ひとりひとりの心の平和を守りたい、長岡市の「暮らしの雑貨店 HOPI」。
その他
2022.09.01
今年7月、長岡駅前のすずらん通りの一角に「暮らしの雑貨店 HOPI」という雑貨屋さんがオープンしました。食器やお香、花瓶など、店内には店長の清水さんがセレクトしたこだわりのアイテムが並びます。実は造形大学に通う現役大学生だという清水さん。お店をはじめるまでの経緯や、お店に置いている商品のことなど、いろいろとお話を聞いてきました。


暮らしの雑貨店 HOPI
清水 麻琴 Makoto Shimizu
2001年鳥取県生まれ。長岡造形大学視覚デザイン学科在学中の4年生。新潟市の上古町商店街に店舗を構えるクリエイト集団「hickory03travelers」へのインターンシップをきっかけに、昔からの夢だった雑貨店をはじめることを決意。今年の7月に長岡駅前のすずらん通りで「暮らしの雑貨店 HOPI」をオープン。お店の運営に加えて、デザイナーとしての仕事も行っている。
大学在学中に叶えた、「雑貨屋さんをやる」という夢。
――清水さんは長岡造形大学に通う現役の大学生だそうですね。お店の運営と学業の両立は大変ではないですか?
清水さん:今は週に1回だけ大学に行けばいいので、大丈夫なんです。お店で課題をすることもありますけど(笑)
――大学ではどういう勉強をされているんですか?
清水さん:視覚デザイン学科で、紙面媒体やポスター、ロゴマーク、グラフィック、パッケージ、あとはブランディングとかを勉強しています。お店のロゴや名刺も、私がデザインしたものなんです。

――勉強したことがさっそくお店で生かされているわけですね。雑貨屋さんを開くことは昔からの夢だったんですか?
清水さん:そうですね。昔から「やりたいな」とは思っていたんですけど、近い将来というよりは30歳とか40歳くらいになったら、って思っていました。
――在学中のこのタイミングではじめようと思ったのには、何かきっかけがあったんでしょうか。
清水さん:新潟市の古町で、雑貨屋さんとデザイン事務所を兼ねたお店をやっている「hickory03travelers」さんに、インターンとして何度かおじゃましていました。新しく「複合施設SAN」をはじめるってなったときにも立ち会っていて、「SAN」が出来上がるまでの様子を見ていたら、「私もやってみたい」と思ったんです。代表の迫さんに「いつか雑貨屋さんがやりたいんです」って話はずっとしていたんですけど、「今やればいいじゃん」って言ってもらえて。じゃあやってみようかなって。

――すごい行動力! 物件を探したり商品を探したり、いちからお店をはじめるのは大変じゃありませんでしたか?
清水さん:物件探し、楽しかったです(笑)。最初は三条の1軒家を使って、1階は店舗、2階は住居にして住もうかなって思っていたんですけど、なかなかいい物件が見つからなくって……。でもそのつながりで三条の方と仲良くなれたので、それはよかったですね。この場所はあんまり深く調べずに、「あ、ここにしよう」って決めちゃいました。大学近いし(笑)。すずらん通りって良い通りだと思いますし。
――ゆるっとこの場所に決まったんですね(笑)。お店がオープンして約1カ月ですけど、実際にはじめてみてどうですか?
清水さん:インスタを見て来てくださる方が多いですね。近くの他のお店の方が来てくださって、ストーリーをあげてくれて、またそれを見て来られる方とかいらっしゃって。つながりをすごく感じています。助けられながらやっているって感じです。ここらへんだと無料の駐車場がないので、せっかくならお店を渡り歩いてもらえるようになると、お互いにとって良いのかなと思います。

かわいらしい店名の由来は、「平和の民」である「ホピ族」。
――落ち着いたいい雰囲気のお店ですよね。コンセプトがあれば教えてください。
清水さん:はじめる段階ではあやふやで、「ゆったりとした生活」っていう、なんとなくのイメージでやっていましたね。仕入れたい商品はリストを作って固めていたので、それを見つめ直したときに、日本に昔からあるものや地域で眠っていたものを、今のライフスタイルに合うように新しくリデザインしたものたちをいっぱい置くことにしました。海外のものもちょっとずつ置いてはいるんですけど。
――気になっていたんですけど、店名の「HOPI」って言葉にはどんな意味が?
清水さん:アメリカのインディアンの部隊に「ホピ族」っていう方々がいらっしゃって、その「ホピ」っていうのが、彼らの言葉で「平和の民」っていう意味なんです。「平和」って言ってもいろんな意味がありますけど、大きい意味の「平和」で言うと、今は平和を保ちにくい世の中なのかなって思っていて。そんな中でも、ひとりひとりの小さな心の平和を守っていけたらいいなって。拠り所になるような、癒しの気持ちになれるようなアイテムを置きたいなっていう思いからこの名前にしました。

――名前の響きもかわいらしくていいですね。お店に置く商品はどうやって探しているんですか?
清水さん:昔から雑貨屋さん巡りが好きだったので、いろんなお店に行くなかで「これいいな」って思ったものを覚えているんです。インスタで見つけることもありますし、造形大生の作品も置いていたりしますよ。
――へ~!なかでも清水さんおすすめの商品はどれですか?
清水さん:「hickory03travelers」さんの「佐渡番茶」はお気に入りです。あとは「COQ」さんっていう札幌のテキスタイルブランドがあって、そこのバッグと靴下を置いています。この靴下は肌触りも良くって、夏は足元を見せることも多いと思うのでおすすめですね。

卒業後は、デザイナーとしての仕事にも力を入れていきたい。
――清水さんは今4年生ですが、卒業後はどんなふうに活動していく予定なんでしょうか。
清水さん:とりあえずお店は続けようと思っています。だけど、雑貨屋さんだけだとちょっと厳しいところもあるので、卒業後はデザイン業にも力を入れていきたいです。最近だと三条で物件を探しているときに出会った方から、デザインのお仕事をいただいて。そういうつながりの中で、デザイン業務も増えていったらいいなと思います。

――雑貨屋さんのお仕事と、デザインのお仕事が互いに良い影響を与え合うといいですね。
清水さん:あとはネットショップもはじめたいですね。ただ、今はそのやり方を考え中っていうところです。ネットショップって、遠くに住んでいてお店に来られないけど、「HOPI」の雰囲気を気に入ってくれた方が利用してくださるのかなって思うので、定期便にするのもいいかなとか考えてはいるんですけど……。まずは卒業制作が終わってからですね(笑)
――卒業制作、頑張ってください(笑)。お店としての今後の目標はありますか?
清水さん:まずは、これまでよりも商店街の中での横のつながりが増えたらいいなって思います。他のお店とも、もっと交流していきたいです。良い通りですし、ひとつの独立したお店じゃなくて「すずらん通りの中のこのお店」って思ってもらえるようになったらいいですよね。

暮らしの雑貨店 HOPI
長岡市東坂之上町3-1-7
営業時間:11:00-17:00
定休日:月・火
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