。

 

 

――お店はいつからされていますか?

小倉さん:オープンしたのは2015年12月です。今年で4年目となりますね。

 

――オープンする前は、何をされていましたか?

小倉さん:元々は写真を撮る仕事をしていました。なので、写真集を見るより、撮るほうに興味がありましたね。

 

――となると、どうして写真集中心のお店をはじめたのですか?

小倉さん:ん~ちょっとしたきっかけがありまして。友人の結婚祝いに写真集を贈ろうと考えていたんです。その時に立ち寄った書店で、結婚祝いの意図を伝えて相談したら、書店のご主人が自分では選ばないような写真集を選んでくれたんです。私は幸せなやわらかいイメージの写真や、結婚に直接的な写真集を思い描いていたのですが。

 

 

――真逆の写真集でしたか?

小倉さん:真逆ではないのですが、良い意味で「そういう視点もあったか!」と驚きました。これから家族となる夫婦に向けて、子どもや祖父母も加わったこれからの家族の様子がたくさん載っている写真集を選んでくれました。こんな家族を築いてね。そんなメッセージが伝わる写真集で、こちらの意図をくみつつ、贈る相手を考えてくれていたのでとても印象的でした。それでそんな仕事がしたいなって思ったんです。

 

――素敵エピソードですね。したいを仕事にした小倉さんも素敵です!ちなみに店名ってどういう意味ですか?

小倉さん:「f3」が気になるんですよね。よく聞かれます(笑)。この「f」はカメラに絞りという機能があって、その度合いを表す記号なんです。F値といわれるものですね。そのF値には「2」「2.8」「4」「5.6」のように数値が決まっていて「3」という値はないんです。書店って正直なくても生きていけるじゃないですか?でもあったら少し豊かになれると思えるわけで。そんなあったらいいなって意味を込めて、「f3」という店名にしました。

 

写真集を選ぶルールと好きな写真集。

――新書の写真集は小倉さんがセレクトしているとうかがいました。どんな基準で選んでいますか?

小倉さん:一番大切にしているのは、自分が良いな、素敵だなと思えるかです。やっぱり、気持ちが入っていないと勧められないですし。それと自分と同世代の写真家さんも積極的に取り入れています。出版社さんで取り扱っているものがベースですが、写真家さんから直接仕入れているものも、うちは多いほうです。

 

――写真家さんから直接ってルートもあるんですね。写真集はどんな中身のものが多いですか?

小倉さん:雄大な大自然をダイナミックに撮影した、ワッと驚くような写真集ではなく、日常の風景を切り撮ったスナップ系が多いですね。好きな写真集(写真家)の影響もあるのかもしれません。

 

 

――その影響を受けた写真集って、教えてもらえますか?

小倉さん:学生時代から好きな一冊で、パリ生まれでアメリカ育ちの写真家Elliott Erwitt(エリオット・アーウィット)が撮影した「Personal Exposures」という1988年に発刊された写真集です。シャッターを切るタイミングが本当に凄いなって思う写真ばかりで、ハッとしたり、クスっと笑えたりする写真がありつつも、皮肉を込めてその時代を収めた写真とか。本当に好きで、学生でお金がなくて買えなかった時は、図書館でコピーしたりしてました(笑)。今ではお店に置いてある大切な一冊です。

 

写真集に出会う書店として、写真集への思い。

――「BOOKS f3」は、どのように利用してもらいたいですか?

小倉さん:写真集って、買うにはハードルが高いモノだと思うんです。でも、手元に残って、一生付き合っていけるモノでもあります。食べ物は食べたらなくなります。写真集(本)はいつまでも隣にいてくれます。元気がない時、ほっとしたい時、そんな時にふと、あの写真が見たいなと思える一冊に出会ってもらいたいです。自分用にも、贈り物用にも、これ!という写真集を探しに来てもらいたいですね。

 

――書店って本来、何か面白い本はないかなって探しに行く場所ですもんね。

小倉さん:そうなんですよ。最近ではネットのレビューなどが普及し過ぎたせいで、自分で本を選べない人だったり、話題の本しか読まない(選ばない)人が増えている印象です。そもそも本に馴染みがない人も多いです。あの本を買いたいって目的で書店に来たのに、違う面白そうな本に出合うと楽しいじゃないですか?だから写真集も「こんな写真集あるんだ!」って、新しい出会いを提供していきたいです。

 

――書店としての在り方ですね。

小倉さん:写真集との出会いをお手伝い。それがお店を開いた目的のひとつですからね。あとは、縁があってこの場所でスタートしたので、立ち寄ってくれる方たちとのコミュニケーションも大切にしていきたいです。気兼ねなくお茶をしに来て、ちょっと雑談をしたり。大型の書店とはちょっと違う、「BOOKS f3」ならではの空間も大切にしていきたいですね。

 

 

BOOKS f3

新潟県新潟市中央区沼垂東2-1-17

025-288-5375

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