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緑に囲まれた人気のお菓子屋さん「patisserie remplir」の魅力。

「適正なものを適正に提供したい」ランプリールの人気の秘密。

信濃川の土手沿いに伸びる県道三条小須戸線を車で走っていると、太右エ門新田のあたりに、木々の間から覗ける木造のお店があります。掲げられた看板には、patisserie…の文字。そう、こちらが今回ご紹介する、人気のお菓子屋さん「patisserie remplir(パティスリーランプリール)」さんです。オーナーの田澤さんを訪ねて、お菓子やお店のこだわりについていろいろ聞いてきました。

 

 

patisserie remplir

田澤 大介 Daisuke Tazawa

1974年五泉市生まれ。高校中退後、新潟市内の菓子店に就職しお菓子作りの基礎を学び、その後埼玉県にある人気菓子店で修行。2000年に新潟市中央区で「patisserie remplir」をオープン。2012年に現在の江南区に店舗を新築しリニューアルオープンする。休日は、北アルプスに泊まりで登るなど本格的な登山を楽しんでいる。

 

憧れていた「自然と調和したお店」が実現。

——こちらはとってもいいロケーションで建物も素敵ですね。

田澤さん:ありがとうございます。元々は県庁前にある出来島で営業してたんです。オープン当初は私もお店をやるのが初めてだったし、お客様に迷惑がかからないように手が回る規模でやろうと考えていたので、今よりもずっと小さなお店だったんです。その物件が10年契約だったので、オープン8年目くらいからもう少し大きな物件への移転を考えるようになったんです。

 

——なるほど。最初からこういうお店を考えていたんですか?

田澤さん:いやあ…、自然と調和したお店に憧れてはいましたけど、最初は新築するつもりはなかったんですよ。でもお世話になっていた「Design Room Amano(デザインルームアマノ)」という設計事務所の設計士さんに相談したら、リフォームしても結局お金がかかるので、それだったら郊外に土地を買って新築した方がいいとアドバイスをいただきました。ちなみにその設計事務所の天野さんは、アクアリストで写真家の天野尚さんのお兄さんなんです。

 

——なるほど、それで自然と調和したデザインなんでしょうかね?

田澤さん:そうですね。土地を探すのに設計士の方と車でロケハンして回ったら、会話の中で設計士の方に共感できる部分がとても多かったんです。そこで、すべてお任せすることにしたんです。考えていた以上の店舗を作っていただけて、本当にお願いしてよかったと思っています。

 

働きはじめて次第に生まれてきた、向上心と責任感。

——田澤さんがパティシエになったのはどうしてなんですか?

田澤さん:私はあんまり学校が好きじゃなかったので、進学よりも就職を選んだんです。高校1年生の夏休みに山小屋でアルバイトしたことがあって、そのときに働くことがとっても楽しく感じたんですよね。だからとにかく社会に出て働きたかったというのはあります。長く働くには手に職をつけた方がいいと思ったし、女の子受けする仕事の方がいいと思ったので、お菓子職人を選んだんですよ。そこで新潟市のお菓子屋で働き始めました。

 

——最初はどうしてもお菓子作りがしたいというわけでもなかったんですね。

田澤さん:最初はそうですね。でもやっていくうちにだんだん向上心や責任感が生まれるんですよね。それで、もっとお菓子作りについて勉強したいと思って、埼玉にある有名なパティシエの店で3年半修行しました。とにかく仕事は忙しいし厳しい職場だったんですが、仕事のクオリティがそれまでやってきたことより遥かに高くて目が覚める思いでした。とてもいい刺激になりましたね。何年か経った頃にはいろんな仕事を任せてもらえるようになりました。

 

——最初のお店で基礎を学んで、次のお店でステップアップしたと。「patisserie remplir」はいつオープンしたんですか?

田澤さん:埼玉から新潟に帰ってきて2000年にオープンしました。まだ25歳だったので不安な気持ちはあったんですけど、自分の仕事には自信があったし、失敗するって考えは少しもなかったですね。大通りから少し引っ込んだ場所にあったんですが、オープン初日にはすごい人数のお客様が来てくださって、埼玉の修業先からヘルプで来てくれたスタッフや友人のおかげでなんとか乗り切りました。

 

快適な空間で美味しいものを提供するというこだわり。

——「patisserie remplir」のこだわりを教えてください。

田澤さん:私は開店時間をとても大事にしています。すべてのお菓子がきちんと並べられてガラスも綺麗に磨かれた状態で、お客様をしっかりとお迎えする。だらだら開店するんじゃなくて、凛とした緊張感がお客様にも伝わるようにしたいと思ってます。毎日それを続けるのは大変なことだけど、それが当たり前のことだと思うし、今後もずっと続けていきたいですね。

 

——なるほど。じゃあお菓子作りについてのこだわりはどうですか?

田澤さん:お菓子に派手さはいらないと思うんだけど、味も見た目も品よく作りたいですね。飛び抜けて甘くとか酸っぱくっていうんじゃなくって、複雑な味をバランスよくまとめたお菓子を、お客様に味や食感がしっかりと伝わるように作りたいです。

 

 

——たしかに品のいい味わいを感じますね。他にもこだわっていることってあるんでしょうか?

田澤さん:適正なものを適正な価格で提供したいと思ってます。今の世の中って安く買えるものがいっぱいありますよね? 確かに安く作ろうと思えば安く作れるとは思うんです。でも、それって他の店よりたくさん売るためにやっているだけであって、お客様に喜んでもらうためじゃないんですよね。私はしっかりと作られた材料を使ってお菓子作りしたいし、ちゃんとした仕事をしているスタッフにはしっかりした待遇で働いてほしいと思ってます。だから値段は高いかもしれませんけど、快適な空間で美味しいものを提供できているっていう自信があります。

 

気持ちのいい「生活」を提案していきたい。

——今後「patisserie remplir」でやってみたいことってありますか?

田澤さん:今はお菓子屋として衣食住の「食」の部分をやっていますが、「衣」や「住」に関しても、気持ちのいい生活全般を提案できる店にしていきたいんですよ。インテリアやファッションで自分が気に入っているものをお客様にも奨めていきたいと思っています。

 

 

 

 

patisserie remplir

〒950-1146 新潟県新潟市江南区太右エ門新田37-1

025-282-1533

11:00-19:00

火曜休

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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