岩船産コシヒカリの魅力を全国に。お米が主役のお弁当「湊家」。
食べる
2022.09.11
2022年6月、東区古湊町にオープンした「湊家」。岩船産コシヒカリの美味しさを全国にアピールするために、おにぎり、お弁当、お惣菜の販売、配達などを行っているお店です。今回はオーナーの須貝さんにオープンまでの経緯や今後の展開など、いろいろお話を聞いてきました。

湊家
須貝 直文 Naofumi Sugai
1980年胎内市生まれ。実家は岩船郡関川村で農家を営む。
岩船産コシヒカリの美味しさを全国に伝えたい
――まずは、どういった経緯で湊家を立ち上げることになったかを教えてください。
須貝さん:このお店を立ち上げる前は、東京で建設業の人材管理を担当していました。今年の4月まで約10年間、妻とふたりで東京に住んでいたんですけど、いつか新潟に帰りたい気持ちがあって、本当は「50歳くらいで帰れればいいな」ぐらいに思っていたんです。でもコロナ禍もあって残りの人生を考えたときに、「今のタイミングがいいのかな」って。何かに挑戦したいとはずっと思っていましたし、親も高齢になってきているので、親孝行みたいなことも考えたときに、まずお米っていうのがパッと思い浮かんだんですよね。
――そこでなぜ、お米だったんですか?
須貝さん:実家が岩船郡関川村にあって兼業農家をやっているんですよ。幼い頃は休み返上で手伝いばかりさせられていてすごく嫌だったのに、そのとき思いついたのが、お米でした(笑)。農家さんはお米を作ることに関しては経験豊富なんですけど、PRしたり販売したりっていうのは積極的にはやらないんですよね。せっかく良い米を作っているのに安く売ってしまったりとか、知り合いにタダであげたりとか(笑)。なんかそういうのってちょっともったいないなって思っていたんですよね。

――もっとうまくやる方法があるんじゃないかと思ったわけですね。
須貝さん:私は建設業で営業もやっていたので、PRとか宣伝とか、商品の良さを伝えていくことには自信がありました。だったら親の作ったお米や、地元で農家をやっている同級生のお米を、私が相場より高く購入して全国的に販売してみようと思ったんです。それも新潟県内に販売するだけじゃなくて、全国的にPRしながら販売したほうがいいんじゃないかなって思って会社を立ち上げました。
あくまでも「お米が主役」のお弁当やお惣菜を販売。
――じゃあ、お米を販売する拠点、みたいなイメージですか?
須貝さん:そうですね。お米を販売するってなったら飲食店、旅館、ホテルなどに営業に行くと思うんですけど、何の実績もないうちの米をいきなり買ってもらうっていうのはちょっと現実味がないなと思ったんです。皆さん古くからのお付き合いもあるでしょうし、さすがにハードルが高いかなって。そこで、小さくてもいいからお米をPRできる拠点となるような飲食店ができないかなって思ったんですよ。それで、お米が主役のお弁当やおにぎり、惣菜も販売するようなお店を立ち上げた感じですね。ここはあくまでもお米をPRするためのお店という立ち位置で営業しています。
――それはお米の味に自信があるということですよね。
須貝さん:10年近く東京にいて感じたのは、いろんな美味しいお料理はあるけど、お米を食べたときに「う~ん……」って思うことが多かったんです。それから、新潟のお米を使ったおにぎり屋さんに行列ができたりするのを見て、おにぎりを食べるために並ぶっていう感覚にも驚きました。そういうのを見たときに、うちも実家で岩船産コシヒカリを作ってるし、ビジネスチャンスがあるんじゃないかって感じたんです。
――新潟県内でもお米の産地はたくさんありますよね。
須貝さん:新潟県で作られているお米を食べ比べたりしましたけど、どこのエリアのお米も美味しくて、一番を決めるのは難しいくらいレベルが高いと思いました。それなのに東京にいるとやっぱり「魚沼産コシヒカリ」が有名なんですね。食べ比べてもらえれば岩船産コシヒカリも負けていないっていうのが分かってもらえると思うんです。令和3年産米の食味ランキングでは岩船産コシヒカリも魚沼産と同じ「特A」っていう評価を獲得しています。

――知られていないだけで、味は負けていないってことを全国的に伝えたかったんですね。
須貝さん:東京では「実家のお米は魚沼産じゃないの?」とか言われるわけですよ。なんかそれが悔しかった自分がいたりして(笑)。「いやいや岩船産だって負けてないでしょ」っていう思いがありました。そこで岩船産というところを前面に押し出して販売しながらブランド力を高めていこうと考えました。農業をやる人も年々減ってきているので、うまくPRができれば地元の活性化にも繋がるんじゃないかと思っています。
とにかく、主役はお米。
――お店で出す料理へのこだわりなどはありますか?
須貝さん:実は私、料理はまったくできないんです(笑)。なので料理は店長の吉田に一任しています。吉田は地元の友人で、東京でもたまにお酒を飲みに行ったりしていたんです。ある日、吉田から「実家の事情で新潟に帰ろうと思っている」という話を聞いて、そのときは「そうなんだぁ」って感じで聞いていたんですけど、よくよく後になって考えたら自分ができないところはキャリアのある人間に補ってもらう方がいいんじゃないかって思い「お米の事業を一緒にやらない?」とダメ元でお願いしたらやってくれることになったんです。

――すごくいいタイミングですね。
須貝さん:お店は今年の6月オープンだったんですけど、4月から新潟市に住んで働いてもらっています。一緒に働くのはもちろん初めてだったんですけど、まぁすごいですよ。技術はもちろんですけど、次から次へとどんどんアイデアを出してくれます。吉田がいなければおにぎりだけで営業しようと思っていたので本当に来てもらってありがたかったし、やりたい事の幅も広がりました。
――須貝さんは主にどんなことをされているんですか?
須貝さん:自分は米のPR活動をメインに営業、接客、経理、仕入れなどを担当しています。吉田にはお店の調理をのびのびやってもらっている感じですね。ただひとつだけ「お米が主役だから、とにかくお米がメインになるような料理を作ってほしい」っていうお願いはしています。お米を美味しく食べてもらえるようなお弁当や総菜を作ってほしいと。
――他にこだわっている部分はありますか?
須貝さん:お米の炊き方に関しては苦労しました。業務用のガスを使って炊きますし、新米と古米で水分量も変わってくるので、良い仕上りになるまでには時間がかかりました。お米が美味しくないって言われてしまったらもう本末転倒なので、そこはこだわって炊いています。10月になると今度は新米の販売がスタートするので、炊き方もまたゼロから試してみないといけないですね。

――お米の炊き方も奥が深そうですね。
須貝さん:味に関しては吉田の方が厳しいので(笑)。私が「もう良さそうだね」とか言うと「いや、まだまだです」みたいな(笑)。設定しているハードルが高いので、心強いしとても助かっています。お弁当やお惣菜のラインナップもどんどん変えています。定番は少なくて、固定のファンがついている料理は残しつつ他は日替わりで変更していますね。
まずは食べてもらって、岩船産コシヒカリの知名度を上げたい。
――今後はどんなことを見据えているんですか?
須貝さん:まず第一はやっぱり岩船産コシヒカリの知名度を上げたいです。今は新潟市中心部の飲食店さんでもうちのお米を使ってくれるところができたり、SNSでも大々的に告知をしているので、ありがたいことに少しずつ全国的に個人の方にも買っていただくことが増えてきています。将来的には関東エリアでも自分のお店や物流拠点を持ちたいと考えていますが、まずは新潟で足場を固めて、それから徐々に全国への認知度、販売量も上げていきたいです。

――新潟から全国に広げていくイメージですね。
須貝さん:やっぱり実際食べてもらって判断してもらいたいっていう気持ちもあるので、お米のサンプルも送っているんです。味の好みもあるでしょうし、当たり前ですけど味は見た目だけでは分からないので、そうなるとどうしてもブランド力のある商品に流れてしまいます。個人の方だけでなく、大口注文や配達も承っています。これからは人材も増やして、さらにもっといろんな事に挑戦していきたいですね。
【閉店】湊家
025-311-6014
営業時間:8:00~売り切れまで
定休日:日曜、祝日
Advertisement
関連記事
食べる
40種類以上のハチミツを揃える、「はちみつ専門店 エルスール」。
2022.04.30
食べる
道の駅でちょっといいコーヒーが飲める「COFFEE STAND」。
2024.06.23
食べる
伝統に新しい感覚を取り入れた「いい感じ」のパン屋さん「BAKERY SO GOOD」。
2024.03.02
食べる
子どもでも安心して食べられる素材を使った「エチヲカーシ」の焼き菓子。
2022.11.07
食べる
お客さんの好みに合わせた中華料理を提供する、古町の「旬菜中華 十嵐」。
2023.12.26
食べる
懐かしのあずきアイスを復活させた「AMEYA AISU」。
2019.06.16
新しい記事
カルチャー
楽しいときは、跳ねたっていいよね。
心が動く道草場「絵本テントすだち」
2026.06.14
食べる
基本を大切に変わらず続けてきた
「らーめん麺華」のうま煮ラーメン。
2026.06.13
食べる
花が咲く場所で会えるかも⁉
炭火焙煎コーヒーの「珈琲工房うた」
2026.06.12
ものづくり
安田瓦の優れた魅力を広く伝える
「にいがた瓦館 かわらティエ」
2026.06.11
食べる
パンづくりが好きだから続けられた。
長岡「moko bread」の桑原さん。
2026.06.10
イエとヒト。リノベーション
イエとヒト。Renovation #1 暮らしの記憶を宿し、「庭を愛でる旅館」へと仕立て直した家。
PR | 2026.06.10


