クスっと笑える話から、下世話な話まで。<万代編>

居酒屋で聞いたあんな話。こんな話。<万代編>

居酒屋で、バーで、夜のお店で…お酒の酔いが回るにつれ、つい口から出てしまうあんな話やこんな話。酔った勢いでついしてしまったあんなコトやこんなコト。深夜2時過ぎ、居酒屋のカウンターから聞こえてくるエピソードを、Things編集部スタッフの仲良し店員さんにこっそり教えてもらう短期連載「居酒屋で聞いたあんな話。こんな話。」。四回目は万代編。古町居酒屋でほんとにあったヒマネタ、こっそり教えちゃいます。

 

万代で聞いた、恩師との再会エピソード。

 

社会人生活も数年が経つと、少しばかり懐に余裕が出てくる。学生時代は安居酒屋で安い酒を飲むのが普通だったが、それなりの給料をもらえる身分になり、何軒も好きな店をハシゴできるようになった25歳の男性ふたり。彼らは高校の同級生だ。近況報告もかねて定期的に会っては飲み歩いている。今日もふたりはプラプラと夜の万代シテイを歩いていた。いつも話すのは「スラムダンク」に憧れてはじめた高校時代のバスケットボールのこと。とくにクラス担任でもあり、バスケットボール部の顧問でもあったG先生の話に花が咲く。ちょっと不真面目であった彼らは、時々練習をサボっては叱られ、授業中に居眠りをしては叱られとG先生を困らせていた。当時のエピソードを面白く語り合ううちに酔いはまわり、そろそろ帰るかと外へと出た。と、そのとき。前方に横たわるスーツ姿の男性が。驚いて駆け寄り、「大丈夫ですか!?」と声をかけると…「大丈夫だ。酔っぱらっていない。飲み過ぎただけだ。」と聞き覚えのある声が。驚きを隠せないふたり。それもそのはず、目の前に倒れていた酔っ払いは高校時代のG先生ではないか。しどろもどろに「酔っぱらっていない。大丈夫なんだ。酔っ払ってないから」と完全なる酔っ払い発言を繰り返すG先生。そんな恩師を見下ろし、社会人になったふたりの男は思った。自分たちが先生に迷惑をかけてきたから、先生にはお酒が必要なんだな。そのときはじめて、「社会に出て俺たちもちょっとは成長したかな…」なんて気分になったとさ。

 

万代で聞こえてきた、デビュー女子が受ける洗礼。

 

クラスで目立たない地味な女の子の、環境の変化をきっかけにした「大学デビュー」や「社会人デビュー」。お洒落に目覚めて、メイクもバッチリ。ドキドキしながら合コンに行ってみたり、女子会とかしてみたり。そんなデビュー女子にありがちな、飲んだときに仲良くなった大人からのクラブへのお誘い。「クラブってドラッグのやりとりとかもしちゃう危ない場所なんでしょ…」って警戒感もあるけど、お洒落で素敵な空間と口説かれると行かずにはいられない。だってキラキラしたいんだから。そして深夜12時。緊張を隠して精一杯の「ちょっと慣れている感じ」を出しつつクラブへIN。大音量で流れる音楽に合わせて踊っているお洒落な人たち。カッコいいDJ。バーカウンターでお酒を作るキレイなお姉さん。自分もそんなイケてる人たちのひとりだと思うと、テンションは上がる。私、けっこういけるかも。しかしその気持ちが落とし穴。ビギナーの女の子のそばには、必ずといっていいほどにクラブに生息している遊び人が出現する。「一緒に飲もうよ」「一緒に踊ろうよ」と誘われ、お洒落なお兄さんにチヤホヤされてご満悦のデビュー女子。クラブへ行った経験のある人ならわかると思うが、あの大音量で体を揺らしながら飲んでいると、初心者の場合はいつも以上に酔ってしまう。もちろん彼女も例外ではなかった。気分よく酔って、チヤホヤされ、一緒に外に行こうよって肩に手を回されときめいた。その後のコースはもう決まっている。ホテルに入ってベッドイン。遊び人の定番コースだ。朝、目が覚めるともう彼の姿はない。昨夜教えてもらった連絡先に電話やメールをしても、「うん」「はい」といった冷たい返しをされるばかり。あの晩のときめきは何だったの…?と、我に返って後悔するのだ。「ツンデレ」ならぬデレからのツン。「デレツン」か。とにかくデビューするときはいろいろお気をつけを。

 

万代で聞いた、新人社員のあるある話。

 

春になると居酒屋でよく耳にする、新入社員同士の愚痴り合い。「俺の上司、マジで怖いんだよね」「私の会社の人って、めちゃくちゃ細かいんだよね」などなど。この日、会社の同期と飲んでいた新人営業マンも同じように社内の愚痴をこぼしていた。彼の上司にあたる先輩社員は、THE体育会系。脳みそも筋肉でできているのではないかと疑うほどに、ジムへ通って筋肉を鍛え上げるのが生き甲斐のアラサー男子。もちろん教育スタイルも筋肉を鍛え上げるかのごとくスパルタで、「見て覚えろ」「とにかく努力だ」と感覚的なスタイル。もうちょっと論理的に教えて欲しい…。やさしく教えて欲しい…。でもそんな思いは届かない。しかも、その先輩はしょっちゅうプライベートの誘いをしてくる。「山はいいぞ!一緒に登りに行くか!」「BBQセットを持っているから夏になったらやろうな!」「いい居酒屋を見つけたから一緒に行くぞ!」などグイグイだ。仕事とプライベートはきっちり線を引きたいものの、誘われれば断れない。先輩のせいでなんだか会社へ行くのがつらくなってきた。さて、そんな鬱憤を晴らそうと、新人営業マンの彼はある週末に音楽フェスへと繰り出した。気心知れた仲間と酒を飲み交わし、好きな音楽に酔いしれる。最高の2DAYSを過ごしたのだ。でも週末が楽しかった分、月曜日からの仕事がつらい。月曜の朝、目が覚めると出勤の時間はとうに過ぎていた。具合が悪いので休みますと、仮病の連絡をする彼。しかし、「なぜだ?どうしてだ?風邪ぐらいで仕事を休むな!」と筋肉バカからのメールがひっきりなしに届く。「あーもう!」そのメールをきっかけに何かがプツンと切れた新人営業マンは、次の日に辞表を出した。典型的な「嫌だから仕事を辞める」スタイル。皆さんはこの仕事の辞め方、どう思いますか?


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