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地元の旬な素材を使ったお菓子が楽しめる、見附「Grand Sourire」。

見附ショッピングセンター内に店舗を構える「Grand Sourire(グラン スリール)」は、この6月に1周年を迎えたケーキ屋さん。子どもからお年寄りまで安心して食べられる、素材にこだわったロールケーキが看板商品のお店です。店主の小林さんは、お菓子屋さんができるフードロスの削減にも高い関心を持っているとか。今回はそんな小林さんにいろいろとお話を聞いてきました。

 

Grand Sourire

小林 美保 Miho Kobayashi

1982年見附市生まれ。「にいがた製菓・調理専門学校えぷろん」を卒業後、東京のケーキ店「Grand cru」で13年間、新潟市内のケーキ店で2年間働く。2021年6月に「Grand Sourire」をオープン。

 

小さい頃からの夢は、「ケーキ屋さんになること」。

——小林さんは、小さい頃からお菓子屋さんになりたかったそうですね。

小林さん:保育園のときから「将来の夢はケーキ屋さんになること」でした。「将来は自分のお店をやろう」と決めていたので、経営のことを勉強したくて商業高校へ通っていました。

 

——子どもの頃からの夢を叶えるなんて、うらやましい。

小林さん:好きなことを仕事にできるって幸せなことですよね。自分が「やりたい」と思える仕事だから、ここまで続けられたんだと思います。

 

——働きはじめてからの目標は、やっぱり「自分のお店を持つこと」でしたか?

小林さん:最初に勤めたケーキ屋さん「Grand cru」には13年間いたんですけど、就職してからしばらくは独立することも他のお店で働くことも考えていなかったですね。でも、だんだんとキャリアを積んで、生産計画を立てる販売責任者のような仕事を任されるようになってから「好きなことでお金を稼ぐっておもしろい」と思いはじめました。その頃から独立を意識しはじめたように思います。それと30歳のときに、オーナーシェフから「今後の人生、どうやって生きるか考えるときに来たぞ」と言われたんです。「人生一度きりだし、お店を出してみるのもいいな」と本格的に考えるようになったきっかけはその言葉かもしれません。

 

お菓子は、地元の美味しい食材を伝えるツールにぴったり。

——去年オープンしたこちらの「Grand Sourire」はどんなお店でしょう?

小林さん:地域の皆さんが「あのお店には、ちょうどいい手土産がある」と思える、安心感があるお店でありたいと思っています。近頃は実店舗を持たずに販売する形式のお店が増えていて、そのスタイルは食品ロスを減らせていいな、とは思うんですけど、やっぱり地元を盛り上げるためにも実店舗を持つことにはこだわりたかったですね。

 

——地元を盛り上げる、ということは、見附の食材も使われているんですか?

小林さん:ロールケーキには見附の「立川ファーム」さんの卵を使っています。卵、砂糖、小麦粉、生クリームの4つの素材だけで作っているロールケーキなので、ひとつひとつの素材がとても大事になるんですが、いろいろ試した中でも「立川ファーム」の卵が美味しかったんですよ。あとは見附特産のさつまいも「見附レディ」や「見附栗」の特性を生かしたジャムなんかもありますよ。地産地消ってすごく大切なことですよね。「地元の美味しい食材を伝えるツール」としてお菓子はぴったりだと思います。このお店で見附の名産を知ってもらえたら嬉しいですね。

 

 

——お店の自慢の商品はどれですか?

小林さん:「グランスリール生ロール(ロールケーキ)」、「スフレ・フロマージュ・ケーキ(チーズケーキ)」、「えがおのカステラ」、「スリール生クリームパイ」の4品を看板商品としています。お店をオープンしてからの3ヶ月は、この4つだけを販売していました。お客さまに看板商品を知ってもらいたかったのと、「Grand Sourire」のケーキがどんな味かを分かっていただかないとお誕生日ケーキなどのオーダーにはつながらないと思ったからです。まずは、「Grand Sourire」のケーキを信頼してもらうことからはじめました。この4品は、完売する日を除いていつもあるようにしているんですよ。

 

加工が得意なお菓子屋さんだからできる、フードロスの削減。

——最後に、これからの展望として考えていることがあれば教えてください。

小林さん:地元の農家さんともっと密に関わって、ケーキ屋さんができるフードロスの削減に取り組んでいきたいと思っています。今は、三条の農家さんと仲良くさせてもらっていて、そこから直接仕入れた旬のフルーツをケーキに使っています。でも農家さんには必ず出荷できないフルーツがあるんですよ。例えば、色がきれいじゃない、形がそろっていない、傷があるとか。そんなフルーツをジャムなどに加工すればフードロスの削減につながると考えています。ケーキ屋さんはフルーツを刻んで使う、ピューレにする、ムースにするなどして加工することが得意な業種です。お菓子屋さんの力がフードバンクなどの団体とつながることでもっとできることがあるんじゃないかな、って思います。

 

——大切な考えですね。

小林さん:13年間勤めた「Grand cru」のシェフは、捨てなくてはならないフルーツや価値が落ちてしまったフルーツに目を向けて、フードロスの削減に力を入れていた人でした。そのシェフと一緒に山梨の農家さんのもとへ足を運んだとき、台風の影響で売り物にならなくなった果物を、農家さんが畑に埋めている姿を見たんです。それがとっても切なそうでしたし、こちらも悲しかったんですよね。それで自分もお店を持つなら、新潟でフードロスの削減にも取り組みたいと思ったんです。

 

 

 

Grand Sourire

見附市葛巻町1665-1K-106

0256-86-7691

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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