新潟×大人×ミュージカルで子どもがわくわくする未来を描く「N:birth」。
その他
2025.05.10
NPO法人コモンビートのミュージカル『A COMMON BEAT』。学生時代にこの100人100日プログラムに参加し感銘を受けた小田さんは、教員として小学校に勤めながら任意団体「N:birth(エヌバース)」を立ち上げ、コモンビートとの共催事業として同ミュージカルの新潟公演を2024年1月に開催しました。2日間で約3,900人もの動員を達成したのだとか。今回、「N:birth」として2回目のミュージカルプログラム開催が決定したと聞き、団体立ち上げの経緯やミュージカルにかける意気込みを伺ってきました。

N:birth
小田 紗友理 Sayuri Oda
1993年生まれ、新潟市西区出身。県外の大学を卒業後、就職で新潟にUターン。小学校の教員として働きながら2018年にNPO法人コモンビートのミュージカルプログラム新潟公演の立ち上げを行う。翌年からはにいがた総おどりに参加するためのよさこいプロジェクト、先生50人ダンスチーム立ち上げなど様々なプロジェクトに携わり、2022年に「N:birth」を設立。旅行が好きで毎年全国各地に足を運ぶ。
大人がチャレンジしている姿を、子どもたちに見せたい。
――早速ですが、「N:birth」について教えていただけますか?
小田さん:「大人が変われば、未来も変わる。そんな未来を新潟から生みだす、新潟から生まれる。」をコンセプトに、表現活動などを通じて新潟の地域活性化を目指す団体です。
――その活動のひとつが、ミュージカル「A COMMON BEAT」の公演なのですね。
小田さん:このミュージカルプログラムはNPO法人コモンビートが主催で全国各地で公演を行っていて、学生当時、私は東京でこのプロジェクトに携わっていました。2018年にはじめて新潟公演を立ち上げて開催し、2回目の新潟公演も成功させようと意気込んでいたのですが、開幕まで2週間といったタイミングでコロナの感染が拡大し、中止になってしまったんです。

――それは残念でしたね……。中止になったあとはどうされたのでしょうか?
小田さん:何かできることはないか探しました。まずはまわりに声をかけてみたところ、職場の同僚や新卒で入職した後輩が「オンラインでの研修や打合せばかりで横のつながりをつくれない」と悩んでいるのを知ったんです。そこで、「にいがた総おどり」に先生たちのチームをつくって参加することを提案し、総勢50人の先生チームができました。
――先生が50人のダンスチーム、かっこいいですね!
小田さん:ただ、こちらも途中でコロナの感染が拡大して、「にいがた総おどり」への参加は諦めざるをえませんでした。その後、異業種のアカペラ×ダンスチーム「ACADANISM」を友人と立ち上げて、ここでようやく、「にいがた総おどり」に多くの仲間たちを巻き込んで参加することができたんです。

――これまでいろんなチームをつくってこられたのですね。「N:birth」設立には、どう結びついたのでしょうか?
小田さん:アカペラ×ダンスチームを立ち上げているときに、コモンビートから連絡があったんです。コモンビート主催で新潟公演を開催するか、団体をつくって共催というかたちで公演するかの打診でした。条件やメリットデメリットを聞いた上で「N:birth」を立ち上げて、共催での公演を決めました。
――立ち上げに不安はありませんでしたか?
小田さん:不安は多少ありましたが、迷いはなかったですね。今までいろんなチームの立ち上げを経験したおかげで、場やコミュニティづくりへの自信がついていましたし、「N:birth」はこのミュージカルプログラムのためだけの団体ではなく、いろんなチャレンジを後押しできる場所にしたかったんです。
――小田さん自身が、チャレンジする大人としての見本になりたいという想いがあるのでしょうか?
小田さん:我々教員は子どもに近い存在で、良くも悪くも見本となります。だからこそ、いろんな考え方の先生がいていいと思っています。真面目な学校の先生が、休みの日にミュージカルで汗水流しているって面白いじゃないですか。漠然と「大人になるのも悪くないな」って感じてくれたら嬉しいですし、一度県外に進学した子たちが、いつか新潟に帰って来る希望やきっかけにしたいんです。

大人の青春を取り戻す、ミュージカル『A COMMON BEAT』。
――ミュージカル『A COMMON BEAT』について教えてください。
小田さん:アメリカのNPO団体が2000年に製作した作品です。この団体は世界各地から集まった若者が一定期間ともに生活をしながら、それぞれの文化・生活様式を体験して、国際的なリーダーシップを身につける国際教育プログラムを提供しています。そのプログラム内で使われていた作品のひとつが『A COMMON BEAT』で、NPO法人コモンビートがこの作品を日本語訳し、作品を受け継いで全国で上演しているんです。新潟では我々「N:birth」が共催というかたちで、2期目のプログラムを進めています。
――通常のミュージカルとの違いはなんでしょうか?
小田さん:100人のキャストを体験説明会で集めて、約100日間の練習でミュージカルをつくりあげるプログラムを組んでいる点です。もちろん演技やダンス経験がある方も複数名いますが、ほとんどの方は初心者で、所属も地域も職業も関係なく、ほぼ初対面から始まります。プログラム期間中に合宿を3回も実施するんですよ。
――すごいですね、部活みたいです!
小田さん:まさに、「大人の部活」ってよくチームでも話しています。たったの100日で一つの作品をつくるので、学生時代に何年もかけて築き上げてきたものをギュギュッと短期間に詰め込んで体験します。私は学生の頃にはじめて参加し、価値観と考えが180度変わりました。本番公演が終わったとき、参加した皆が「やってよかった、楽しかった」と思えることが私たちの喜びであり、101日目からのアクションにぜひつなげてほしいと願っています。

――アクションというと、例えばどんなことでしょう?
小田さん:プログラムで得たことを仕事にいかしてみたり、全然違うことにチャレンジしてみたり、本当に些細なことでいいんです。そんな人が増えれば、少しずつまわりの人も影響を受けて「自分も何かやってみよう」って思ってくれるんじゃないかなって。

心震える瞬間をつくりだすために。
――たくさんのキャストがいると、配役が大変ではないですか?
小田さん:大変ですが、楽しかったですね。私はひとりひとりを主役にしたいと思っているので、得意な人だけを一列目に配さず、ダンスが苦手な人も一列目にして、必ずスポットライトを浴びられるようにしています。

――みなさん参加しがいがありますね。
小田さん:練習初日から全員必須のオーディションを受けて、それぞれが何かを越境して参加してくれていることが本当に素晴らしいです。大人って、簡単に子どもたちに「夢を持て」と言いますが、子どもたちが参考にするのは身近にいる大人たちですよね。何かにチャレンジしている大人がまわりにいないと、自分も新しく何かはじめようと思えないし、選択肢が広がらないと思うんです。

――その姿を見せることが「N:birth」の本質なのですね。小田さんはこのミュージカルは2期で最前線から退くと聞きましたが、理由をお伺いできますか?
小田さん:そもそも、30歳を過ぎてもやっていると思っていませんでした(笑)。私自身、ずっと前を走っていきたいタイプじゃありません。人が循環していかないとチームは長く続かないと考えていて、後進を育てる必要があります。「N:birth」もチームとしての力をつけていかないといけませんから。
――では、小田さんの今後の目標をお伺いできますか?
小田さん:3期、4期とミュージカルが続く場合、今後は運営側に回るつもりです。具体的な話ではないですが、個人の目標はミュージカルに限らず楽しむ大人を増やすことです。私はコモンビートのプログラムで心震える瞬間を経験しました。誰かにとってのその瞬間を、私もつくりだしたいと思っています。そのための挑戦をこれからも続けていきます。

N:birth
新潟2期100人ミュージカルプログラム「A COMMON BEAT」
Advertisement
関連記事
その他
移動水族館や廃校活用に取り組む「WHALE TAIL」の滝沢日向子。
2025.08.07
その他
ホスピタリティと独自性にあふれた、弥彦村の図書館「らいわ弥彦」。
2024.11.22
その他
丁寧なカウンセリングで要望に応える「わがまま叶う通えるオーダースーツサロンkotoriya」。
2023.08.14
その他
「住む」より「楽しむ」、「LOGWAY BESS 新潟」に行ってきた!
2021.05.09
その他
蒲原まつりで有名な「蒲原神社」のいろいろを、若き神主に聞く。
2023.10.19
その他
遠い国から瓢湖にやって来た白鳥たちへ「三代目白鳥おじさん」の想い。
2020.01.01
新しい記事
その他
机に向かう時間に、ワクワクを。
「学研うぐいす教室」の串田さん
PR | 2026.02.07
食べる
本格中華料理が気軽に味わえる
東区の「香港家庭料理 戴記」
2026.02.06
買う
「SUIT by LIT」でスーツをつくろう。
阪田さんに聞く、オーダースーツ。
2026.02.05
カフェ
紅茶と手づくりのお菓子が楽しめる、
上所の「BANhome cafe&sweets」
2026.02.04
カルチャー
元中学教員のスタッフさんに
「北方文化博物館」の魅力を聞く。
2026.02.03
ものづくり
手に持てば、気分が上がる鞄を。
海辺のまちの鞄屋さん、「ほんくら」。
2026.02.02


