万代シテイの今昔をトリップ。今昔写真の撮り歩きイベント。

「新潟今昔写真」の撮り歩きイベントの様子をレポートします。

新潟の今と昔の風景写真から見えてくるもの…、思い出される懐かしい時代の記憶…。新潟の街の今昔写真を見比べて楽しむ人気のアプリ「新潟今昔写真」。その活動のひとつである「撮り歩き」イベントが4月7日に新潟市中央区の万代エリアで行われました。15回目となる今回の撮り歩きイベントは、新潟伊勢丹が主催する平成回顧イベントの一環として開催されました。参加者は19名。20代後半の若者から70代のシニア世代まで幅広い年代の人たちが参加しました。

 

万代シテイの今と昔を写真で比べよう。

この撮り歩きイベントは、昔の古い写真を元に、それと同じロケーションで現代の街の様子を撮影するのが目的。新潟伊勢丹のエントランス脇でのオリエンテーションのあと、いよいよスタートです。まずはグループに分かれて、事前に用意された万代シテイの古い写真の中から、各チーム3~4枚をセレクトします。

 

万代シテイの古写真は新潟交通株式会社の提供によるもの。万代シテイが誕生したのは1973年とそれほど昔ではない写真ばかりなので、参加者の記憶に残っている風景が多い

昔の写真とにらめっこしながら、探偵のように場所を特定。

古い写真を選んだら、撮影開始。万代シテイのエリア内を約1時間かけてチームごとに行動します。基準となるランドマークが写っていないか、どこから撮られたものかなど、古写真をよく確かめながら場所を特定していきます。「グループの⼈と探偵のように、ここかな、いやこっちじゃないかと探してポイントを狙うのが楽しかったです。(参加者)」

 

世代間の交流もこのイベントの楽しさ。

グループは若手と年配、日本人と外国人留学生など、バランスよくシャッフル。今の街を楽しむ世代と、昔の記憶をもつ世代が一緒に取り組む、その世代間の交流もこのイベントの楽しさのひとつです。「グループで撮り歩きすることによって⼀⼈では気がつかない景⾊を⾒られたり、思い出を話し合ったりできたことが楽しかったです。(参加者)」ちなみに下の写真は、今回の撮り歩きで撮影されたもの。ロケーション、ぴったりですね。

 

今回のイベントで参加者が撮った写真の例。今昔が見事に再現されている。

 

思い出を共有することでもっと街が好きになる。

場所を特定できたら、昔の写真と同じ構図になるように撮影。そして最後のお披露目会で撮影の成果を発表します。「参加者が取材発表するスタイルにクエスト的な楽しみがありました。(参加者)」万代シテイは誕生してからまだ46年と比較的新しい街。だから参加者みんなの記憶に思い出がカラーで鮮明に残っています。他の人たちのコメントや経験談を聞くことで、思い出がふわっとよみがえってくることも。「思い出を共有し合って、もっと街を好きになる」それが、このイベントの醍醐味なのです。ただ、せっかく撮った写真でも「この場所は違いますね」と年配の参加者からツッコミが入ることも…。

 

代表の富山さんに、このプロジェクトについてお聞きしました。

この「新潟今昔写真」の撮り歩きイベントについて、「一般社団法人新潟今昔写真」の富山聡仁さんに、お話をうかがいました。

 

ーー 「新潟今昔写真」のプロジェクトが生まれたきっかけから聞かせてください。

富山さん:東京で仕事をしていたとき、同じ新潟出身で高校の先輩でもある方と出会ったんですね。そのときすでに神奈川の鎌倉で「鎌倉今昔写真」というのがあって、「僕らも新潟でやってみたいね」という話をしていたのが、このプロジェクトが生まれるきっかけです。僕らはふたりとも昔の写真が好きなんですよ。それで、写真を眺めながら妄想をするのが楽しくて。当時の人たちはどんなふうに住んでいたのかなとか、100年以上前だとちょっと実感がないですけど、自分のおじいちゃん世代ならなんとなく想像つくじゃないですか。

 

ーー ここには昔魚屋さんがあってね、みたいな。

富山さん:そうそう、この道路には昔、お堀があってね、とかね。昔の写真を見ながらそういう話を聞くと、想像できて楽しいんですよ。

 

ーー でも昔の写真って、探してこないとないでじゃないですか。以前から収集してきたんですか?

富山さん:まさにそれが一番大変で。僕の場合は収集が趣味というわけではなくて、この活動をはじめてようやく古写真を集めはじめたんですけど、やっぱりすぐに集まるというわけにはいかないですよね。最初は町内のおじいちゃんやおばあちゃんに声をかけて写真を見せてもらったり、身内の遺品整理で出てきた写真を集めて、という感じでした。

 

ーー イベントで昔の写真を見ながら、若手と年配の方が一緒に歩くというのは面白いですね。

富山さん:イベントを行うときは、チーム毎に必ずシニアの方に参加していただくんです。昔を知っている60代や70代の方に一緒に来てもらって、位置を特定したり、当時の思い出話を語ってもらう。そういうふうに世代間の交流を図るのもこのプロジェクトのひとつの目的です。この「新潟今昔写真プロジェクト」は、僕らのような若い世代がイベントに参加して、上の世代の方と触れあい新潟の歴史を感じる、というのがまず第一にあるんです。

 

ーー2016年からプロジェクトをはじめて、3年になろうとしています。活動の幅がどんどん広がっていると感じますが。

富山さん:今回の撮り歩きイベントのように、企業さんなど大きな組織とのコラボレーションが増えてきたというのはひとつありますね。そこで体制を整備して安心してお付き合いができるように、プロジェクトを法人化することになりました(※現在「一般社団法人新潟今昔写真」として活動)。それから、ご家庭に眠っている昔の写真アルバムなどを保存するためのスキャンサービスも年内にスタートしようと思っています。

 

写真とともに失われる思い出を、現代に復活させよう。

遺品整理などで捨てられていく昔の写真、写真とともに失われる思い出。家庭に眠る古い写真を資源として扱い、テクノロジーとかけあわせて価値を生み出す。それが「新潟今昔写真」。アプリで写真を比較したり、イベントに参加して街の思い出を共有したりと、楽しみ方は人それぞれ。読者の皆さんのご家庭に「もったいないけど捨てるしかない」そんな写真が残っていたら、ぜひ提供してみてはいかがでしょうか。

 

一般社団法人新潟今昔写真

富山聡仁 Toshihito Tomiyama

1980年新潟市生まれ。新潟今昔写真プロジェクト共同代表。株式会社NEPPU JAPAN代表取締役。古写真好きが高じて同郷の仲間と「新潟今昔写真」プロジェクトを2016年に立ち上げる。

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