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長岡に誕生した「劇団ポイニクス」。9月30日に旗揚げ公演を上演!

  • カルチャー | 2023.09.18

今年4月、長岡市を拠点にした劇団「劇団ポイニクス」が誕生しました。団員は、県内で演劇活動を続けてきた佐藤さんと井熊さんのふたり。「より長く演劇を続けたい」という共通の思いから、ふたりとも縁がある長岡での劇団立ち上げに至りました。今回はおふたりに、9月末に控えている旗揚げ公演『俺の屍を超えていけ』のことや、「劇団ポイニクス」の活動を通じて叶えたい目標について聞いてきました。

 

 

劇団ポイニクス

佐藤 勇介 Yusuke Sato

1995年小千谷市生まれ。中学生の頃に妹が地域ミュージカルに参加し、その様子を見て芝居に興味を持つ。長岡市内の高校に入学と同時に演劇部に入部。卒業後は演劇から離れるが、2019年に新潟市内中心に活動する「劇団@nDANTE(アンダンテ)」に入団。役者をはじめ、劇作や演出、その他様々な裏方を経験。他劇団への客演も行う。2023年に休団。同年4月より演劇をはじめた長岡で「劇団ポイニクス」を立ち上げる。

 

劇団ポイニクス

井熊 未来 Miki Iguma

1989年南魚沼市生まれ。地元で活動している「劇団ゆきぐに」の公演を見たことがきっかけで、中学1年生のときに同劇団へ入団。その後所属団体を変えながら県内各所で役者として舞台に参加。2023年より、現在生活している長岡で「劇団ポイニクス」を立ち上げる。

 

演劇を長く続けるために立ち上げた劇団。

――まずは長岡で劇団を立ち上げることになった経緯を教えてください。

佐藤さん:私は新潟市の「@ nDANTE」という劇団に所属して活動していたんですが、家庭の事情もあって、新潟市から地元の小千谷に引っ越すことになりまして。それで「新潟市に毎週末通うのは大変だな」という気持ちからはじまって、「長岡で演劇ができたらいいな」と思いました。

 

――小千谷から新潟だと、移動だけでかなりの時間がかかっちゃいますもんね。

佐藤さん:そこで、劇団員を募集する掲示板に「長岡で演技をやりたいです」って、募集を出してみたんです。そしたら井熊さんから連絡があって。その前に井熊さんが出ている作品を観ていて一方的に知っていたので、連絡が来て驚きましたね。

 

――井熊さんも「長岡で演劇がしたいな」とは以前から思っていたんですか?

井熊さん:私は南魚沼で演劇をやっていたんです。新潟市の劇団の公演にゲストのようなかたちで出させてもらうこともあるんですけど、住んでいるのは長岡なので、通うには遠くって。近くに劇団があったら嬉しいなと思っていました。「それなら自分で劇団を作るしかないな」と考えていたので、ちょうどタイミングが合ったんです。

 

 

――おふたりは、どんな目的を叶えたくて劇団を立ち上げたんでしょうか。

佐藤さん:やっぱり目的はひとつで、「演劇をこの場所で長く続けたい」ということに限るかなと思います。ふたりの価値観はそこで合致している部分が大きいのかなって。

 

井熊さん:「通うのが大変だな」っていう気持ちが続いてしまうと、どっかで疲れちゃって、演劇を続けられなくなるんじゃないかなという不安がありました。

 

 

――それで続けられなくなるのはもったいないですもんね。

佐藤さん:それと、私は長岡市内の高校で演劇部に入って演劇をはじめたので、リリックホールのシアターが初めて立ったステージなんです。だから「自分が演劇をはじめたところでやりたい」というのが個人的な影の目標でもあります。

 

井熊さん:私も劇団を立ち上げたときから「リリックホールのシアターでやりたい」っていう気持ちがありましたね。前に所属していた劇団のときにリリックホールで公演をして思い入れがあったので、もう一度やりたいなと思っていました。

 

いろんな人たちと一緒に作る、旗揚げ公演。

――今回の旗揚げ公演『俺の屍を超えていけ』はどんな内容なんでしょうか。あらすじを教えてください。

佐藤さん:舞台は青森市の老舗放送局です。厳しい経営状態を救うため、新社長が就任し、上司、同僚、本人、部下の4人による「360度評価」を導入しました。そんなある日、放送局の会議室に、各部から選抜された6人の社員が集められます。彼らは社長より「退職勧告する管理職を1名、話し合いで決定しなさい」という密命を与えられていました。それぞれの思惑が交錯する中、気の重い話し合いをはじめる……という話です。

 

――すでに面白そうですね。この作品を旗揚げ公演の演目として選ばれたのには、何か理由が?

佐藤さん:12年前に「演劇プロデュースWARP」さんという団体が長岡でやった演目なんです。今回出演する佐藤正徒さんと山田亜矢子さんには、12年前と同じ役で出てもらいますし、演出の高橋直也さんも、そのときに演出を担当された方です。お世話になった演出家の方に推薦してもらって台本を選んだんですけど、私も井熊さんも「面白そうだね」ってなった作品がたまたまこれで。縁みたいなものがあったのかなと。

 

――劇団員はふたりでも、これまで知り合った方だとか、たくさんの方に関わってもらっているんですね。

佐藤さん:旗揚げ公演なので、いろんな人が関われる公演にしたいという気持ちもありますね。今後長岡で劇団をやっていくための、土台づくりみたいなところもあるのかなと思っていて。「いろんな方々と一緒に作る」っていうのが、もうひとつの大きな目的としてあります。

 

 

――今は稽古の真っ最中だと思いますが、手応えはいかがですか?

井熊さん:確実に作品として面白くなっていっている手応えはありますし、これからもっと面白くしようがあるなと感じています。キャストが違うとぜんぜん違うものになると思うので、この6人で演じる『俺の屍を超えていけ』として、面白いことができるかなと思っています。

 

佐藤さん:大きな声を出して機敏に動く人もいれば、大人しい様子が様になる人もいますし。それぞれ違うキャラクターがどうハマるかっていうところですよね。うまく反応し合ったらいいなって思います。

 

――今回、佐藤さんは演者ではなく制作という立場で関わるそうですね。

佐藤さん:お芝居をやるときに、いちばんいろんなことをしなければいけないのが制作だと思っていて。今回は旗揚げなので、誰かに任せるというよりは自分が汗をかいてやるべきだなという考えがありました。新潟の演劇界って役者とスタッフを兼ねていることが多くて、目一杯スタッフワークに専念できないっていう事情もあって。だから腹を据えて制作業務をやってみたかったというものあります。

 

映画を観に行く感覚で、楽しみに来てもらえる演劇を目指したい。

――おふたりは、この旗揚げ公演をどういうものにしたいですか?

佐藤さん:出演してくれた方々が「やって良かったね」って思ってくれたら嬉しいです。今後も基本的に劇団員ふたりで、いろんな方々を客演として呼ぶかたちで公演を作っていくつもりなので、バラバラに集まった方々が良い影響を与え合って、役者として成長できたり、良い気づきを得られたりする環境を作れたらいいですね。観に来てくれた方には「長岡にもこんなことをしている人たちがいるんだ」って知ってもらいたいです。

 

――井熊さんはいかがでしょう。

井熊さん:私のことを知ってくれていて応援してくれる人たちに、「いい団体を作ったね」「旗揚げ公演、ぶちかませたね」って言ってもらいたいですね。あと、初めて演劇を観に来た人にも「演劇って面白いんだな」「また観に行きたいな」って興味を持ってもらえたら嬉しいです。

 

 

――公演をきっかけに、演劇にハマる人が増えたらいいですね。

佐藤さん:映画を観に行く感覚で楽しみに来てもらえるものを目指したいなっていうのは、私と井熊さんの共通認識としてありますね。演劇にあまり触れたことなかった人にも来ていただいて、「そんなにハードル高くないんだよ」って伝えていきたいです。

 

井熊さん:あとは地域に根ざして、地域の人に応援されるような劇団になる。それが野望ですね。

 

 

 

劇団ポイニクス旗揚げ公演『俺の屍を超えていけ』

開催日時:2023年9月30日(土)14:00/18:30

会場:長岡リリックホール シアター

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