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新潟市西区にオープンしたチョコレート専門店「CHOCOLATERIE NOIROUGE」。

今年の2月にオープンしたばかりの「CHOCOLATERIE NOIROUGE(ショコラトリー ノワルージュ)」にお邪魔しました。まるで宝石店のような高級感のあるお店ですが、迎えてくれたオーナーシェフの平山さん夫妻は、とても気さくで温かい雰囲気でした。

 

 

CHOCOLATERIE NOIROUGE

平山 拓徳 Takunori Hirayama

1989年山形県生まれ。父親の転勤で新潟に移り住む。「にいがた製菓・調理師専門学校えぷろん」を卒業し、大阪にある「ムッシュマキノ」で牧野眞一氏に師事。2013年より「ザ・リッツ・カールトン大阪」ショコラ部門の製造責任者となる。2018年にはカナダに渡り「Duo Pâtisserie & Café(デュゥオ パティスリー アンド カフェ)」ショコラ部門の立ち上げや商品開発を担い、2店舗目の立ち上げにも携わる。2022年に新潟市西区で「CHOCOLATERIE NOIROUGE」をオープン。

 

大阪やカナダでのお菓子作り修業が今に生きている。

——平山さんはずっとお菓子職人を続けてこられたんですか?

平山さん:はい。専門学校で製菓を学んで以来、ずっとお菓子作りの仕事を続けてきました。

 

——製菓の道を選んだきっかけは?

平山さん:高3の進路を考える時期は、通訳とか体育の先生とか、いろいろやりたいことがあって迷っていたんです。そんなときに製菓の専門学校のTVCMを見て、頭の中で鐘が鳴ったような感じで「ここだ!」って思ったんですよね。

 

 

——直感みたいなものでしょうか。それで、卒業後はお菓子職人になったんですよね。

平山さん:はい。大阪の「ムッシュマキノ」を選んだのは、尊敬していた学校の先生が修業したお店だったんですよ。最初は接客からはじまって、2年目からお菓子作りの仕事をさせてもらえるようになりましたね。

 

——「ムッシュマキノ」では、特にどんなことが勉強になりましたか?

平山さん:効率よく作業することで余計なコストが減って、お菓子の価格も抑えることができるとか、お客様のニーズを考えてお菓子を作るとか、とにかくいろいろなことを学ばせていただきました。そのときはあまり考えずやっていたことが、今になるとすべて生きてくるんですよ。

 

——チョコレートはそのお店で学んだんですか?

平山さん:いえ、次に勤めた「ザ・リッツ・カールトン大阪」ですね。ショコラ部門で働くことになって、ボンボンショコラの作り方を学びました。専門学校で勉強していた頃から「テンパリング」という温度調整作業で質感が変わるチョコレートに興味を持っていたんです。ホテルにはVIPも多く来るので、価格を度外視した、1個何千円もするような超高級素材のチョコレートにチャレンジすることもできましたね。とても貴重な経験をさせていただけたと思っています(笑)

 

 

——1個何千円……食べてみたいなぁ(笑)。

平山さん:あと新人教育をするトレーナーの勉強もさせてもらったので、どうしたら効率よく人材育成をすることができるのか、わかりやすく教えることができるのか、という技術が身についたと思います。これは、これからのスタッフ教育に生かしていきたいですね。

 

——お店のホームページには、海外でも働いた経験があるとか……。

平山さん:ホテルでイベントをおこなう際に、海外のシェフをゲストとして呼ぶことがあったんですよ。それで一緒にお菓子作りをするうちに、海外への興味が大きくなっていきました。「海外のお菓子作りを見てみたい」というのもあったけど、人生経験として海外で生活してみたいと思ったんです。そこでワーキングホリデーを利用してカナダに渡りました。

 

——カナダでの生活はいかがでした?

平山さん:仕事は今までやってきたお菓子作りだったので、言葉がわからなくても内容は理解できるんですよ。ただ職場はやっぱり外国人ばかりだったので、英語力は上達しましたね。そこは人気店だったので、昼頃には売り物のケーキやクロワッサンがなくなってしまうんです。その後も売るものが何かほしいということだったので、僕がショコラ部門を立ち上げて、ボンボンショコラやパウンドケーキの提供をはじめました。

 

——そうやって海外でも実績を作っていったんですね。

平山さん:いろいろなことを任せていただけましたね。そのケーキショップの2店舗目ではアイスクリームを売り出すことになったので、独学でアイスクリームの作り方を覚えたり、チョコレートメーカーが主催するデザートコンテストにチャレンジしたりもできました。

 

——コンテストの結果はいかがでしたか?

平山さん:カナダから予選で選ばれたのは僕ひとりだったんですが、惜しくも受賞は逃してしまいました。ただ、人から審査していただくというのは、とてもいい経験で刺激になりましたね。特に、ひと口サイズのプティ・フールは世界的に有名な審査員の先生に褒められたので自信もつきました。

 

自分が美味しいと思うものを、妥協なく作る。

——新潟でお店をはじめたのは、どうしてなんですか?

平山さん:自分が育った新潟でお店をオープンするのが、長い間の夢だったんですよ。ただケーキ屋さんは他にもたくさんあるので、僕はチョコレートの専門店をやろうと決めました。まあ、あんまり朝が得意じゃないっていうこともあるんですけどね(笑)

 

——オープンしてみて、いかがでした?

平山さん:オペレーションに不安もあったので、お客様がそんなに来ないようにまったく宣伝をしなかったんです。ところが、店を開けてみたら大行列でびっくりしました。最初の2日間は2時間しか営業しないで店を閉めていました(笑)

 

 

——それはすごい(笑)。それだけ期待されていたんでしょうね。平山さんのチョコレートは、どんなことにこだわって作っているんですか?

平山さん:自分が美味しいと思うものを、一切妥協せずに作るようにしています。だからクオリティの高いヴァローナチョコレートを材料に使っているんです。値段は安くないんですけど、その分食べて後悔をさせない商品を作っています。

 

——見た目も宝石みたいで高級そうです。

平山さん:美味しいことは当然で、見た目も楽しんでもらえるように心がけています。普段の生活のなかでは自分がお洒落と感じたものをいろいろ見ておいて、それをお菓子に表現することはなかなか楽しいですね。

 

 

——お菓子って贈り物にも使われるものだから、見た目も大事なんでしょうね。他にも気をつけていることってあるんですか?

平山さん:賞味期限には気を使っています。ボンボンショコラで2週間、生チョコなら1週間なんです。これは自信を持って美味しく食べてもらえる期限を設定しています。それを過ぎても食べられるんですけど、できるだけ賞味期限内に召し上がっていただきたいですね。

 

——いろいろ、こだわっているところが多いんですね。

平山さん:うちのチョコレートを食べて、また買いに来てくれるリピーターの方も増えたんですよ。僕のこだわりがお客様に伝わってくれたんだと思うと、とっても嬉しいですね。

 

——お店もいよいよこれからですね。

平山さん:4月からは新たにスタッフも増えるので、ホテルで学んだトレーナーの知識を生かして、当店のチョコレート作りを伝えていきたいですね。その上で、スタッフの生活も考えて、働きやすい環境を作っていきたいと思っています。チョコレート専門店のビジネスモデルになれるように努めていきたいです。

 

——なるほど。職場としてもしっかりした環境でありたいということですね。

平山さん:はい。あと少しでもチョコレートの生産者に還元できるように、商品の価値を世の中に発信していきたいんです。リーズナブルなものが喜ばれるのはわかるんですけど、チョコレートの生産者がどんどん廃業していったら、原料がなくなってしまいますからね。それもチョコレートを扱う僕たちの使命だと思っています。

 

 

 

CHOCOLATERIE NOIROUGE

新潟市西区寺尾東1-11-20

025-201-7831

10:00-16:00(売り切れ次第終了)

不定休

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