4代目が惚れ込んだ「こいしや菓子店」のシフォンケーキ。
食べる
2024.12.08
小千谷市で100年以上続く「こいしや菓子店」。シフォンケーキが評判のお店ですが、それ以外にも洋菓子、和菓子などを種類豊富に取り揃えています。取材時にシフォンケーキと一緒に買ってきたどら焼きも忘れられないお味でした。今回は義両親とともにお店を守っている、4代目の河合さんにお話を聞きました。ちなみにお店のロゴのモチーフは3代目のご主人。実際にご本人にお目にかかると、イラストとイメージがぴったりでびっくりしちゃいました。

こいしや菓子店
河合 雄治 Yuji Kawai
1986年東京都生まれ。「こいしや菓子店」4代目。高校卒業後にアメリカへ留学。2019年に新潟市へ転居。営業などの仕事を経て、2021年に妻の実家が営む「こいしや菓子店」に入る。学生時代はバスケ選手として活躍。

日本一好みのシフォンケーキを受け継ぐ。
――河合さんは東京ご出身だそうですね。新潟にはどういったご縁でいらっしゃったのでしょう?
河合さん:バイト先で妻と知り合いました。妻が「いつか新潟に戻りたい」ということだったので、東京から新潟市に転居し、そこで会社勤めをしていました。その頃は、まさか「こいしや菓子店」を継ぐとは思っていませんでした。
――何かきっかけがあったんでしょうか?
河合さん:実は、あまりお菓子が好きじゃなくて。前はシフォンケーキなんて「パサパサしている食べものだよな」ってくらいの感覚でいたんです。それが「こいしや」のシフォンケーキを食べてみたら、もう衝撃的な美味しさで。初めて食べたとき、一気に7、8個食べたと思います(笑)
――すごい量ですよ(笑)
河合さん:妻の実家である「こいしや菓子店」は、100年以上続くお店です。後継ぎがいなくてお店が潰れてしまっては惜しいですし、こんなに美味しいシフォンケーキをどうしてもなくしたくなくて。それで「僕がやります」と手をあげました。うちのシフォンケーキは日本一美味しいんじゃないかって思っていますから。

――シフォンケーキへの愛が伝わってきます。
河合さん:ただ、そう決めたものの、まだ新潟市の会社に勤めていたので、それからは休日の度に小千谷まで通って勉強しました。料理をしたことはあっても、お菓子作りの経験はなかったんですよ。
――はじめてのお菓子作りは、どうでしたか?
河合さん:大変なことばっかりですよ。業界用語も道具の名前もまったくわからなかったんで。小麦粉、強力粉の違いとか砂糖の種類とか、ちんぷんかんぷんでした。義理の両親に教えてもらい、プラスひとりで夜な夜な特訓しました。
――努力をされたんですね。
河合さん:でも、「絶対に売れる」って確信があったので、迷いはありませんでしたね。営業経験があったので、それには自信がありました。

プレーンは「たまご味」。4代目が加わり、種類豊富に。
――「こいしや菓子店」さんのシフォンケーキは、どんなところが他と違うんですか?
河合さん:こればかりは食べていただかないとなんとも言えないんですけども。言葉にすると「ふわふわ」「しっとり」って、きっとどこのお店も同じかもしれないですね(笑)。うちのシフォンケーキは、ほんとうにバランスが取れていて、生クリームなどのトッピングなしでも十分満足できます。それに、飲み物が欲しくなることもないです。舌触りが違うんでしょうね。
――シフォンケーキ以外のお菓子もぜひご紹介ください。
河合さん:3代目の義父は東京で修業をした和菓子職人なので、和菓子の種類も多いんですよ。おぢや銘菓の「舟陵」、もなか、どら焼きなどの定番から、生菓子や季節限定の商品などをそろえています。義父はすごく器用なので、洋菓子も作れちゃいます。今の季節に販売中のスイートポテトは、遠くから買いに来てくださる方もいます。

――シフォンケーキを商品化したのは、3代目ですか?
河合さん:そうですね。どこかのお店でシフォンケーキを食べて「これ、いいね」って自分たちで作りはじめたみたいです。
――河合さんが「こいしや菓子店」さんに入られてから変えたことはあるんでしょうか?
河合さん:僕が手伝いはじめた頃、シフォンケーキは数種類しかありませんでした。ベーシックな「たまご味」と、あとは季節限定のフレーバーがあるくらいで。それが今はココアマーブル、抹茶、紅茶など7、8種類まで増えました。笹団子のシフォンケーキは「道の駅越後川口 あぐりの里」限定商品として販売しています。
――えぇっと、「たまご味」とおっしゃいました?
河合さん:いわゆるプレーンが、うちでは「たまご味」なんですよ(笑)
――美味しそうな商品名です。ちなみにシフォンケーキ作りは河合さんの担当?
河合さん:今は僕が作っています。自分で作ったスイーツを食べてもらえる嬉しさは、今までの仕事では経験したことがないものでしたね。

小千谷で愛された味は、国境を越える?!
――代々続くお菓子屋さんを受け継いで、気持ちの変化はありましたか?
河合さん:勤めていた頃以上に、仕事に熱中しているかもしれません。組織に所属している感覚から、「義両親と3人でお店を守っているんだ」って自覚に変わったといいますか。もちろん「この仕事をやらなくちゃ」っていう使命感はあるんだけど、それだけだと息苦しくなりそうで。新しい味に挑戦したり、楽しみながら試行錯誤している毎日です。来年の2月頃には「光のように美しく輝いてほしい」と名付けた琥珀糖「天使の梯子」を販売開始予定です。琥珀糖を太陽にかざし、このネーミングを思いつきました。「天使の梯子」とは、光の現象の一つで、雲の隙間から差し込む光の筋を指す言葉なんですよ。

――新しい道を歩まれているんだろうなって思っています。
河合さん:ありふれた言葉になっちゃいますけど、「引き継いだからには、お店をもっと大きくしたい」って気持ちはあります。「こんなに美味しいシフォンケーキが小千谷にあるんだよ」ってもっと広めたいなって。
――これからも期待していますね。
河合さん:実家の家族が暮らしている埼玉、お隣の長岡でも販売したいなと思っているんですけどね。夢が叶うかわかりませんけど、留学していたアメリカにも「こいしや」の味を広めたいです。

こいしや菓子店
小千谷市船岡2-3-2
Tel 0258-82-2805
定休日:月曜・火曜
open:10:00~18:00(日曜は17:00まで)
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