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新鮮な地元食材でつくったパンやジェラートを楽しめる「Clair」。

新潟市江南区で20年以上続く人気パン屋さん「Clair(クレール)」が移転オープンしてから早3年。パンはもちろん、旬の食材を使ったジェラートもすっかりお馴染みとなりました。今回はオーナーの珊瑚さんに、パンやジェラートのこだわりについてお話を聞いてきました。

 

 

手づくりパン&ジェラート Clair

珊瑚 誠三郎 Seizaburo Sango

1965年新潟市江南区生まれ。新潟市の調理師専門学校を卒業後、老舗パン屋や家業のせんべい販売店で働く。結婚を機にパン屋開業を目指して先輩の店で2年間修行し、2009年に新潟市江南区で「手づくりパンClair」をオープン。2018年には「手づくりパン&ジェラート Clair」として移転オープンする。趣味は車やバイク、自転車で、気分に合わせて乗り分けている。

 

先輩の下で、休みも惜しんでパンづくりを覚える。

——今の店舗に移転してからどのくらい経ちますか?

珊瑚さん:移転したのが2018年の7月だから丸3年経ちますかねぇ。

 

——移転の理由は、前の店舗が手狭だったからですか?

珊瑚さん:いえ、かえって前の店舗の方が今より広かったんですよ。こっちに移ったのは立地が良かったからですね。ずっとここにあったパン屋さんが前からうらやましかったんですよ(笑)。最初は前の店舗を残したまま、こっちを2号店にすることも考えていたんですが、そのときはスタッフが少なかったので諦めたんです。

 

 

——それはちょっと残念でしたね。ところで珊瑚さんは、最初からパン屋さんを目指していたんですか?

珊瑚さん:最初はフランス料理のシェフを目指して、新潟市にある調理師専門学校に行きました。両親が商売をやっていたので、子どもの頃から自分で食事を作ったりしていたんです。ときどき家族から「美味しい」って褒められるのがうれしかったんですよね。

 

——フランス料理を選んだのはどうしてなんですか?

珊瑚さん:かっこいいと思ったからです(笑)

 

——そこは大事ですよね(笑)。でも、どうしてパン屋さんの仕事をすることになったんですか?

珊瑚さん:専門学校を卒業するときに先生から「あなたはパン屋になりなさい」って言われて。それで古町の老舗パン屋を勧められたんです。

 

——かなり強引な展開だったんですね(笑)。じゃあ、その老舗パン屋でみっちり修行をしてパンづくりを覚えたんですね。

珊瑚さん:ところがそこには1年半しかいなかったんですよ。そのパン屋は当時何店舗もお店があって、製パンスタッフも20人以上いたんですよ。だから仕事も完全に分業化されていたんです。僕は使い終わったパンの焼き型を拭く作業を担当していました。何十本分もの型を1日中拭いていたんですが、そればかりだったので、辞めて両親の仕事を手伝うことにしたんです。

 

——ご両親のお仕事というと、どんなお仕事だったんですか?

珊瑚さん:せんべいの販売でした。10年近く手伝っていたんですけど、ディスカウント店が増えたことで売上も落ちてきたし、結婚して家族もできたので、自分でパン屋を開業してみようと決心しました。

 

——失礼ですけど、じゃあ、パンづくりの修行はほとんどしていなかったんですよね。

珊瑚さん:そうなんですけど、以前働いていたパン屋の先輩が自分のお店をオープンしていたので、お願いして修行させてもらったんです。最初から「パン屋として独立したいので2年で仕事を教えてほしい」とお願いして始めました。限られた時間の中で仕事を覚えたかったので、ほとんど休まず店に出ては仕事を覚えましたね。

 

オープン当初から繁盛して、家に帰る時間もなかった。

——最初の店舗は亀田の市街地からちょっと離れたところにありましたよね。

珊瑚さん:当時は今よりも亀田にパン屋が多かったんですよ。だから離れた場所を探すしかなかったんです。いつも通る道沿いにずっと空いている物件があって、毎日見ているうちに「ここでも大丈夫かな」って思うようになりました。でも思っていたよりも建物がボロボロで、改装費がかなりかかっちゃったんですよね(笑)

 

——最初から費用がかかっちゃったんですね。自分の店を「こんなパン屋にしたい」っていうイメージのようなものはあったんですか?

珊瑚さん:近所の人が毎日パンを買いに来てくれるような、気軽な店にしたいと思っていました。それこそ子どもが100円を握りしめて買いに来てくれるような。

 

——地域に根ざしたお店っていうイメージですね。実際にオープンしてみていかがでしたか?

珊瑚さん:おかげさまでオープン初日からお客様がたくさん来てくれたんですが、スタッフが足りなくて作るのが間に合わないんですよ。追加募集したスタッフが来るまでの3〜4ヵ月は家に帰る時間もありませんでした。

 

——それは大変でしたね。でもオープン初日からそんなに売れるのってすごいじゃないですか。ところで、珊瑚さんはどんなパンづくりを心がけているんですか?

珊瑚さん:パンに使う素材は鮮度のいいものを使いたいから、できるだけ地元のものを使うようにしています。それからパンに合わせた生地の食感や喉ごしを大切にして、粉の配合から仕込み方、タネの使い方を変えています。

 

 

——どんなパンがおすすめなんですか?

珊瑚さん:まずは食パンを食べてほしいですね。10種類くらいあるんですが、それぞれ使っている小麦も違うし、食感も違うんですよ。人気があるのは流行りの「マリトッツォ」や「フルーツサンド」ですね。これからは調理パンを強化していきたいんですよ。もともと料理が好きだったので具材をつくるのも楽しいし、最近はスタッフが増えたから、仕込みをする時間も取れるようになったんですよね。

 

お客さんから届いた応援の手紙に、感激。

——ジェラートも始めたんですよね。

珊瑚さん:もともとジェラートが好きで、いろんなお店を食べ歩いているうちに、自分でもつくりたくなってしまったんです。できれば本場のイタリアでジェラートの勉強がしたいと思っていたら、イタリアで日本語のジェラート講習があることを知ったんです。早速その講習に参加してジェラートの作り方を勉強してきました。ただ、本場イタリアのジェラートはとても甘いので、イタリアの味に寄せつつも日本人向けっていう微妙なラインを狙って作っています。

 

 

——すごく難しそうなラインですね(笑)。ジェラートのおすすめはありますか?

珊瑚さん:シチリアで食べられている「ブリオッシュ・コン・ジェラート」です。ふわふわしたブリオッシュに冷たいジェラートを挟んで食べるもので、変わった食感がクセになるんですよ。ジェラートには旬の食材を使っています。これからはスイカ、メロン、桃が人気ですね。新潟は美味しい果物も豊富にあるのでありがたいです。

 

 

——これからの季節は冷たいジェラートが食べたくなりますよね。最後に、珊瑚さんがパンやジェラートをつくっていて、嬉しいのはどんなときですか?

珊瑚さん:職人として嬉しいのは、自分が考えたイメージ通りの商品ができたときですね。あとはお客様が商品を受け取るときの、ニコッとした笑顔がたまらなく嬉しいんですよ。お客様に喜んでもらえているって実感ができたときは最高です。先日もお客様から応援のお手紙をいただいて、本当に感動しました。今後もお客様に喜んでもらえるようなパンやジェラートを作っていきたいですね。

 

 

ケースの中に並べられた色とりどりのジェラートを眺めていると、どれも美味しそうで目移りしてしまいます。初めて味わった「ブリオッシュ・コン・ジェラート」の食感には、すっかり病みつきになりそうです。皆さんも「Clair」へパンを買いにいったら、ジェラートを食べてひと息ついてみてはいかがでしょうか。

 

 

手づくりパン&ジェラート Clair

新潟県新潟市江南区亀田四ツ興野2-5-2

025-382-3680

7:00-19:00

不定休

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