Things

豚が評判の老舗精肉店から独立。キッチンカー出店中の「モモコミート」。

100年続く老舗精肉店「株式会社いそべ」は、豚肉に定評のある会社。全国展開する食材の宅配サービスにもお肉を卸しているそうです。その豚肉をもっと大勢の人に食べてもらいたいと新ブランド「モモコミート」を立ち上げたのは、4代目の磯部まおりさん。去年からはじめたキッチンカーでは、自ら調理も担当しています。「美味しい」の声に後押しされ、奮闘中の磯部さんにいろいろとお話を聞いてきました。

 

モモコミート

磯部 まおり Maori Isobe

1984年新潟市生まれ。横浜の大学を卒業後、新潟のアパレル会社に勤務。実家である精肉店「株式会社いそべ」に入り、2019年に独立。豚肉の新ブランド「モモコミート」を立ち上げる。

 

美味しさに自信あり。家業の得意分野、豚肉をブランディング。

——磯部さんのご実家は、100年以上続く精肉店だそうですね。いつかは家業を継ごうと思っていらしたんですか?

磯部さん:実家は姉が継ぐものだろうと思っていたので、大学卒業後は好きな仕事に就きました。でもずっと実家の仕事が気になっていて。業務量が増えて人手が必要になったので、「いそべ」に入ったんです。お肉をカットしたり、成型したり、従業員さんと一緒に働きました。それから別の仕事をはじめたんですけど、20代の頃からやりたかったことを実現したくて「モモコミート」を立ち上げたんです。

 

——「いそべ」さんは、お肉の小売の会社ですか?

磯部さん:中央区の店舗で販売をしています。「ミートセンターいそべ」っていう店名で。他に卸業もしています。西蒲区には工場もあるんですよ。

 

——「モモコミート」で実現したかったことってなんでしょう?

磯部さん:「いそべ」で扱っている豚肉がすごく美味しいので、そのブランディングをしたくって。「いずれ飲食店をやってみたい」って気持ちもあります。

 

 

——でもお肉屋さんには豚肉以外にも牛肉、鶏肉などもありますよね。どうして豚肉に注目したんですか?

磯部さん:もちろん「いそべ」では、たくさんの種類のお肉を扱っています。でも牛がメインのお店、豚がメインのお店、鶏がメインのお店って、お肉屋さんにはそれぞれ得意分野があるんですよ。以前は養豚場の経営もしていましたし、うちはもともと「豚屋さん」っていう印象があると思います。

 

——昔からの主力商品を更に強化しようとされたんですね。

磯部さん:そうですね。「いそべ」と差別化して、別ブランドで「モモコミート」を立ち上げたので、家族からすると「何をはじめたんだろう」って感じだったと思います(笑)。去年、キッチンカーを購入したときは「本気だな」って、びっくりされました。

 

大人気メニュー「ローストポークステーキ丼」。

——「モモコミート」としては、どんなことをしているんですか?

磯部さん:皆さんにわかりやすいところでは、キッチンカーでのメニュー販売です。ローストポークステーキ丼やオリジナルのフランクフルトなどをご提供しています。オンラインショップでも販売しているんですよ。ネットショップでは、キッチンカーメニューの他にギフト用の豚肉もそろえています。

(出店予定は、モモコミートのInstagramをご参照ください)

 

 

——ブランド立ち上げ当初からキッチンカーでの展開を考えていました?

磯部さん:最初はネット販売からはじめたんです。でも「将来は飲食店をやってみたい」って気持ちがあるので、私が調理したメニューを実際に召し上がってもらいたくって。メインメニューのローストポークステーキ丼は、キッチンカーデビューする前からレシピを固めていました。そのときも美味しくご提供できていたと思いますけど、さらに味に磨きがかかったと思っています。お肉は火を加えると固くなってしまいますけど、分厚くカットした豚肉でもすごく柔らかいんですよ。

 

——いつからキッチンカーをはじめられたんでしょう?

磯部さん:去年の7月です。最初はどうやって出店すればいいのかもわかりませんでした。しかも私は料理のプロじゃないから、キッチンカーという限られた空間で、どうやったら美味しく、手際よく調理ができるんだろうって、とにかくずっと考えてきました。

 

遠出の疲れも吹き飛ぶ、「スタ食No.1」の声。

——キッチンカーって、目の前でお客さんのリアクションがわかる喜びがありますよね。

磯部さん:ほんと、その通りです。最近はリピーターさんも増えてきて、すごく手応えを感じています。先日、新潟競馬場に出店したんですけど、そこでローストポークステーキ丼を食べてださったご夫婦が「美味しかったから、また来ました」と3回、4回とお越しくださいました。私、とにかく調理法にこだわっていて。ローストポークステーキはネットでも購入していただけるんですけど、やっぱり出来たてをすぐに食べてもらいたいんですよ。それがいちばん美味しいと思うんです。

 

——競馬場に行く楽しみが増えそうです。

磯部さん:そういえばこの前、横浜に行ってきたんです。「横浜に出店します」とInstagramで告知をしたら、わざわざ来てくれた方がいて。以前アルビレックス新潟VS川崎フロンターレの試合で、ローストポークステーキ丼を食べてくださったみたいで。「新潟に行かないと食べられないと思っていた」「スタジアムグルメの中でいちばん美味しい」って言葉をいただけて、本当に嬉しかったですね。

 

——そういう声がいちばん励みになりますよね。

磯部さん:横浜までの運転はけっこうきつかったですけど、遠征した甲斐がありました(笑)

 

 

——いったいどんな豚肉を使っているんですか?

磯部さん:山形県の最上川近くにある契約農場から仕入れていて、お肉の香りがとてもいいんです。水分量が多くて、しゃぶしゃぶにしてもそんなにアクが出ません。あっさりしているけど、旨味が強くて、脂に甘みがある豚肉です。きれいごとかもしれないですけど、命をいただいているわけなので、「ちゃんと美味しく提供しなくちゃ」って気持ちでいます。

 

——これからはどういうふうに「モモコミート」を広めていきたいですか?

磯部さん:いつか新潟でお店を構えて、それから県外にも出店できたらいいなと思っています。きっと外国でも受け入れてもらえるんじゃないかって思うんですよね。焼肉屋さんもやってみたいし、アパレルのセレクトショップもできたらいいなと思うし、とにかくやりたいことがたくさんあります。

 

 

 

モモコミート

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
  • 部屋と人
  • She
  • 僕らの工場
  • 僕らのソウルフード
  • Things×セキスイハイム 住宅のプロが教える、ゼロからはじめる家づくり。


TOP