自分の部屋にお気に入りのインテリアがひとつでもあると、毎日の生活がちょっとだけ楽しくなりますよね。そんな他にはないとっておきの雑貨が見つかるのが、昨年1月、新潟市中央区にオープンした「life style store emotional」です。もうすぐオープン1周年を迎えるこちらのお店にお邪魔して、ストアディレクターの尾嶌さんにお店のコンセプトやこれからの目標についてお話を聞いてきました。
life style store emotional
尾嶌 健太 Kenta Ojima
1989年上越市生まれ。音楽の専門学校を卒業後、アパレル、飲食店、家具屋などで働く。2022年1月にパートナーとふたりで「life style store emotional」をオープン。飼っている猫の名前はおにぎりとおこげ。
――尾嶌さんは「emotional」をオープンするまではどんなことをされていたんですか?
尾嶌さん: 専門学校を卒業してから、アパレル、飲食店、家具屋などで働き、経験を積んできました。「衣食住に携わっていたい」という思いが今の自分を作り上げていますね。
――「衣食住に携わっていたい」と思うようになったきっかけがあったんでしょうか。
尾嶌さん:学生の頃、ざっくり「将来、自分には何ができるかな」って考えたんです。当時からヒトやモノ、空間に刺激を受けることが多くて、自分の感覚的にも「好きなことを仕事にしていたい」っていう方が合っているかなって思っていました。
――なるほど。
尾嶌さん:なので最初は興味のあったアパレルで働いていたんですけど、次第に洋服以外の「ライフスタイル」に触れて感性を養いたいと思うようになったんです。個人的にも生活に寄り添うモノや空間に、ちょっと感性を加えて気分を高めることが好きだったので、一緒に働くパートナーと共に「life style store emotional」をオープンしました。
――お店をオープンされたのはいつですか?
尾嶌さん:2022年の1月15日です。当店に関わるすべての方のおかげで、まもなく1周年を迎えることができます。
――おめでとうございます。インテリアや雑貨の知識はどちらで身につけられたんですか?
尾嶌さん:ありがとうございます。前職での経験ももちろんあるんですけど、普段から雑誌やSNSを見たり、県外のお店を回ったりして感性を磨いています。あとは、妻がインテリアショップで働いているので、感性や知識を共有して感覚を養えているのが大きいですね。
――気になっていたんですけど、「emotional」という店名にはどんな意味が?
尾嶌さん:「emotional」という言葉には「感情的」「情緒的」という意味があって、「人の五感に訴えかけるお店でありたい」という思いで付けた屋号です。どういうモノか、どういう空間であるかはもちろん大切ですが、一番重きを置いているのは「人の想い」で、「感性に訴えかけ、五感に触れる」というところを理念に掲げています。
――じゃあお店に置いている商品も、そういうところを意識してセレクトされているんでしょうか。
尾嶌さん:そうですね。メインでセレクトしている長崎県の「マルヒロ」さんは、主に「波佐見焼」を作っているメーカーなんですが、個人的に愛用していたこともあり、ずっと長崎の本店に行ってみたいと思っていたんです。新婚旅行で実際に行くことができて、モノはもちろん素晴らしかったんですが、洗練された空間やお店の方の人柄に感銘を受けたんです。それで「自分がお店をやるときには必ず展開したい」っていう思いが強くなったので、実現できたことは感慨深いですね。なので、そういう自分自身が感銘を受けたメーカーさんを中心にセレクトさせてもらってます。
――お客さんからはどんな商品が人気なんですか?
尾嶌さん:陶磁器商品や生活雑貨も人気なのですが、最近はヴィンテージのフラワーベースが特に人気ですね。新潟にこれだけの物量を揃えているところは少ないですし、自分自身昔からヴィンテージの「古きを赴き新しきを知る」ことが好きなので展開しています。たくさん揃えていることで、美術館のようなイメージで、見ていただく方の心を躍らせるんだと思います。
――他にも商品をセレクトする際に意識されていることがあれば教えてください。
尾嶌さん:私たち自身や、見てくださる方の五感に響くモノなのかを常に考えています。あとはブルーオーシャン的なところで、新潟発のメーカーやブランドのモノを取り扱いしたり、内装や商品は海外のお家のような色合いや雰囲気を意識して空間を作ったりするようにしています。個人がやっている小さな雑貨屋さんにお客様が何を求めていて、自分自身が通いたくなるお店なのか、っていうところをパートナーと話し合いながら意識するようにしています。
――贈り物を買いに来るお客さんも多そうですね。
尾嶌さん:僕もそうなんですけど、贈り物って実際に見たり触れたりして自分が「いいなぁ」って思ったモノを贈りたいと思うんですよね。だから「emotional」に来られる方は、モノ+αで自分の想いを乗せて贈り物を選ばれる方が多いです。なので僕たちはその想いをしっかり受け取って、お話をしながら一緒に模索したいんですよね。
――じゃあプレゼント選びの相談にものってくれるわけですね。
尾嶌さん:もちろんすぎます!(笑)。雑貨屋さんってあんまり接客しないイメージかもしれませんけど、僕たちはがっつり接客しますよ。と言いながらも接客というよりは、友達に相談しながら一緒に商品を選ぶ感覚に近いです。自分で言うのもなんですけど、一緒に思い出も作られて楽しいと思いますよ(笑)
――お店をはじめられてからのこの1年はいかがでしたか?
尾嶌さん:開業する前も今もそうですけど、「自分たちがお店を出して、皆さんに気に入ってもらえるのか」っていうのはシンプルに心配でした。それでもありがたいことに初日には多くのお客様に来ていただけましたし、今では足繁く通ってくれているお客様もいらっしゃいます。怒涛のように過ぎ去った1年でしたが、今ようやく「自分が思っていたよりも、お店がお客様にちゃんと伝わっているんだな」って実感しています。本当に嬉しいことですし、一緒に働くパートナーや妻をはじめ、関わるすべての方に感謝する1年になりました。
――他にはない雑貨屋さんだってこともあって、ファンになった方もきっと多いですよね。
尾嶌さん:ファンというか、人柄を気に入ってくれてるのかなと思っています。「雑貨屋に行く」っていうよりも、「お家に遊びに行く」みたいな感覚で来てくださる方も結構いらっしゃるのが嬉しいですね。しかも何かしら購入してくれたり、差し入れしてくれたりするので、普通の流れとは逆かもしれませんね(笑)。でもすごくありがたいです。
――2年目に向けて、今後の目標があれば教えてください。
尾嶌さん:1年目は色々なことに取り組み、走り抜けてきましたが、2年目は仕事ではなく、丁寧な「志事」をするということを目標にしていきたいです。志やコンセプトは変えずに時代の変化を楽しみながら、柔軟に丁寧に進んでいきたいと思います。
――これからチャレンジしてみたいことってありますか?
尾嶌さん:たくさんありますよ(笑)。でもまずは、細く長く愛され続けるお店であれるようにしていきたいですね。定期的にしているポップアップは、引き続き同業の方と手を取り新潟を盛り上げていければなって思いますし、異業種の方とも開催したいと思っています。あとはひっそりと計画していて、もっとお客様が足を運びやすくなるような複合施設みたいなものを作りたいと思想しています。いつになるかは分かりませんが、「自分が行きたいな」ってemotionalを感じる空間作りをこれからもしていきたいですね。
life style store emotional
新潟市中央区幸西2-3-7 ユートピアレジデンス幸西B棟A