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誰でもかんたんに美味しく作れる「marilou」のパンケーキの素。

なぜパンケーキの素を売ることになったのか?

新潟県内のスーパーや直売所、セレクトショップなどで見かける雪の結晶が描かれたクラフトパッケージ。「マリールゥのパンケーキミックス」は、誰でもかんたんに作ることができる美味しいパンケーキの素です。この商品を作っているのは、鈴木さん夫婦が経営する「marilou(マリールゥ)」という小さな工房。今回はなぜパンケーキの素を作って売ることになったのか、その謎をおふたりに聞いてきました。

 

 

marilou

鈴木 英美子 Emiko Suzuki

1973年新潟市東区生まれ。京都の美術短大で服飾デザインを学び、就職後はアパレル系の販売員として働く。その後、飲食店でのアルバイトを経験し、2001年新潟に戻って東中通に「café marilou」をオープン。出産を機に夫の誉也さんにお店を託した後、2018年からは工房で「パンケーキミックス」の製作を担当。趣味 MCU観賞。好きな作品はガーディアンズ・オブ・ギャラクシー。

 

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鈴木 誉也 Takaya Suzuki

1975年新潟市東区生まれ。秋田の大学工学部で学んだ後、新潟に帰郷し除雪機や農機のメーカー、半導体製造装置のメーカー、実家の運送会社などに勤務。2010年から子育てに専念する英美子さんに代わって「café marilou」を引き継ぐ。店を閉めてからは英美子さんと協力して「パンケーキミックス」の製作販売を行い、2014年から「おひさま日曜市」を主催するなどイベントプロデュースも手掛ける。最近、15年ぶりに趣味のキャンプを復活。

 

多国籍家庭料理からマクロビオテック料理へ。

——今日はよろしくお願いします。以前はカフェをやっていましたよね?

英美子さん:2001年から新潟市役所のそばで「café marilou(マリールゥ)」って店を17年間くらいやってました。アンティーク家具を使ったインテリアで、プレートメニューの料理をお出しするっていうスタイルの店でした。最初の頃は世界各国の家庭料理をメニューにした店だったので、若い女性のお客さまがたくさん来てくれましたね。店名の「café marilou」は、フランスのセルジュ・ゲンスブールという歌手が歌った「marilou sous la neige(雪の下のマリルー)」っていう曲名からいただいたんです。

 

——世界各国の家庭料理って、どんな料理を出していたんですか?

英美子さん:例えばフランスの「羊の煮込み」とか、メキシコの「モーレ」っていうチョコレートを使った煮込み料理とか、あと「ヤンソン氏の誘惑」っていうフィンランドの伝統的な家庭料理もお出ししてました。「ヤンソン氏の誘惑」はジャガイモとアンチョビを使ったグラタン料理なんです。

 

——私が知らないだけかもしれませんけど、あまり馴染みのない…

英美子さん:そうですよね。私は10代の頃から漠然と「飲食店をやりたい」という願望があったので、京都に住んでたとき、フリーターとしていろんな飲食店で経験を積んだんです。京都には外国人がたくさん住んでいたので、いろんな国の料理店があったんです。その中にはフレンチ、イタリアン、アジアンと、それぞれの料理を学ぶことができたんですよ。でも、「café marilou」でお出ししていた世界各国の家庭料理は、途中からメニューが一気に変わっちゃうんですけどね。

 

——え?それはどういうことなんですか?

英美子さん:お店をオープンしてから4年くらい経った頃に、友人の紹介でマクロビオテックと出会ったんです。勧められて玄米と野菜中心の食事をしてみたら、体の調子がとても良くなったんですよ。お客様にも体に優しいものを食べてほしいと思うようになって、お店のメニューを卵や乳製品を使わない、玄米や野菜を中心のものに変えていったんです。それによって客層にも変化があって、それまでは若い女性客が多かったんですけど、閉店する頃には家族連れやご年配のお客様が増えてました。ヴィーガンは食物アレルギー、宗教、思想で食べ物が制限されている人でも、誰でも食べることができるっていうよさがあるんです。

 

「マリールゥのパンケーキミックス」誕生秘話。

——カフェを閉めた理由をお聞きしてもいいでしょうか?

誉也さん:育児に専念する妻に代わって2010年に私がカフェを引き継いだんです。でも、その直後から本格的に販売を始めた「マリールゥのパンケーキミックス」の業務が忙しくなってきて、両立が難しくなったんですよ。だんだんとお店を開けられる時間が減ってしまい、最後は土日しか営業していない状態でした。

 

——その「マリールゥのパンケーキミックス」っていうのはどんな製品なんですか?

誉也さん:カフェのメニューになっていた自家製パンケーキの素をパッケージ化して売り出したものなんです。卵や牛乳を使わずに作れる、国産小麦を使用したパンケーキなんです。うちの小学4年生の子でも作れるくらい、誰でもかんたんに作れるのが特徴ですね。

 

 

——パンケーキが作れる材料なんですね。商品化には何か理由があるんでしょうか。

誉也さん: F/style(エフスタイル)さんやカメガイアートデザインの亀貝さんなどの友人達と開催した「にいがた空艸舎」がきっかけでした。その3回目のテーマが「空艸観光」といって、新潟の地元の人しか知らないような素敵なお店や場所を紹介しました。その時に「新しい新潟のお土産を作って欲しい」というお題をいただいて、そこでパンケーキミックスを作ったのが始まりでした。それが今では全国120か所以上で販売されてるんです。

 

——120か所ってすごいですね!どうしてそんなに販路が拡大したんですか?

誉也さん:最初はイベント限定品の予定だったんです。でも、同じイベントに出店していたF/styleさんがお得意先へのお土産としてオーダーしてくれたんです。いろんなお店に贈ってくれたんですが、その先々のお店から取り扱いしたいというお申し出を受けることになって。F/styleさんのお取引先はどこも影響力のあるお店だったこともあって、どんどん販路が拡大していきました。ほとんど営業なしでここまでになったのは、F/styleさんのおかげと感謝しています。

 

——それだけの製品をどうやって作っているんですか? 機械を使ってるんですか?

誉也さん:今までは妻がほとんど1人で製造してましたが、今はパートさんと2人で製造してます。ただ混ぜるだけといっても、料理と一緒で混ぜ方によって味が変わったりするんで、今は手作業が一番いいかな、と思っています。製造以外の業務は僕1人でやってます。

 

「パンケーキミックス」の海外進出や「おひさま日曜市」の開催継続。

——今後やってみたいことってありますか?

英美子さん:海外進出ですね。昨年、新発田の「HOSHINO Koffee & Labo」さんに誘われて台湾で開催されたコーヒーのイベントに「パンケーキミックス」を出店したんですが、台湾の若い人ってまったく料理をしないそうで、その時は全然興味を持ってもらえなかったんです。ところがその後に台湾の雑貨店から引き合いの連絡が来て、定期的に卸ができるようになりました。海外でも売れるんだな、という手応えを感じたので最終的にはパリやサンフランシスコでの販売できたらいいなと考えてます。パリは世界への発信力があるし、サンフランシスコはオーガニック文化の発信地ですし、海外の方がヴィーガン文化が発達しているので強い需要があるように感じています。

 

誉也さん:月に一度「おひさま日曜市」っていうマーケットを開催してるんですよ。オーガニック農家さんの「野菜を売る場所がない」という声や、購買者の「どこでオーガニック野菜を売ってるのかわからない」という声に応えて始めたイベントで、今年で6年目を迎えるんです。農家で作ったオーガニック野菜を買うことはもちろん、その野菜を使った料理を味わうことができるんです。今後もこういったイベントを続けていきたいと思ってます。

 

 

誰でもかんたんに作れて、誰でも食べられる。そんなパンケーキを作れる素が「マリールゥのパンケーキミックス」です。小さなイベントで販売したのをきっかけに、今では120か所以上で販売されていることからも、この商品の持つ品質の高さがわかります。今後は世界にオーガニックの魅力を伝えるべく、海外も視野に入れて展開していきたいということでした。直営店舗はありませんが、「marilou」のホームページには取扱店舗の情報やオンラインショップもありますので、休日に自分で作った美味しいパンケーキを味わってみたいという人、ぜひ覗いてみてはいかがでしょうか。

 

 

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