胎内で出会えるホットドッグのキッチンカー「POMME&SOLEIL」。
食べる
2024.09.06
キッチンカー「POMME&SOLEIL(ポム&ソレイユ)」の看板メニューはホットドッグ。ひとくち食べて「この味、この味」と納得するような王道テイストに仕上げているそう。それに「お客さんとのおしゃべりが大好き」という店主の津野さんは接客術に長けていて、とてもパワフル。取材の合間に常連さんと話す姿を見て、こちらも元気をもらいました!

POMME&SOLEIL
津野 芽久美 Megumi Tsuno
1982年村上市生まれ。工場勤務を経て居酒屋バイトを掛け持ち、ほぼ休みなく働く。10年以上ラーメン店で働き、2021年にキッチンカー「POMME&SOLEIL」をはじめる。

コロナ禍で需要が高まっていた、キッチンカーに注目。
——津野さんはキッチンカーをはじめるまで、どんなお仕事をされていたんですか?
津野さん:中学校を卒業してすぐに米菓メーカーに就職しました。それからいろいろな仕事をしましたよ。お昼は工場、夜は居酒屋で働いたり、接客のバイトをいくつも掛け持ちして平日と土日で違う仕事をしたり。同じ仕事をしているとストレスが溜まるっていうか、違うことをやりたくなるんですよね。
——パワフルですね。休みも少なそう。
津野さん:休みはほとんどなかったですね(笑)。働くことが趣味みたいなもので、周りからは「常に仕事してるよね」って言われます。

——キッチンカーをはじめたきっかけは?
津野さん:10年以上ラーメン店で働いていたんですけど、新しいことを自分でやってみたくって。お酒が好きなので、将来は居酒屋をやってみたいなって思っていたんですよね。でもコロナ禍でアルコールを扱うお店は大きな打撃を受けたじゃないですか。それは「今回だけじゃないかもしれない」って気持ちが拭えなくて。それであの頃、都内を中心に増えていたキッチンカーに注目したんです。
——確かに、キッチンカーが増えているというニュースはたびたび目にしました。
津野さん:キッチンカーをはじめる準備していた頃、胎内市内に素敵なお店がオープンしたんですよ。そこは大人の女性にぴったりなんだけど、子どもが食べられるものはなかったんですね。ピザのチーズにしてもちょっとクセがあったり、ソースも大人向けだったりで。「もっと気軽に子どもが食べられるものがあったらいいのにな」と思い浮かんだのが、ホットドッグだったんです。
——それでホットドッグをメニューに選んだわけですか。
津野さん:最近びっくりするくらい材料や燃料費があがっちゃって、やむなく少しだけ値上げしましたけど、メニューはどれも小中高生の負担にならない値段にしたいと思っています。

子どもが大好きで食べやすい、王道の味。
——いつからキッチンカーをはじめられたんですか?
津野さん:2021年の10月からだから、もうすぐ丸3年ですね。最初はラーメン店で働きながら、休みの日にキッチンカー営業をしていたんですよ。でも3回出店した後、確か10月の終わりでしたかね、病気が見つかってしまって、しばらく営業休止したんです。
——これからというときに……。
津野さん:勤めていたラーメン店は3月を目処に辞めさせてもらうつもりでいたので、引き継ぎの準備を進めていたんです。それがまさか10月にいなくなることになっちゃって。ありがたいことに「キッチンカー1本でやっていくつもりであれば、もう抜けても大丈夫だよ」と言ってもらえたので、4月にキッチンカーを再開できました。
——本格始動ができて、よかったです。
津野さん:ちょうどその頃、今日も出店している樽ヶ橋遊園内でキッチンカーを募集しているという話を聞いて。管轄している市役所に聞いてみたら「4月から出店して欲しいのだけど、まだキッチンカーさんは決まっていないんです」ということでした。できれば地元のキッチンカーを希望されていたのもあり、すんなりこちらへの出店が決まったんです。

——タイミングもバッチリだったんですね。いつも胎内市を中心に出店されているんですか?
津野さん:市外まで出向くこともありますよ。でもガソリンの値段が高騰しているから、遠方へ行くほど利益を生みにくい面もあるんですよね。だったら胎内市や村上市の皆さんが来てくださる場所にいたいなって思うんです。よく出店するのは、胎内市の樽ヶ橋遊園、つつじが丘、中条駅、関川村の道の駅関川です。
——メインメニュー、ホットドッグについても教えてください。
津野さん:イメージ通りの味だと思いますよ。「やっぱりホットドッグはこの味だよね」って思ってもらえる王道の味じゃないかな。うちの子どもが「美味しい」って喜んでくれたメニューを揃えているんです。食べやすさも大切にしたいので、パンは固すぎず柔らかすぎず、ちょうどいい食べ応えのものを選んでいます。
——「チョコミントドッグ」なるものもありますね。
津野さん:ふふふ(笑)。今年の新メニューです。私、チョコミントがめちゃくちゃ好きで。ホットドッグにできないだろうかと思っていたら、「ミントジャム」というものを見つけたんです。きれいな色で、味はしっかりミントですよ。
——遊び心がありますよね。駄菓子屋さんに売っていそうなおもちゃ類もあるし。
津野さん:それも私の趣味です(笑)。かわいいだけじゃなくて、ちょっとキモくておもしろいでしょう。

調理に接客に大忙し。キッチンカーが性に合う。
——津野さん、すごく楽しそうですよね。お客さんと話している様子から人柄が伝わってきました。
津野さん:私、接客が大好きなんですよ。バイトを掛け持ちしていたのも、接客業がやりたかったからです。前職は厨房担当だったので、なかなかお客さまとおしゃべりできなくて。調理と接客のどちらもできるキッチンカーはめちゃくちゃ楽しいですね。将来の夢は、カウンターに立ってお客さまとおしゃべりしながら料理を作ること。やってみたいなぁ。
——限られたスペースで、要領よくいろいろやらなくちゃいけない難しさはありませんか?
津野さん:そのノウハウは、ラーメン屋さんで身についたんでしょうね。麺が茹であがるまでにどう動くかっていう経験が生きているのかも。「これをやって、次はこれ」って勝手に身体が動くんですよ(笑)

——キッチンカーのいちばんの醍醐味はなんでしょう?
津野さん:やっぱり調理しながらお客さまとおしゃべりできるところですね。あと自分の行きたい場所へ行ける楽しみもあります。
——出店のお誘いがあると嬉しいものですか?
津野さん:もちろんです。条件が合えば、イベントと重なっていない限りお声がけいただいた場所へ伺うようにしています。
——もうちょっとキッチンカーを続けられるのか、居酒屋のオープンに向けて舵を切られるのか、そのあたりはどうでしょう?
津野さん:どうでしょうかね。今はとにかくキッチンカーのスタイルが楽しくて仕方ないので、まだしばらく続けると思います。すごく売り上げがあるかというとそうではないんですけどね。やっぱり接客が好きなんですね。

POMME&SOLEIL
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