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五頭山の麓にある「森のお菓子屋さんgland」の、飾らないお菓子。

川や木々に囲まれた自然の中の小さなお菓子屋さん。

五頭山の麓、村杉温泉の近くに、川や木々に囲まれた小さなお菓子屋さんがあります。そのお菓子屋さんの名は「森のお菓子屋さんgland(グラン)」。いったいどんなお菓子を作っているのか。どんなこだわりで作っているのか。オーナーの加藤さんにお話を聞いてきました。

 

 

森のお菓子屋さんgland

加藤 美紀 Miki Kato

1981年阿賀野市生まれ。新発田農業高等学校生活科卒業後、長岡市の製菓専門学校でお菓子作りを学ぶ。阿賀野市や新潟市のケーキ店、紅茶専門店、和菓子店に勤め、東京のル・コンドン・ブルーでお菓子作りの修行する。2014年「森のお菓子屋さんgland」オープン。趣味は登山と神社巡りで県外の神社にも参拝に出かける。

 

子どもの頃からの夢に向かって一直線に進み続ける。

——加藤さんはどうしてお菓子屋さんを始めたんですか?

加藤さん:私は子どもの頃からお菓子作りが好きで、将来はお菓子屋さんになりたいってずっと思ってたんです。農業高校の生活科で食について学んでから、長岡市の製菓専門学校でお菓子作りの勉強をしました。

 

——子どもの頃の夢に向かって一直線って感じですね。卒業後のお仕事もお菓子作りをやってきたんでしょうか?

加藤さん:そうですね。ケーキ店、和菓子屋で経験を積みました。将来的にカフェもやってみたいという気持ちがあったので、勉強のために紅茶屋さんに勤めたこともあります。もっとお菓子作りの勉強したいと思って、東京の「ル・コンドン・ブルー」っていう、フランス人講師がフランス料理やお菓子作りを教えてくれる専門学校で2年学びました。座学じゃない実践型の授業スタイルで、作ったものを厳しくチェックされるんです。そのときの経験が今でも生かされてますね。

 

親に甘えたくないという思いから、実家の敷地を買い取ってオープン。

——「森のお菓子屋さんgland」はいつどのようにオープンしたんですか?

加藤さん:新潟に帰ってきてしばらくは実家の石材店を手伝っていました。2014年1月に、自宅の敷地の一部を父親から買い取って、お店をオープンしました。周りの人たちからは「買い取らなくても敷地を借りてやればいいんじゃないか」って言われたけど、親に甘えてるみたいに見られるのが嫌だったんですよね(笑)。本当は前の年のクリスマスにオープンを間に合わせたかったんですけど、ちょっとしたハプニングがありまして…。

 

——え?どんなハプニングがあったんですか?

加藤さん:阿賀野市内にあるケーキ屋さんが倒れて、そのお店でオーダーを受けていたクリスマスケーキを私が引き受けることになったんです。だから自分の店をオープンするどころじゃなくなってしまったんですよ。でも、その仕事を引き受けたおかげで、地元のいろいろなところとのつながりで築けてよかったと思ってます。

 

——それは大変でしたね。オープン当日はどんな様子だったんですか?

加藤さん:簡単なチラシを作って近所にポスティングしただけだったんですけど、たくさんのお客さんが詰めかけてくれて驚きました。地元のクチコミ力の高さを思い知りましたね(笑)

 

濃厚ガトーショコラとあっさりシフォンケーキ。

——いろんなお菓子がありますけど、どれがオススメですか?

加藤さん:オープン当初からあるのは「ベイクドチーズケーキ」と「ガトーショコラ」です。ときどきこの大きさでこんなに高い値段なのかって聞かれることがありますが、食べてもらえればわかってもらえると思います。とにかく味が濃厚なので、これ以上大きくすると食べきれないと思うんですよ。私はチョコが大好きなので「ガトーショコラ」を作るときに、どこまでチョコを入れても大丈夫か限界に挑戦してみたんです(笑)

 

 

——チョコ好きにはたまりませんね。ほかのお菓子も濃厚な味わいなんですか?

加藤さん:「ロールケーキ」と「シフォンケーキ」は、「ガトーショコラ」の反動からか、生クリームがあっさりして食べやすいんです。「シフォンケーキ」はオープン1周年記念のお菓子を作りたくて、周年祭限定メニューとして販売したものだったんです。ところがあまりにも人気が出てしまって、たくさんのリクエストをいただいたので通常メニューにしたんですよ。地元スーパーからもお声がけいただいて、売り場に置いてもらってます。

 

——濃厚なケーキとあっさりしたケーキでバランスがいいですね(笑)。お菓子作りのこだわりを教えてください。

加藤さん:作り置きしないで、その日作ったお菓子だけを置くようにしています。あと焼いたままのシンプルなお菓子を作ってるんです。東京でアルバイトしていたお店でさんざん派手なお菓子を作っていた反動なのか、へんにデコレーションしたりカラフルにしたりしたくないんですよね。

 

夢はお菓子作り教室、そしてカフェをオープンすること。

——お店をやっていて大変なことってありますか?

加藤さん:この場所って大雪が降ると誰も来なくなってしまうから、毎年冬になると失敗したなって思ってます(笑)

 

——じゃあ、お店をやってて嬉しかったことは?

加藤さん:オーダーにお応えしたイラスト入りデコレーションケーキを作ってるんです。たとえば子どもがデザインしたものや、持参したぬいぐるみを基にして忠実に再現してます。そのケーキを受け取りに来た子どもが喜んでくれて、笑顔を見せてくれるとすごく嬉しいですね。

 

——子どもは正直ですもんね。

加藤さん:もうひとつ嬉しいことがあります。私は地元の保育園、小中学校にお菓子作りの講師として呼んでもらうことがあって、保育園ではすぐに作れるゼリー、小中学校ではお菓子の材料をいくつか作って行って、自分好みのカップケーキを作ってもらってるんです。その後で、お礼の手紙が届くととても嬉しいですね。

 

——ああ、それは嬉しいですね。では今後の夢ってありますか?

加藤さん:近いうちにお菓子作り教室を開きたいと思ってます。あと実現できるかどうかわからないんですけど、いつかカフェをやってみたいですね。

 

 

必要以上のデコレーションはしない「森のお菓子屋さんgland」の、素朴でシンプルなお菓子は、作っている加藤さんの飾らない人柄そのもののように感じました。いつか夢が叶って五頭山の麓に「森のお菓子屋さんgland」のカフェができるのを楽しみにしています。

 

(取材日:2020年4月15日)

 

 

森のお菓子屋さんgland

〒959-1928 新潟県阿賀野市村杉4776-2

0250-66-2120

9:00-18:00

火曜休

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