動物キャラクターがあしらわれた遊び心満載の黒いクレープを提供するキッチンカー「PanDa CaFe(パンダカフェ)」をご存知でしょうか。人の集まるところに出没するので、空色のキッチンカーを目にしたことがあるという方、多いかもしれません。その「PanDa CaFe」が今年、新潟市北区に実店舗「ちょっとおかしなPANDACAFE」をオープンしたと聞いて、久しぶりにオーナーの手島さんに会ってきました。
ちょっとおかしなPANDACAFE
手島 ひとみ Hitomi Teshima
新潟市東区生まれ。短大で調理を学び栄養士と調理師の資格を取得。その後、神戸のケーキ店をはじめ、居酒屋、カフェなどの飲食店や保育園の給食スタッフとして働き経験を積む。2015年に「PanDa CaFe」という店名でキッチンカーのクレープ店をスタートし、2023年に実店舗の「ちょっとおかしなPANDA CAFE」をオープン。趣味はハンドメイドからスノボ、旅行、ツーリングと幅広い。
——実店舗オープン、おめでとうございます! キッチンカーの「PanDa CaFe」の取材のときに語っていた夢が実現したんですね。
手島さん:キッチンカーを続けてきて常連のお客様も増えたんだけど、キッチンカーだとゆっくり寛いでいただくこともできなかったっけ、ずっとカフェのようなお店をやりたいと思い続けてたんさ。コロナ禍もそろそろ落ち着きそうだったから、このタイミングで実店舗オープンに踏み切ったんだよねー。
——実店舗のカフェだったら、お客さんとのコミュニケーションがもっと取れますもんね。お店を作るにあたって、こだわったことってあるんでしょうか?
手島さん:室内なんだけど自然のなかにいるような、開放的なイメージにしたかったんだよね。それから、パンダをはじめとした動物たちがたくさんいて、クスッと笑えるようなお店にしたかったんさ。
——手島さんが作るクレープと重なるコンセプトですね。
手島さん:最初は内装のイメージを伝えても、建築設計士さんから「意味わかんねぇ」って言われたりしていたんだけど、お互いにスケッチを見せ合いながらイメージを共有していったんさ。おかげでイメージ通りの内装ができたかな。
——遊び心があって楽しいお店ですよね。写真を撮ってSNSに投稿するお客さんも多いんじゃないですか?
手島さん:あ、内観の撮影はご遠慮してるんさねー。手元のフードやスイーツはバンバン撮ってもらって構わないんだけど(笑)
——あら、どうして内観は撮影NGなんですか?
手島さん:お店に来てくれたお客様から「わーっ、可愛い!」って喜んでもらいたいから、ネタバレしないようにしてるの。
——来てくれたお客さんだけのお楽しみってことですね。BGMは流さないんですか?
手島さん:お客様とおしゃべりしやすいように余計な音楽は流さないんさ。うちのお店は、お客様同士でお話をはじめちゃうことも多いし……。個性的なお客様が多いからねぇ(笑)
——「類は友を呼ぶ」ってことでしょうか(笑)
手島さん:キッチンカーの頃から何年も通ってくれたお客様もいるんて。本当にありがたいよね。カフェは月に4回くらいしか営業していないのに、InstagramやTwitterで調べて仕事を休んでまで来てくれるお客様もいるっけね。
——こちらのお店では、キッチンカーとは違ったメニューが楽しめるんですよね。
手島さん:フードはオムライスやハンバーガー、スイーツはプリンやガトーショコラなんかを提供しているんだよね。実店舗ではクレープをやらないつもりだったんだけど、あんまりお客様から「クレープ、クレープ」って言われるっけ、14時以降にクレープも提供することにしたんさ。その代わり、フードメニューは14時までっていうことで。
——ランチタイムとカフェタイムみたいな感じ?
手島さん:調理スペースが広くないから、コンロを塞がないとクレープが作れないんて(笑)
——そういうことなんですね(笑)。フードもスイーツも、相変わらず面白可愛い遊び心があふれていますね。
手島さん:お皿で提供するスイーツのなかでも、プリンとガトーショコラは絶対やりたかったんさ。パンダの「タケシ」が乗った「頑固なタケシ」は固くてねっちょりしたプリンだし、ガトーショコラもチョコレートが濃厚で鼻血が出るレベル(笑)
——フードやスイーツを作っていて大変なことってあるんですか?
手島さん:手間がかかって面倒くさいメニューばっかりなんて。とはいっても、自分で考えたメニューなんだけどさ(笑)。パンダなんて同じ位置にいることがないっけね。あとシュークリームを作っていたら、カスタードクリームがはみ出して滝みたいになっちゃったんさ。捨てるのももったいないからパンダを添えて「滝を見に来たパンダたち」っていうメニューにしたりしてね(笑)
——失敗したシュークリームが、そのまま定番メニューになってる……(笑)
手島さん:でも逆に上手くできちゃうときもあって、そんなときは崖からパンダを突き落としたビジュアルの「火曜サスペンシュー」にしたり、シュガーパウダーをたっぷりかけて粉まみれになったパンダを「遭難中」っていうメニューにしたりするんさ(笑)
——相変わらずの、ぶっ飛んだ遊び心ですね(笑)。お店の外にあった自動販売機も変わってましたけど……。
手島さん:あれは自動販売機を丸ごと買い取って、自分の好きな缶ジュースの他に、瓶に入ったくじとか、オリジナルマスクとか、食用昆虫とかを売っているんだよね。当たりくじには「クレープのトッピング無料券」とか「お好きなクレープ一品無料券」とかがあるの。
——くじは楽しそうだけど、食用昆虫……。攻めてますねぇ。
手島さん:もうひとつ冷凍スイーツの自動販売機もあるんだけど、置き場所がなくて奥に置いてあるから「知る人ぞ知る」存在になりつつある(笑)
——冷凍スイーツまで販売しているんですね。ところで、念願の実店舗をオープンして夢がひとつ叶ったわけですけど、これからやってみたいことってありますか?
手島さん:タケシをはじめとしたキャラクターの、ハンドメイドグッズを作りたいんだよねー。とりあえずは100本仕入れた紙おしぼりがもうすぐなくなりそうだから、100本目のお客様に記念のオリジナルグッズをプレゼントしようかなって思ってるんさ(笑)
ちょっとおかしなPANDACAFE
新潟市北区松浜本町1-14-1
10:00-18:00
不定休