「OSTERIA La fenice」でしか味わえないものを。長岡の本格イタリア料理店。
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2021.04.16
長岡市に「OSTERIA La fenice(オステリア ラ・フェニーチェ)」というイタリア料理店があります。シックな深緑色のお洒落なドアを開けて中に入ると、白と茶色で統一された落ち着いた空間。オープンキッチンに立つ小林さんは、本場イタリアで料理修行を経験してきた女性シェフだとか。今回は小林さんこれまでのシェフとしての経験や、お店のこだわりについて、いろいろお話を聞いてきました。


OSTERIA La fenice
小林 直子 Naoko Kobayashi
1984年長岡市生まれ。地元の調理師専門学校卒業後、東京のイタリア料理店で6年間修行。その後、イタリアに渡り2軒の料理店で修行し、2013年に長岡市で「OSTERIA La fenice」をオープンする。趣味はウォーキングで川沿いの土手をよく歩いている。
東京やイタリアでいろいろな修行を経験。
——小林さんはいつからイタリア料理の仕事をされているんですか?
小林さん:もともと料理が好きで母親の勧めもあったので、高校を卒業してから長岡市にある調理師専門学校に進学したんです。そこで勉強をした後、東京に出てイタリア料理店で6年間修行しました。
——料理の修行はやっぱり厳しかったですか?
小林さん:厳しかったですね(笑)。朝から終電ギリギリまで働かされて、教え方も厳しかったです。男の先輩はよく叩かれていました。もちろん、今ではそんなことないんですけどね。でも、その店で修行したおかげでイタリアンの基礎を学ぶことができましたね。

——6年も修行をするとかなり上達しますよね。その後はどうされたんですか?
小林さん:イタリアで1年間修行してきました。いつかは本場で勉強したいと思っていたので、仕事を辞めたタイミングで思い切って行くことにしたんです。東京の修行先ではイタリアの単語を使うことが多かったし、独学でイタリア語を少し勉強してから行ったので、会話はなんとかなりましたね。
——イタリアではどんな修行を?
小林さん:半年ずつ2軒のお店で働きました。1軒目のお店ではいろいろな仕事を任せてもらえたし、料理のイベントや料理関係の専門店にも連れて行ってもらえたので、とても勉強になりましたね。そのお店はレシピがマニュアル化されていなかったので、口頭指示で、しかも目分量で作るんです。そのときの経験で、目分量で作るための勘が身につきました。
——でも仕事を任されるのは、つまり信用されていたっていうことですよね。次のお店はどんな修行だったんですか?
小林さん:私よりひとつ年上の女性がシェフをやっているお店でした。その方は、いつもピリピリした緊張感の中で自分ひとりで料理を作る方だったので、私はほとんど雑用しかやらせてもらえませんでした。料理についても一切教えてもらえなかったので、シェフの手つきを見たり、レシピを盗み見たりしながら勉強してましたね。
——じゃあまったくタイプの違うお店で修行してきたんですね。帰国してからはどうしたんですか?
小林さん:自分でお店を始めようと思っていたので、まだちゃんと教わったことがなかったお菓子やパンの作り方を勉強するために、洋菓子店やパン屋でアルバイトしました。

本格的なイタリア料理を、地元長岡で提供したい。
——ちなみに自分でお店をやろうと思ったのはいつからなんですか?
小林さん:専門学校で勉強しているときから、「いつかは自分のお店をやりたい」って思っていましたね。だから修行しているときも、それを最終目標にしてがんばっていました。
——じゃあ満を持してのオープンだったわけですね。「OSTERIA La fenice」はどんな思いで始めたんですか?
小林さん:地元にはまだ本格的なイタリアンのお店が少なかったので、自分の経験を生かした本格イタリアンを長岡の人たちに食べてほしいっていう気持ちで始めました。なんちゃってイタリアンとか創作イタリアンじゃなくって、「本物のイタリアン」を味わってほしいんです。店名の「La fenice」はイタリア語で「不死鳥」っていう意味なんですよ。戦災や震災から何度もよみがえってきた長岡市へのリスペクトを込めてつけた名前です。私もその不屈の精神を見習ってお店をやっていきたいと思っています。

——なるほど。いい名前ですね。お店をオープンしてみて、いかがでしたか?
小林さん:オープン当初は予想外に50〜60代のお客様が多かったんですけど、最近は年齢層が広がってきて、若い夫婦やカップル、ファミリーが多くなりました。記念日やお食事会でコース料理をオーダーする方もいれば、パスタだけ食べていく方やワイン一杯だけ飲んでいく方もいます。間口を狭めないように、誰もが気軽に来てくれる店を目指していますので、いろいろなお客様が来てくれるのは嬉しいですね。
——いろいろなお客さんがいて、接客には気を使いそうですね。
小林さん:団体様もいればおひとり様もいるし、それぞれのお客様でお食事のムードも違うので、全体的に違和感のないムードになるよう、接客にはまんべんなく気を使うようにしています。お料理を出すタイミングにも注意していて、お客様の会話の盛り上がりとか、食べるスピードを見ながらお出しするようにしていますね。

自分にしか作れない、このお店でしか食べられない料理を目指す。
——料理についてのこだわりを聞かせてください。
小林さん:いろいろな意味でバランスには気を使っています。味はもちろん、食器と料理のバランスにもこだわっていますね。私はわかりやすい料理が好きなので、どう食べたらいいのかわからない料理は出したくないんです。せっかくの料理なので食べ方がわからなかったり、何を食べたのかよくわからないっていうことがないように、わかりやすい料理をお出しするよう心掛けています。
——たとえば、どんな料理がありますか?
小林さん:一番人気があるのは「ラザニア」です。新潟県産の和牛を4時間煮込んだミートソースと自家製麺で作っています。気温や湿度で毎日生地の状態が違ってくるので、麺作りのときは配合に気をつけています。

——ボリュームがあって美味しそうな「ラザニア」ですね。
小林さん:あと「前菜の盛り合わせ」もおすすめですね。そのときどきの旬の食材を使っていて、5種類の料理が少しずつ盛り合わせてあるので、違った料理を楽しむことができます。
——こちらも彩りが綺麗で美味しそう。ところで、小林さんは日々どんな思いで料理を作っているんでしょうか。
小林さん:そうですねぇ……。長岡市にもいろいろな飲食店がありますけど「OSTERIA La fenice」でしか食べられない、自分にしか作れないような料理を作っていきたいと思っています。「あの料理が食べたいから」とか「この時期にはあのメニューをやっているから」とか、そういう理由でお客様から来ていただけるお店になったらいいですね。

OSTERIA La fenice
新潟県長岡市表町1-7-3
0258-30-1546
18:00-21:00、土日祝日 11:30-14:00/18:00-21:00
火曜休
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