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明治時代から代々お菓子を作り続けている、葛塚の「栗原製菓」。

豊栄にある老舗菓子店の店主は、なんと7代目。

新潟市北区にある葛塚の商店街に、ピンクと茶色を基調にしたお菓子屋さんがあります。店内には笹団子、饅頭、大福といったベーシックなお菓子に加え、地元豊栄をモチーフにした斬新な発想のお菓子も。こちらは「栗原製菓」という豊栄地区では皆さんご存じの老舗のお菓子屋さん。どのくらい老舗かというと、現在の店主・栗原浩さんはなんと7代目というからビックリです。今回は栗原さんにお店の歴史やお菓子についていろいろお話を聞いてきました。

 

 

栗原製菓

栗原 浩 Hiroshi Kurihara

1960年新潟市北区生まれ。高校卒業後、中央区の菓子店・香月堂で5年間修行。その後家業の「栗原製菓」に就職し、現在は7代目店主として様々なお菓子を開発している。趣味はドライブであちこちの峠越えを楽しんでいるとか。

 

カール・ベンクスが手がけた、懐かしくて新しい店舗。

——こちらのお店って和と洋、懐かしさと新しさが一緒になったような建物ですよね。

栗原さん:ありがとうございます。平成18年に店舗を改装した際に、ドイツ出身の有名な建築家カール・ベンクスさんに設計をお願いしました。古民家を利用しながら新しい空間を作り出している感性に魅力を感じていたんです。何度かカールさんの事務所がある十日町市まで足を運んで打ち合わせを重ねて、私どもの想像した以上に素晴らしい店舗を作っていただくことができました。

 

——和風と洋風、古さと新しさが一緒になっている、そんなところは「栗原製菓」さんを象徴するようにも感じます。お店の創業はいつ頃なんでしょうか?

栗原さん:新潟県から発行された菓子製造業の鑑札には明治29年1月24日とあります。ただ、これは新潟県に登録された日ですから、商売としてはもっと前からやっていたのかもしれないですね。もう、あまりに古すぎて昔の話はよくわからないんですよ(笑)

 

——わかる範囲でお聞きできれば結構ですので(笑)

栗原さん:戦時中は砂糖が不足していて、もやしを栽培して煮詰めたものを砂糖代わりにしてお菓子を作っていたなんて話を聞きましたねぇ…。あと、以前は「茶屋」と呼ばれる商店にお菓子を納めていたんです。太郎代とか島見とか、海の方の商店までリヤカーを引いて納めに行ってたそうです。最初の頃は歩いて行ってたみたいですね。

 

6代目の父親から受け継いだ、7代目店主の重み。

——栗原さんは最初から「栗原製菓」でお仕事を?

栗原さん:いいえ、高校を卒業した後に、新潟市内にある「香月堂」で5年くらい修行したんですよ。当時はまだ景気もよくて菓子店も流行っていたから、とにかく忙しくて夜中まで仕事をすることも多かったですね。それまで店の手伝いはしてたけど、製菓の専門学校でお菓子作りの勉強をしたわけでもないから、最初のうちは右も左もわからなくて、仕事をするのが大変でした。きちんと教えてくれる時代でもないしね。仕事は見て覚えるっていう感じでしたね。

 

——今までやってきて大変だったことってありますか?

栗原さん:平成12年くらいに、6代目の親父から代を継いだときでしょうかねぇ。そのタイミングで有限会社として法人化したんですけど、いろいろ不安もありましたからね。代々続いてきた老舗ならではの歴史の重みも感じました。でも、お客様や周りの支えもあってなんとかやって来ることができたんです。

 

「第27回全国菓子大博覧会」で「名誉総裁賞」を受賞。

——「栗原製菓」さんではどんなお菓子を作ってるんですか?

栗原さん:笹団子、どら焼き、中皮、饅頭とかの和菓子に、8代目の息子が作る洋菓子も加わりました。そのほか地元の豊栄にちなんだお菓子も作っています。

 

——豊栄にちなんだ、って…?

栗原さん:「ひしくい」っていうお菓子です。冬の福島潟に飛んでくる天然記念物のオオヒシクイっていう水鳥に見立てたお菓子なんです。チョコ饅頭の中に濃厚な黄身餡を入れて焼き上げ、ホワイトチョコで包んだものです。三重県で開催された「第27回全国菓子大博覧会」で「名誉総裁賞」を受賞したお菓子なんです。

 

 

——全国のお菓子屋さんの中から選ばれるなんてすごいですね。他にも豊栄にちなんだお菓子ってあるんですか?

栗原さん:8代目が作った「豊栄焦がし醤油ぱい」もそうですね。お隣にある老舗の味噌醤油蔵元「山田屋」さんのお醤油を使って作った、香ばしいパイです。あとは「ひしの実」「オニバス」といった豊栄を題材にしたお菓子や、さつまいものシルクスイートとかの豊栄食材を使ったお菓子も作っています。もち米も豊栄産を使ってます。

 

——おお、豊栄のお菓子、多いですね。

栗原さん:長いこと豊栄でお店をやらせていただいてますし、ただお菓子を作るっていうだけじゃなくて、お菓子にも地域色を出していきたいと思ってるんです。うちのお菓子で少しでも豊栄の発信ができればいいなとも思っています。

 

「栗原製菓」が豊栄の地で末長く続いて行ってほしい。

——今後はどのようにお店を続けて行きたいですか?

栗原さん:これからも豊栄の地でお店が長く続いて行ってくれたらいいなって思いますね。8代目に期待したいと思っているんですよ。あまり私の考えを押し付けることはしないで、本人のやりたいようにやってもらった方がいいのかなと思ってるので、しばらくは温かく見守っていきたいです。その後も、8代目から9代目へっていうように代々続いていってくれればいいですね。

 

 

明治時代から豊栄で代々続いてきた老舗菓子店「栗原製菓」。長い歴史があるのは、地元の人たちに愛されてきたからなのだと思います。7代目の栗原さんが守ってきた暖簾を、これからは8代目の息子さんが受け継いで行き、今後も末長く続いていくこととでしょう。カール・ベンクスの手がけた店舗のように、懐かしさと新しさがひとつになった「栗原製菓」のお菓子。みなさんも歴史を感じながら味わってみてはいかがでしょうか。

 

 

栗原製菓

〒950-3321 新潟県新潟市北区葛塚3122

025-387-3315

8:00-19:00(日曜祝日 8:00-18:00)

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