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坂町「らーめん真」の、子どもからお年寄りまで楽しめる二郎系ラーメン。

村上市の荒川地区にお店を構える「らーめん真」は、濃厚なスープと極太麺に分厚いチャーシューや山盛りの野菜がのった、いわゆる二郎系のラーメンを提供しています。その味や見た目の過剰なインパクトもあって、ラーメンの、いや食事そのものの新たなジャンルを築いた感のある二郎系ラーメンですが、同店ではなんでも、「まちのラーメン屋さん」を目指し、子どもから高齢者まで幅広く愛される“優しい”二郎系ラーメンを提供しているとのこと。一般的なイメージとは裏腹の方向性ですが、いったいどういうことなのか、店主の平田さんに詳しくお話を伺ってきました。

 

 

らーめん真

平田 真 Hirata Shin

1979年関川村生まれ。「らーめん真」店主。10代半ばからラーオタで、長岡高専を卒業後、建設作業員や工場勤務を経て村上市荒川地区の人気ラーメン店「荒川ラーメン魂あしら」に入り3年間修業。2018年に独立し、自身が最も愛する二郎系のラーメン店「らーめん真」をオープンした。双子の兄も群馬県前橋市で「平田の哲二郎」という同系統のラーメン店を営む。ラーメン以外の趣味はゴルフと筋トレ。

 

初めて食べた二郎にひと口目から衝撃。一介のラーオタから本業に。

――さすが、スゴイ盛りですね。平田さんはやっぱりこういう、いわゆる二郎系のラーメンがもともと好きなのですか?

平田さん:そうですね。自分は10代の中ごろからいわゆる「ラーオタ」で、県内を中心にいろいろなお店を食べ歩いてきて、ラーメンはどんなものでもだいたい好きなのですが、初めて二郎のラーメンを食べたときはとにかく衝撃を受けました。

 

――ほう。ではまず、そのときのエピソードを詳しく教えていただいても?

平田さん:19か20歳の頃だったと思いますが、当時東京に住んでいた双子の兄のところへ遊びに行ったとき、兄が直系店に連れて行ってくれたんです。ひと口食べた瞬間に、「なんだこれ、うまっ!」って。当時は今ほどメジャーではなく、衝撃を受けた割には、どこの店だったかまでは憶えていないのですが(笑)、とにかくひと口でハマッちゃいまして。以来、兄のところへ遊びに行くたびに食べに行っていました。というか、食べるために兄のところへ行っていたかもしれません(笑)。ちなみにその兄も今、群馬の前橋で二郎系のラーメン店を営業しています。「平田の哲二郎」っていうんですけど。

 

――え、じゃあ双子で同じ趣向のラーメン店をそれぞれやっている、と。それはスゴイ。

平田さん:結果的にそうですね。兄の店はうちよりもゴリゴリというか、ハードコアな感じです。お互いに情報交換しながら、刺激をもらっています。

 

――ではラーオタだった平田さんが実際にお店を出すまでになった経緯は?

平田さん:高専を出てからは、いくつか仕事に就いたんですけどどこもあんまりしっくりこなくて、どうしようかなと考えていたところに、地元に近い「あしら」がスタッフを募集していたので、応募して働かせてもらうことにしました。「あしら」のラーメンも大好きでしたし。趣味のラーメンが仕事になったのは、このときが初めてです。

 

――なるほど。それから独立までは?

平田さん:「あしら」ではラーメンそのものについてだけでなく、飲食店としてのお店の回し方などまで、色々学ばせてもらいました。働いているうちにだんだん自分のお店が持ちたいと考えるようになってきて、であればやっぱり自分のいちばん好きなラーメンを出したいということで、こういうお店になりました。

 

目指すのは「身体に良い二郎系」? 地域で末永く愛されるために。

――では改めて、こちらのお店のラーメンの特徴を教えてください。いただいた率直な感想としては、見た目ほどゴリゴリしていないというか、意外と食べやすいのに驚きました。

平田さん:ありがとうございます。実は、そこは意識しているところなんです。私自身が加齢とともにゴリゴリなのがキツくなってきたこともあるのですが(苦笑)、愛好者の多い都市部ならともかく、このあたりでゴリゴリ一辺倒はなかなかやっていけないと思ったので。ラーメンの核のようなものは保ちながら、愛好者だけでなく、子どもから高齢の方まで幅広く愛されるような仕上がりにしています。

 

――そうなんですね。具体的には?

平田さん:添加物や化学調味料はできるだけ使わず、天然由来でカバーできるところはなるべくそうしています。昆布の出汁で旨味を出したり、とか。味の特徴として添加物等をまったく使わないのは難しいのですが、自分としては、矛盾していると言われるかもしれませんが「身体に良い二郎系ラーメン」を目指しているつもりです。この地域で幅広い方に、末永くご愛顧いただきたいので。イメージしているのは、離乳食の後すぐから、いくつになっても食べ続けてもらえるラーメンです。

 

 

――なるほど、ジャンクなイメージとは真逆ですね。メニューも醤油だけでなく味噌味やまぜそばなど、いろいろと取り揃えていますね。

平田さん:そうですね。細麵もありますし。現役のラーオタとして他のお店も参考にしながら、日々いろいろ試しています。期間限定メニューとして出して、好評ならレギュラー化したりとか。なんなら毎日通ってもらっても大丈夫な、飽きないお店にしていきたいんです。

 

――店内もおシャレなカフェのような雰囲気で、失礼ながら、まさかガッツリ系のラーメンが出てくるとは思えないような(笑)

平田さん:(笑)。これは元がカフェだった物件を使わせてもらっているだけで、決して最初から狙ったわけではないんですけどね。お客さんにとっては入りやすく、子ども連れでも気兼ねなく来てもらえれば願ったり叶ったりです。

 

水害を乗り越え再開。将来は「まちのラーメン屋さん」として定着を。

――ところで、このあたりは8月の豪雨災害で水害が酷かった地域だと思うんですが、お店は大丈夫だったんでしょうか?

平田さん:いや、全然大丈夫じゃなかったです(苦笑)。うちで床上40~50センチくらい泥水が入りましたね。このへんでは低い方ですが、なかなかヤバかったです。

 

――そうだったんですか……当時の状況を詳しく教えていただいても?

平田さん:私は隣の関川村に住んでいいて、8月3日は通常通り営業して帰宅したのですが、4日の早朝4時ころ、店のガス漏れを知らせる警報が携帯電話に入ってきました。それで店まで向かったのですが、まず国道(113号)が大変なことになっていて通れない。どうしようかと思っているところに所属する地元の消防団の出動要請があったので、一旦そちらに参加して活動しました。その日の午後、新発田方面から回ってようやく店まで辿り着いたのですが、泥が大量に流れ込んだ店内の惨状を目の当たりにした時は「あー終わったなー」と思いましたね。それでも従業員や大家さんの会社の方、仲間の協力で片付け、清掃を進め、2週間後にはなんとか再開することができました。店のすぐ近くに井戸水があり、断水中も泥が乾く前に掃除できたのは不幸中の幸いで、比較的早く復旧できたので、周囲の方々やボランティアで来た方向けに炊き出しをやったりもしました。

 

――コロナ禍、原材料高騰に続いて今回の水害と、特に飲食店さんは大変だと思います。

平田さん:確かにキツい状況が続いていますが、おかげさまで再開もできたし、今後もなんとかがんばっていこうと思っています。殆どのお店が再開する中、本格的な復興に向け、年末の書き入れどきに地域全体がさらに盛り上がっていけばと思います。

 

――最後に、今後の展望を教えてください。

平田さん:先ほど述べたことの延長ですが、将来的な目標は「まちのラーメン屋さん」として地域に定着することです。地域の方々に世代を跨いで愛され、例えば帰省した方が寄ってくれて「地元のラーメンの味」として懐かしさを感じてくれるような店になれば最高ですね。そのために、これからもずっと続けていきたいです。

 

 

 

ラーメン(正油・塩) 750yen~

味噌ラーメン 850yen~

鶏豚骨ラーメン 830yen~

カレーラーメン 900yen

生姜正油ラーメン 800yen~

まぜそば各種 800yen~

ほか

 

 

らーめん真

〒959-3131 村上市藤沢7-12

TEL0254-75-7010

火曜定休

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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