空想をキャンバスに表現
長岡のアーティスト「石原花音」さん
カルチャー
2026.03.13
この春から高校3年生となる、石原花音さん。毎日のようにキャンバスと向き合いながら、自身の内面や空想の世界を描いています。初めての個展のことや、絵が「自分と向き合う手段」に変わったきっかけなど、いろいろと聞いてきました。
石原 花音
Kanon Ishihara
2008年長岡市生まれ。絵を描くことと自宅で飼っている猫が好き。「コピックアワード2023 次世代アーティスト賞グランプリ」「第4回絵と言葉のチカラ展 未来賞(2025年)」など数々の賞を受賞している。
初めての個展で感じた、
人とのつながり。
――花音さんは、毎日何かしらのかたちで絵に触れているんですか?
花音さん:毎日絵を描いています。今はF30号サイズ(910×727mm)の大きなキャンバスに向き合っています。
――大作ですね。どんなふうに制作を進めているんでしょうか?
花音さん:公募などに作品を出展することも多いので、その場合は締切に間に合うように制作します。大きい作品はそうすることが多いです。その合間に、息抜きを兼ねて小さい作品に着手することもあります。落書き程度のものは、毎日描きます(笑)
――けっこうな数の作品を残しているのかな、という気がするんですが、ちなみに昨年はどのくらいの作品を完成させたんですか?
花音さん:去年は初めての個展を開催したので、それに向けて小さめの作品をたくさん描きました。展示したのは40点ほどで、そのうち個展に向けて新しく制作した作品は30点くらいだったと思います。個展のタイトルは、「NOSTALGIA(ノスタルジア)」でした。自分を振り返ることができた機会だったな、と思っています。
――初めての個展、プレッシャーはありました? それとも、ワクワクしていました?
花音さん:ワクワクが大きかったです(笑)。もちろん緊張感もあったんですけど、それ以上に楽しみでした。
――個展の感想をぜひ教えてください。
花音さん:たくさんの方が来てくださって、とても驚きました。小学校、中学校の頃の先生も来てくださって。久しぶりにお会いできた方も多く、「人とのつながり」をすごく感じることができました。

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変わる自分には、
違和感とワクワクが。
――普段はどんなツールを使うことが多いですか?
花音さん:ペンで描くことが多いです。色塗りに水彩絵の具やアクリル絵の具を使います。
――幼少期は誰でも「絵を描く」ことが身近にあるような気がするんです。でも、花音さんみたいにずっと絵を描き続ける人は多くないと思うんです。ずっと絵が好きだったんですね。
花音さん:中学時代に体調を崩していたとき、大好きな絵にずいぶん助けられました。それまでは、ただ「好きだから」絵を描いていたんですが、立ち止まる時間があって、自分と見つめ合いながら絵を描くようになった気がします。
――それは作品を客観視できるようになった、ってことですか?
花音さん:そう感じるときもあります。完成した絵を見て、制作していたときの自分の心情を思い出したり、「あのときの自分にはこう見えていたんだな」って懐かしい気持ちになったりします(笑)。たとえば、りんごをモチーフに絵を描いたことがあって、制作中はリンゴの皮と実が「見た目」と「内面」みたいに見えていたんです。でも今は、そういう見方はしないな、みたいな。
――すごくわかりやすい例を教えてもらいました。じゃあ、花音さんは「変わること」をどう思っていますか? 私は若い頃、気持ちや考え方が変わることにちょっとした恐怖心があったんですけど。
花音さん:私も自分が変わっていくことがちょっと怖いです。でもそれ以上に「変化することが楽しい」って気持ちがあります。
――ポジティブな言葉を聞けてよかったです。作風にも変化はあるものですか?
花音さん:私の絵を観てくださった人から「絵が変わりましたか?」とメッセージをいただきました。やっぱり絵に現れるものやモチーフとして選ぶものは、どんどん変わっていくものなんだな、と思います。
――そもそも花音さんは、どんなテーマで絵を描いているんですか?
花音さん:空想を描くことが多いんです。見たものをそのまま描くことはあまりしなくて。空想の中に登場するのは、架空の街や植物だったんですけど、最近は人が出てくるようになって。私の絵に人物が登場するなんて、思いもしませんでした。最近は「人が描きたい」と思っているみたいです(笑)

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絵を描くこと、
これからのこと。
――この春から、花音さんは高校3年生。高校生の間に取り組もうと思っていることはありますか?
花音さん:今描いている作品より大きい、F100号(1620mm×1303mm)サイズの絵を完成させたいと思っています。それから来年の3月にも個展の予定があるので、それに向けてしっかり準備したいです。
――まだ先のことではありますが、絵を仕事にしたいという考えはありますか?
花音さん:そうできたら嬉しいですけど、叶うかどうかは誰にもわかりません。大人になっても絵を描いていられたらいいな、くらいの気持ちでいようと思っています。
――もう描きたくない、って気持ちになったことはあります?
花音さん:あります。でも、結局また描くんですけどね。一晩寝ると、「描きたい」って気持ちが復活するんです(笑)



石原花音
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