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好きな時間にお茶もお酒も食事も楽しんでほしい「mahorama」。

今年の1月にオープンした「mahorama(まほらま)」。上大川前通にあるマンションの1階角部屋にあるお店です。店主の山田さんが愛情を込めて揃えた雑貨や食器は、お客さんから「かわいい」と大好評なのだそう。ソムリエの資格を持ち、お料理が大好きな山田さんにいろいろとお話を聞いてきました。

 

mahorama

山田 あこ Ako Yamada

1985年兵庫県生まれ。音響の専門学校を卒業後、兵庫の会社に勤める。2009年に新潟市に移住。2011年に上古町のカフェで働き、飲食業の楽しさを知る。市内のビストロやワインバーで経験を積んだ後、2023年1月に上大川前通で「mahorama」をオープン。ライフワークとしてピアノ演奏や弾き語りなどの音楽活動を行っている。

 

昼にお酒を楽しめるお店があってもいいじゃない。

——山田さんは兵庫県のご出身なんですね。どんなご縁で新潟に来たんですか?

山田さん:フジロックが大好きで、2006年から何度も参加しているんです。そこで新潟の友達がたくさんできて、「楽しそうだから新潟に行っちゃおう」と思って。兵庫にはいつでも帰れるし、働いて生きていくのだから仲良しがたくさんいる新潟にいたかったんです。新潟市に住みはじめたのは2009年なので、もう14年になります。

 

——ずっと飲食のお仕事をされているんですか?

山田さん:2011年に上古町の大好きなカフェで働きはじめて、この仕事の楽しさに目覚めました。オーナーの趣味がとても素敵で、いいものが揃っている美しいカフェでした。そこで教えてもらったことや出会った人が今でも自分の財産になっています。

 

 

——他にはどういったところで経験を積まれたんでしょう?

山田さん:古町のビストロや駅前のワインバーで働いていました。ソムリエの資格を持っていて、ずっとワインと料理に携わってきました。

 

——いつかは「自分のお店を持ちたい」って思っていました?

山田さん:「持ちたい」というより、「いつかは持つだろうな」と思っていました。頭の中では、お酒を楽しめる夜営業のお店を考えていたのですが、子育て中なので、自分のお店を開くのは何年か先のことだろうと思っていました。でもこの数年、コロナ禍の影響があったのと年齢を重ねて考えが変わったのもあって、「昼間にお酒を飲めるお店があってもいいよね」と思うようになったんです。お酒だけじゃなくてお茶も飲めるし、お菓子も食事メニューもある。そんな「お昼になんでも楽しめるお店があってもいいじゃない」って。

 

ワインと料理の専門家らしく、営業スタイルに合わせたメニューをチョイス。

——目指されているのはどんなお店ですか?

山田さん:ひとりで切り盛りしていきたいと思っているので、お食事はプレートとカレーのふたつにメニューを絞っています。お客さまからしたら若干不便かもしれませんが、それでも楽しんでもらえるように工夫をしているつもりです。

 

——その工夫のひとつが「お酒もお茶もある」ってことですね。

山田さん:お酒が飲めない方でも来ていただきやすいように、お茶はドリンクメニューの上部に記載しています。ランチタイム、カフェタイムというふうに時間を区切っていないので、どの時間でもメニューの中から好きなものを選んで組み立てられるかたちを目指しました。

 

 

——先ほどいただいた、お食事メニューのプレートもすごく美味しかったです。

山田さん:そう言ってもらえると本当に嬉しい! 味と香りを専門分野とするソムリエとして、お料理全体で香りと食感、味のバランスを面白く構成したいと思っています。

 

——ワインにはこだわりがあると思いますが、どんなものを選んでいるんですか?

山田さん:開封後のワインは劣化しやすくて、飲み切らないとロスになってしまいます。そこで酸化しにくく、いい状態で保存ができる「箱ワイン」を揃えています。ここ最近、美味しい箱ワインが日本に輸入されるようになって、劣化を気にせずオススメのワインを出せるんです。

 

——こんな箱ワインがあるんですね。パッケージがかわいい!

山田さん:箱ワインのイメージが変わりますよね(笑)。でもこれだけだと私も楽しくないので、月に一度は夜も営業してボトルワインをご提供するんです。「この日だけは特別なワインを出しますよ」というふうにして。

 

美味しい、かわいい、の声に胸が踊る。見たかった景色が目の前に。

——おひとりでやっていらっしゃるとのことですが、実際のところ大変ではないですか?

山田さん:オープン前に、シミュレーションを重ねてオペレーションを考えました。でもそれはやっぱり想像でしかないので、「仕込みのペースは問題がないか」「お客さまをお待たせしないか」「嫌な思いをさせていないか」をオープンしてから日々確認してきました。今のところは想定通りうまくいっているかな。ただ、混み合う土曜日だけはスタッフさんにお手伝いをお願いしています。

 

——知恵をしぼってしっかり準備されたんですね。オープンされてから今のお気持ちはいかがですか?

山田さん:とっても楽しいです。最初は知り合いしか来ないだろうと思っていましたが、Instagramで当店を知って来てくださる方がたくさんいてびっくりしました。店構えやインテリア、食器類など、自分の好きなものを揃えているので、「かわいい」って言われると本当に嬉しくて。私の大好きな料理をお客さまが美味しそうに食べてくださる様子に「夢のような景色を見させてもらっている」って思います。「美味しい」「かわいい」ってお声をいただくと感無量です。

 

 

——ちなみにカフェメニューにコーヒーではなく、紅茶を選んだのはどうして?

山田さん:上大川前通には老舗のコーヒーショップがたくさんありますよね。それなら、わざわざ私がコーヒーを提供する必要はないように思って。

 

——新潟市のことを熟知されていらっしゃる(笑)

山田さん:私は兵庫の瀬戸内の生まれです。冬も晴れていて、乾燥に困る。そんな景色が原点ではありますが、新潟に来たら冬の光の差し込みやちょっとした青空にすごく喜びを感じるようになりました。毎年の雪に困ることはあるけど、信濃川も海も、橋を渡る時間も大好きですよ。

 

——さて最後に、今後やりたいと思っていることを教えてください。

山田さん:このスペース、ひとりでやっているお店にしてはちょっと広いと思いませんか? 実はここで、つながりのある作家さんの展示会や音楽仲間とのイベントも開催したいと思っているんです。3月14日からは長年の友人である写真家さんの作品を「mahorama」らしくご覧いただける企画を予定しています。今まで私が関わってきた文化的なことと食とをミックスして、素敵な場所を作っていきたいですね。

 

 

 

mahorama

新潟市中央区上大川前通六番町1211-5 三好マンション鏡橋1階角部屋

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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