今年の6月、燕市に「Next Generation Town(ネクストジェネレーションタウン)」という商業施設が誕生しました。カフェ、リラクゼーションサロン、雑貨、アクセサリーなどのお店が軒を連ねる、次世代型のガレージハウスタウンです。そのなかにブラジル出身のご夫婦が営む「EDU & CRIS(エデュ アンド クリス)」というお店があります。牛肉やソーセージの焼ける美味しそうな匂いがする店内で、ご主人のエデュさんからいろいろお話を聞いてきました。
EDU & CRIS
エデュ Edu
1972年ブラジル生まれ。2000年に日本へ移住し、燕市でプラスチック成型の会社に就職。22年間勤めた会社を退社し、2022年よりキッチンカーのブラジル料理店「EDU & CRIS」をはじめ、2023年に「Next Generation Town」内で実店舗オープン。18歳までプロサッカーをやっていて、今でもサッカー観戦が趣味。
——エデュさんはご出身がブラジルなんですよね。
エデュさん:私の父はポルトガル人、母は日本人なんです。日本には弟をはじめ親戚がたくさん住んでいて、日本で住むことを勧められていたので、2000年に家族そろって移住しました。子どもたちにとってどちらで生活するのが幸せなのか考えて、安全な日本を選んだんです。
——燕市で暮らすことになったのはどうしてなんですか?
エデュさん:燕市にはいとこが住んでいたんです。私は都会でしか暮らしたことがなかったので慣れない田舎暮らしに不安はあったんですけど、自然豊かで優しい人が多い燕市の分水地区がすっかり気に入ってしまいました。燕市に来てからはプラスチック成型の会社で22年間働いてきました。
——「EDU & CRIS」をはじめることになったのはどうして?
エデュさん:会社を辞めてから、ずっとやりたいと思っていた自分の店をはじめようと思ったんです。ブラジルではバーベキューが頻繁に行われているんですよね。私もバーベキューが大好きなので、土日は必ず家族で楽しんでいて、自宅にレンガのバーベキューコンロを作ったほどなんです(笑)。だからせっかくやるんだったら、大好きなバーベキューを生かした店をやりたいと思いました。
——レンガのコンロって……かなりガチですね(笑)。それで「Next Generation Town」にお店をオープンされたんですね。
エデュさん:その前にキッチンカーで営業をはじめました。ところが、友達の友達に「株式会社 人力舎(じんりきしゃ)」の社長がいて「Next Generation Town」への出店を誘っていただいたんです。キッチンカーだとどこで営業をしているのかわかりにくいけど、実店舗だったらここへ来てもらえれば営業しているからわかりやすいですよね。
——「Next Generation Town」で「EDU & CRIS」をオープンしてみて、いかがですか?
エデュさん:そんなに人が来ないと思っていたら、テレビや雑誌といったメディアで紹介されるたびに来客が増えていってびっくりしましたね。最初は炭火コンロを使っていたんだけど、調理が追いつかないからガスコンロを使うことにしたんです。
——調理の際にこだわっていることがあったら教えてください。
エデュさん:調理自体はシンプルなので、味を大きく左右するのは素材の良さだと思っています。ですから肉はグレードの高いものを使っていて、時間が経って冷めても固くなりにくいんですよ。塩も角がなくってうま味の強い岩塩を使っています。
——シンプルなものほど、ごまかしが効かないという難しさがありますよね。お店をやっていて楽しいですか?
エデュさん:私も奥さんも人と話すことが大好きなんです。ですから、この仕事が楽しくてしょうがないんですよね。お客様とも仲良くなって、いろいろなプレゼントをいただくことがあります(笑)
——それは嬉しいですね。どんなプレゼントをもらうんですか?
エデュさん:旅行に行ったお土産を買ってきてくれたり、奥さんの誕生日にバースデープレゼントを持ってきてくれたり……本当にありがたいですね。
——今後はどんなふうに営業していきたいと思っていますか?
エデュさん:せっかく作ったキッチンカーを使わないのはもったいないので、こちらでお店をやりながら、キッチンカーでの営業も再開したいんですよね。そのためにも、スタッフにもいろいろ教えて育てているところです。
——これからもいろいろと楽しみですね。
エデュさん:いつかは肉料理を味わいながら、ワインを楽しめるようなお店をやりたいと思っています。奥さんのクリスなしでは何もできなかったと思いますので、今後も大切にしながらお店を続けていきたいですね。
EDU & CRIS
燕市吉田西太田844-1 Next Generation Town内
不定休