アイドルやヒーローもこなし
舞台や映画で活躍する「大田雄磨」。

カルチャー

2026.02.19

text by Kazuaki Yamazaki

先日、新潟市民芸術文化会館 りゅーとぴあで上演された、田中角栄を描いた演劇『闇の将軍外伝 深闇、郷に還る』で、角栄に憧れて政治家を目指す越山会の青年部長を演じていたのが大田雄磨さん。かつてはダンスヴォーカルグループ「NIE’S(ニーズ)」でアイドルしていたり、現在はご当地ヒーロー「超耕21ガッター」で主人公を演じていたりする人物なのです。今回は大田さんから、役者としてのこだわりや夢を聞いてきました。

Interview

大田 雄磨

Yuma Ota

1993年山口県生まれ。新潟大学卒業。大学時代に演劇をはじめ、卒業後も「東区市民劇団 座・未来」やメンズダンスヴォーカルグループ「NIE’S」で役者やアイドルとして経験を積む。2019年からは新潟のご当地ヒーロー「超耕21ガッター」で主演を務める他、映画や舞台、CMなどで幅広く活動している。

特撮ヒーローへの憧れがきっかけで
役者への夢を描く。

――大田さんは山口県のご出身なんですよね。どうして新潟へ?

大田さん:新潟大学へ入学したのを機に住みはじめました。山口には雪が降らないので、テレビや本でしか見たことがなかった雪国の姿が見られて新鮮でしたね。特に縦型の信号機をはじめて見たので驚きました。

 

――演劇に興味を持ったのは、いつからなんですか?

大田さん:子どもの頃から特撮ヒーローが好きだったんです。小学3年生くらいになると特撮ヒーローに夢中だった友達も、スポーツとかゲームとか他のものへ興味が移っちゃうんですけど、僕は小学4年生になってからも「将来は仮面ライダーになりたい」と言っていました(笑)

 

――大田さんの純粋さが感じられますね。

大田さん:親からは「あれは役者が演じていて、危険で大変な仕事なんだ」と諌められましたが、役者になれば仮面ライダーになれるんだと思うようになりました。友達のなかには演劇をやっている子もいて、羨ましかったのを覚えています。

 

――そんな大田さんが、演劇をはじめたきっかけを教えてください。

大田さん:新潟大学の演劇部に入ったことがきっかけなんです。面白いことは何でも受け入れてくれるような空気感が好きでしたね。年に3本くらい公演をおこなっていました。演出を経験したこともありますが、あくまでも役者として演じる側でいたかったんですよね。

 

――大学卒業後も演劇を続けてきたんでしょうか。

大田さん:演劇仲間がみんな就職してしまったなかで、僕は役者への夢を諦めきれずにいました。東京へ出ようとも思いましたが、愛着のある新潟から離れる決心がつかなかったんです。

 

写真:宮原昭夫

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新潟のイケメンアイドルグループ
「NIE’S」のメンバーとして活動。

――新潟のダンスヴォーカルグループ「NIE’S」で活動していたこともあるんですよね。

大田さん:知り合いから勧められて、3期生を募集するオーディションを受けたんです。当時はとにかくメディアに関わる仕事をしたかったので、アナウンサー試験を受けては落ちまくっていたんですよ。だから「NIE’S」のオーディションも最初から落とされると思っていて、面接では審査員を前に言いたいことを言いまくったんです。そしたら、プロデューサーが面白いと思ってくれたみたいで合格することができました(笑)

 

――「NIE’S」って、どんなグループだったんですか?

大田さん:「新潟イケメン選手権」を手がけたプロデューサーが、そのファイナリストで結成したメンズグループです。新潟のアイドルやタレントは女性ばかりだったので、男性も盛り上げたいという思いでスタートしたようです。

 

――なるほど。どんな活動をしていたんでしょう?

大田さん:イベントやライブに出演して、ステージで歌ったり踊ったりすることが多かったですね。でも共演者には女性が多く、男性ファン向けのイベントに唯一の男性グループとして加えてもらうことも少なくありませんでした。だから男女どちらのファンにも楽しんでもらえるよう、MCにはお笑い要素を取り入れるなど工夫を凝らしていました。

 

――いろいろブランディングしていたんですね(笑)。「NIE’S」としてはどれくらい活動していたんですか?

大田さん2016年から2019年までの4年間在籍していました。時には誰も見向きもしてくれないライブもあるなかで、メンバー同士どうすれば観てくれる人の目を惹くことができるのか何度も話し合い、レッスンを重ねていたんですよ。最終的に東京でもライブをすることができて、自分たちの成長を感じられて嬉しかったです。僕にとっては青春の1ページですね。

 

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新潟のご当地ヒーロー
「超耕21ガッター」の主人公を演じる。

――「NIE’S」を卒業してからは、どんな仕事をしてきたんですか?

大田さん:事務所を出てフリーになりましたが、コロナ禍が起こって何もできない日々が半年間続いたんです。そんななかCMにエキストラ出演させてもらって、アフレコでセリフを録音した際に声が気に入られたことで、ナレーションに採用していただきました。

 

――それはラッキーでしたね。他にはどんな仕事を?

大田さん:新潟のご当地ヒーロー「超耕21ガッター」のドラマで二代目主人公のニガタ・ケンを演じました。「ひなた」のたかのりさんが演じた初代主人公エイチ・ゴウの後を継ぐことはプレッシャーを感じましたけど、子どもの頃から憧れていたヒーローを演じることができて嬉しかったですね。

 

――子どもの頃の夢が叶ってよかったですね!

大田さん:そうなんですよ。その後もガッターには関わらせていただき、「いじめ見逃しゼロキャラバン」の取り組みで県内の小中学校や特別支援学校にお邪魔しています。「NIE’S」で活動していた頃はライブよりもMCが好きだったので、講演を通して子ども達の力になれたら嬉しいですね。泣いて喜んでくれる子もいて、ピュアな気持ちに心を打たれることも多いんです。

 

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舞台や映画で演技の経験を積み、
新潟を全国に発信したい。

――舞台や映画にも出演されていますよね。

大田さん:「NIE’S」のパフォーマンスを指導してくださっていた斉木としや先生に誘われて、「東区市民劇団 座・未来(ザ・ミライ)」の舞台に出演させていただいた他、舞台や映画のオーディションを受けて出演させていただきました。

 

――今まで出演した作品のなかで、印象に残っているものはありますか?

大田さん:今年の3月20日に胎内市で先行上映を予定されている「おばあちゃんの秘密」です。胎内市を舞台にした作品で、島田愛梨珠さん、竹下景子さんの他、胎内市出身の長谷川玲奈さんも出演していて、「アイコ16歳」の今関あきよし監督がメガホンを取っています。

 

――その作品にはどんな思い出があるんでしょう。

大田さん:出番が少ない作品だと監督と直接お話しする機会が少ないんですけど、その作品では今関監督とお話しする機会も多くて、いろいろと勉強させていただきました。撮影クルーが一生懸命撮影に臨む姿を見て、その頑張りに応えていい演技をしようと思えたし、今関組が大好きになったんです。

 

――とてもいい現場だったことが伝わります。舞台ではいかがですか?

大田さん:先日、新潟市民芸術文化会館りゅーとぴあの能楽堂で上演された『闇の将軍外伝 深闇、郷に還る』です。中村ノブアキさんが脚本と演出を手がける、田中角栄を描いた「闇の将軍四部作」のサイドストーリーで、僕は全越山会青年部長を演じています。

 

――鑑賞させていただきましたが、かなり重要な役どころでしたよね。

大田さんありがとうございます。ノブさんはとてもわかりやすく演出をしてくださるので、自分がどう演じたらいいのか、どこを直せばいいのかが伝わるんです。例えば、気持ちを込めようと力んで声を張ってしまったときには、上から話しているようで偉そうに見えると指摘されました。その助言だけでもありがたいのですが、ノブさんはさらに一歩踏み込んで「相手にわかってほしいというニュアンスで話してみて」と指導してくださるんです。より言語化を尽くしてくださるところには感謝しっぱないでした。

 

――演じる上で心がけていることってあるんですか?

大田さん:リアリティのある演技を心がけています。映画のオーディションを受けたときに、舞台の大きい芝居をやってしまったことがあって指摘を受けたんです。舞台は遠くの席まで演技を届けなければならないんですけど、映画は大きなスクリーンに映るので同じような演技だとオーバーになるんですよね。そこは気をつけるようにしています。

 

――映画と舞台の演じ分けは難しいんでしょうね。では役者をやっていて嬉しかったことは?

大田さん:映画に出演して舞台挨拶をする夢が叶ったことです。手塚眞監督の短編映画「e(イー)」に出演し、新潟市民映画館シネ・ウインドで舞台挨拶をさせていただくことができました。今後も映画に出演していきたいですし、映画を通して新潟を全国に発信していけたら幸せです。

 

写真:宮原昭夫

大田雄磨

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