シーズン到来! 村上「千経」のはらこ丼とお店のこと。
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2021.11.13
シーズン到来! 秋も深まり、鮭が旬を迎える時期となりました。「鮭のまち」として知られる県北・村上では目下、同地の方言でイクラを意味する「はらこ」をたっぷり使った各店自慢の丼を楽しむ「はらこ丼フェスティバル」なるものが開催されています。今回はその参加店のひとつで、和食だけでなく四川料理もメニューに揃える名店「千経」さんにお伺いし、店主の竹内さんに「はらこ丼」やお店のことなど、いろいろとお話を聞いてきました。


和食 四川料理 千経
竹内 敏雄 Toshio Takeuchi
1967年三条市(旧栄町)生まれ。創業42年を迎えた「千経」の2代目店主。大阪の調理師専門学校で学んで帰郷し新潟市内の「四川飯店」に就職、四川料理の腕を磨く。同店で「千経」出身の夫人と出会い、28年前に婿として「千経」に入り村上に。先代から日本料理を学びつつ、割烹だった「千経」のメニューに自身の四川料理も加えた。今春には次代を担う息子が修業から帰還。趣味はカラオケで、自称「山居町1丁目の平井堅」。
価格高騰でも減量せず。あの調味料を入れずに味をしっくり。
――本日はよろしくお願いします。今年もいよいよ鮭のシーズンがはじまりましたね。コロナ禍も落ち着いてきましたし、「はらこ丼」もよく出るようになっているのでは?
竹内さん:おかげさまで確かにお客様は戻りつつあるのですが……今年はとにかくはらこが高いんです! 飲食店はみんな悲鳴を上げています(苦笑)。かといってメニュー価格を上げるのもお客さんに悪いですし、何とか工夫して乗り切るしかないですね。
――そうなんですか……村上の「はらこ丼」といえば、ご飯の上からこぼれ落ちんばかりにイクラがのっている贅沢なイメージですが、それもなかなか難しくなったんですかね……。では、千経さんの「はらこ丼」の特長を教えてください。
竹内さん:うちも何とか価格を上げず、はらこをこぼれ落とせるように頑張っています(笑)。特長といえるかどうか分かりませんが、うちのはらこ(醤油漬け)は、普通であれば必ず入れる調味料を入れていないんですよ。それはお酒です。和食が専門だった先代からずっとそうで、私もそれを踏襲しているんですが、なぜなのかは正直よく分かりません(笑)。でも、入れない方がしっくりくる味になるんですよね。
――竹内さんは三条のご出身で、最初にやっていたのも四川料理とのことですが、村上に来て初めて鮭料理に触れたとき、どう感じましたか。
竹内さん:いやぁ、ビックリしました。村上でははらこにせよ塩引きにせよ、鮭についてはお店どころか、各家庭がそれぞれの味を持っていますからね。一方で私はといえば、四川料理だったので村上に来て和食をやるまで魚すらほとんど調理したことがなかった(苦笑)。先代からはじっくり教わりました。村上には鮭を余すことなく使う文化があり、その料理も100種類以上あります。外から来た一料理人としてもその厚みは単純にスゴいと思いましたし、今もそう思います。

四川料理は2代目のエッセンス。定食で共演も。
――それでは「千経」さんのお店の特長を教えてください。
竹内さん:うちはもともと割烹でしたが、私が来てからは四川料理もメニューに加えました。ともに本格派の和食と四川料理を同じテーブルで楽しんでもらえるのは、この辺りでは珍しいかもしれませんね。また鮭とともに村上を代表する食材のひとつの村上牛も、サーロインステーキからすき焼きまで、様々なお召上がり方で楽しんでもらえます。あとは……そうですね、ウナギもご好評いただいています。
――幅広いですね。竹内さんは2代目なんですよね?
竹内さん:そうです。市内の割烹に生まれた先代が京都で修業して、地元に店を開いたのが42年前になります。以前はショッピングモールに出店したり、スナックもやっていたりして。私もこちらに来た当初はショッピングモールの方のお店に入ったんですが、23年前に現在のこのお店に集約しました。その際、私が四川料理に覚えがあるため、店名も「和食 四川料理 千経」にして、和食だけでなく四川料理もメニューに加えたんです。
――なるほど。定食も様々ラインナップがありますが、和食と中華の両方が一度に楽しめるメニューも?
竹内さん:ありますよ。例えば、最近の限定メニュー「えび三昧定食」では、白エビのかき揚げと甘エビのお刺身、エビチリソースが一度にお楽しみいただけます。これはけっこうご好評をいただいていますね。

――美味しそう! ところで、店名の由来は?
竹内さん:先代が、自分の生まれ育った割烹「千渡里」から一字もらい、自分の名前「経」と合わせたとのことです。先代は今年亡くなってしまいましたが、和食だけでなく本当に多くのことを学ばせてもらいました。今春には息子が修業から戻ってきて同じ調理場に立っているので、今度は自分が教える番なのかもしれません。

コロナ禍に負けず、次代も育てる。融合メニューの開発も。
――ところで不躾ですが、新型コロナウイルスの影響はいかがでしたか? やはり大きかった?
竹内さん:そうですね、かなり。うちもこれまでやってきた仕出し料理をテイクアウトに応用したり色々やりましたし、公的支援にもとても助けられました。ただそんな中でも幸い、営業日でお茶を挽く(客数ゼロの)日は1日もありませんでした。地元の常連さんのおかげです。客足の途絶えた時期でも変わらず足を運んでいただき、後光が差して神様のように見えました(笑)。とてもありがたく、常連さんは大切にしていかなければなぁと改めて実感しました。
――最近は新規感染も落ち着いてきて、街に人の往来も戻ってきているように思えますが、いかがですか?
竹内さん:おかげさまで週末を中心に、地元の方も観光の方も入ってくれるようになってきました。久しぶりに団体のお客さんも戻りつつあります。せめて忘年会シーズンはこのまま落ち着いていてほしいのが正直なところです(苦笑)。というか第6波といわず、このまま収束してもらえれば……。
――そうですよね……! 今後の展望はいかがですか?
竹内さん:引き続き、お客様に飽きられないよう、時代のニーズを読みつつ試行錯誤していきます。息子は新潟市内の料亭などで日本料理を学んできたんですが、時間をみつけて四川料理も教えていくつもりです。また、これまであまりやってこなかったんですが、単に和と中の料理を別々に出すだけでなく、そのふたつをひとつの皿に融合させたメニューも開発してみたいですね。いずれにせよ、これからはもう上がるだけですから。
――力強い! 本日はありがとうございました。


和食 四川料理 千経
〒958-0853 村上市山居町1-4-31
TEL 0254-52-2475
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