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田舎暮らしを体験できる五泉のゲストハウス「五ろり」。

五泉市にある一風変わったゲストハウス。

旅の魅力ってどんなところにあると思いますか?忙しい日常生活から離れて、普段とは違う時間をのんびりと過ごすことでしょうか?いろいろな人に巡り合ってコミュニケーションがとれることでしょうか?そんな旅の魅力を思う存分に味わえるのが「ゲストハウス」です。五泉市にある「五ろり」もそんなゲストハウスのひとつ。普段はできない田舎暮らしを体験でき、宿泊者同士のコミュニケーションを楽しめます。今回はオーナーの斎藤さんご夫妻にゲストハウスの魅力を聞いてきました。

 

 

五ろり

齋藤 明 Akira Saito

1973年五泉市生まれ。東京で放送関係の専門学校を卒業後、舞台セットの大道具を製作する会社に勤務。新潟に帰ってからは様々な仕事を経験後、2014年五泉市にゲストハウス「五ろり」オープン。趣味は野球観戦と国内旅行。

 

五ろり

齋藤 三千代 Michiyo Saito

1984年三条市生まれ。夫の明さんと共に「五ろり」を切り盛りしている。趣味はウクレレ。

 

——明さんはずっと五泉市にお住まいなんですか?

明さん:いいえ。東京にある放送関係の専門学校を卒業して、そのまま舞台セットなんかを作っている大道具製作の会社に就職したんです。だから35歳くらいまでは東京で暮らしてたかな。

 

——結構長い間、都会暮らしをしてたんですね。新潟に戻ってきた理由は何かあったんですか?

明さん:まあ、いつかは新潟に戻ってくるつもりだったんですよ。35歳になったし、そろそろ戻ろうかなって思ったんですよね。新潟に戻ってからも大道具を作る会社で働いたり、いろんな仕事を経験しましたね。

 

——そこからどうして、ゲストハウスに?

明さん:私は若い頃から国内旅行が趣味で、旅先のゲストハウスに泊まるのが楽しみだったんです。オーナーや他の宿泊客との交流も楽しかったし、地元の人しか知らないような情報を聞けるのも面白かったですね。宿泊客として利用しているうちに、いつか自分でもやってみたいと思うようになっていたんです。当時はそういったスタイルのゲストハウスが新潟県にはあまりなかったので、だったら自分でやってみようと思ったんです。

 

囲炉裏での団欒や薪で沸かしたお風呂など、田舎暮らしを体験できる。

——五泉市でやろうと思ったのはどうしてなんですか?

明さん:自分が住んでる町ですし、愛着があったんでしょうね。せっかく五泉市でやるんだったら田舎暮らしを味わえるようなゲストハウスにしたかったんです。この古民家は1年間探して見つけたんですけど、前の持ち主が置いていった不用品がたくさん残ってて、片付けるのが大変でした。

 

——「五ろり」はどんな特徴のあるゲストハウスでしょうか。

明さん:街中のビジネスホテルとは違って、便利な宿泊施設じゃないんです。囲炉裏とか薪で沸かしたお風呂とか、昔ながらの田舎暮らしを体験してもらえる宿泊施設なんです。とはいっても、薪割りとか風呂沸かしたりとか、そういう面倒な部分はこちらでやりますので、お客さんには田舎暮らしを気軽に楽しんでもらうっていう感覚ですね。食事作りは宿泊者全員に参加してもらいます。

 

——なるほど、お客さんにとっては田舎暮らしの「いいとこ取り」みたいな体験ですね。食事作りに参加してもらうっていうのはどうしてなんですか?

明さん:「夕食を作る」という共同作業をすることで、自然とコミュニケーションを取ってもらえると思うんです。料理が苦手な人でも野菜を洗ったりとかお皿に盛り付けたりとか、簡単な作業をお願いして、なんでもいいから手伝ってもらうんですよ。そうして作った地元食材の料理をみんなでワイワイいただくことで、より美味しさを感じてもらえると思うんです。

 

ママチャリで旅する人やコーヒーを振る舞う人など、宿泊客も個性的。

——「五ろり」の自慢って何ですか?

三千代さん:田舎暮らしの他に、採れたての卵や野菜を味わえるっていうことでしょうかね。野菜は無農薬で自家栽培したもので、スナップエンドウ、にんじん、じゃがいも、里芋、さつまいもを作っています。卵も鶏小屋から生みたてを持ってきて使ってます。近くの野山で採ってきた山菜を使うこともあるんですよ。

 

——新鮮な食材が手に入る環境ってことなんですね。こういうスタイルのゲストハウスをやっていて、大変なのってどんなときですか?

明さん:うーん…。あんまり大変だって思ったことはないかなぁ。雪の多い年は大変だったし、冬支度で薪の準備をするのも大変だけど、大変なことも楽しくなってきちゃうんですよね。建物の修繕をしたりやヤギ小屋作ったりする大工仕事も、昔やっていた大道具作りの経験が生かせてるような気がしますね(笑)

 

——大変なことも楽しくなってくるって、いいですね。じゃあゲストハウスをやっていていちばん楽しいことは?

明さん:とにかくいろんなお客さんがやってくるので、お客さんとの交流が楽しいですね。私も旅好きなんだけど、いろんなとこを回ってきた人から旅の話を聞けたりするのは嬉しいですよ。

 

三千代さん:お客さんとの出会いが一番楽しいよね。

 

——ちなみに、どんなお客さんが泊まっていくんですか?

明さん:ママチャリで旅して回ってる人とか、コーヒーを豆から挽いて淹れて宿泊者全員に振舞ってくれる人とか…。私が鉄道オタクなので鉄オタのお客さんも来てくれるし、県外でゲストハウスをやっている同業者も泊まりにきてくれますよ。同じ釜の飯を食べるってことはいいもんだって思いますね。

 

五泉のおすすめスポットと今後やってみたいこと。

——五泉市のおすすめスポットってありますか?

明さん:五泉市には綺麗な川が多くて、その中でも仙見川渓谷(せんみがわけいこく)はおすすめですね。水の透明度が半端なく綺麗なんです。ただ、お盆を過ぎた頃になるとアブがすごくてね。できればその前に行った方がいいかも。

 

三千代さん:私がおすすめしたいのは慈光寺(じこうじ)っていう禅寺です。参道の杉並木は疲れたときに一人でよく行く癒しスポットです。あと「ニットフェス」っていうイベントもおすすめです。いろいろな企業のニット工場を見学できて面白いですよ。

 

——五泉市のよさってどんなところだと思いますか?

明さん:すっごく山の中っていうわけではなくて、ほどよい里山で田舎の良さを感じられるところですかね。

 

三千代さん:あと、穏やかな人が多いです。

 

——今後新しくやってみたいことってありますか?

三千代さん:私は囲炉裏を囲んだアコースティックライブとか、女性向けのヨガスクールとかのイベントとかやってみたいですね。あと年明けから藁細工に挑戦してきたので、講師を迎えて体験なんかもできたらいいと思います。

 

明さん:昨年からヤギを迎えたので、しっかりしたヤギ小屋を建ててあげたいですね。あとピザ窯を作りたいんですけど、どなたか作ってくれる人いないですかね? もしいたら「五ろり」までご連絡ください(笑)

 

 

旅好きのオーナーが自分好みのゲストハウスとして始めた「五ろり」。のんびりとした時間の中で田舎暮らしを味わえる上に、齋藤さんご夫妻や宿泊者同士の交流も楽しめます。ずっと気になっていた「五ろり」という名前は、「ごろり」と寛いでほしいという思いと「五泉」の「五」を掛け合わせたものだそうですよ。

 

五ろり

〒959-1738 新潟県五泉市別所1030

0250-27-1425

 

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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