阿賀町の国道49号線沿いにある農産物直売所の隣に「Refeli(レフェリ)」という名の小さなジェラートショップが建っています。ショーケースを覗いてみると、チョコレートやラムレーズンなどのよく見かけるジェラートの他に、塩こうじ、エゴマ、あまざけといったフレーバーも。いったいどんなジェラート屋さんなのか、オーナーの石川さんにお話を聞いてきました。
Refeli
石川 英理香 Erika Ishikawa
1978年新潟市中央区生まれ。子どもの頃に阿賀町へ移住。高校卒業後は新潟駅前のカフェでホールやカウンター業務を経験。その後、阿賀町に戻って事務職をしていたが、結婚を機に退職し主婦業に専念する。子どもが生まれてしばらくしてから地元の農産物直売所で10年間働き、2017年その直販所の隣に「Refeli」をオープン。マラソン、ウォーキング、登山とアクティブな趣味を持つ。
——隣に農産物直売所があるんですね。
石川さん:私は「Refeli」を始めるまで農産物直売所で10年くらい働いてたんですよ。その隣に更地があったので、店舗を建てさせてもらって、2017年にこのお店をオープンしたんです。
——そうだったんですね。でも、どうしてジェラートショップを始めようと思ったんですか?
石川さん:もともと食に関わる仕事が好きだったんですよね。あと農産物直場所で働いていたときに、売れ残って廃棄される果物や野菜を見続けてきたんです。それを返すとき、農家の方はとっても悲しい顔をされるんですよ。みんないい方ばかりなのに、その顔を見るのがとても辛かったんですよね。だから、売れ残りそうな農産物を救える方法はないかって、いつも考えていたんです。
——なるほど。それでジェラートにすることを思いついたんですか。
石川さん:それだけじゃなくて、直販所で売ってる野菜や果物って、どうやって食べたらいいのかわからないっていうお客様が結構いたんです。だったら「食べやすいかたちにして、食べてもらえばいいんじゃないか」っていう考えもありました。直販所にはお子様を連れて来られるお客様もいたので、お子様にはジェラートを食べながら待っててもらえば退屈しないで済むんじゃないかとも思いました。
——どうやってジェラートの作り方を勉強したんですか?
石川さん:ジェラートショップを始めようと思ってから、東京のジェラートマシンメーカーが開催する講習に参加して、ジェラートの先生から作り方を教わりました。
——あとは独学なんですか?
石川さん:はい。最初の頃は失敗も多かったし、慣れてないから段取りも悪くて時間ばっかりかかりましたね。毎日のように夜中の12時過ぎまでジェラートを作ってました(笑)
——それは大変でしたね。ジェラート作りってどんなところが難しいんでしょうか?
石川さん:使う素材によって、同じように作っても固さが変わってしまうんですよ。だから素材によって砂糖の量を調整しながら作っています。あと同じ素材でも個体差があるんです。たとえば同じさつまいもでも、甘いものもあれば、そんなに甘くないものもあるんですよ。そういうところが難しいとは思います。でも阿賀町の食べ物ってどれも美味しいから、素材で困ることはほとんどないですね。
——そういえば、「Refeli」のジェラートはほとんど阿賀町の素材で作ってるんですよね。
石川さん:はい。ジェラートショップだったらどこにでもあるけれど、阿賀町に来てここでしか食べられないものを提供したいと思ったんです。
——たとえば阿賀町のどんな素材で作ってるんですか?
石川さん:明治創業の老舗「山崎糀屋」の「塩こうじ」を使ったジェラートは、子どもから年配のお客様にも喜ばれる人気商品ですね。あと「麒麟山酒造」で作られている地酒「麒麟山」の酒粕を使った「あまざけ」も人気がありますね。「あまざけ」以外に本物の地酒を使ったジェラートもあるんですよ。
——へ〜。どんな地酒を使ってるんですか?
石川さん:「麒麟山伝辛」とか「近藤酒造」の「菅名岳」とか。「菅名岳」は、仕込み水の水汲みにも参加してるんですよ(笑)。地酒のジェラートはアルコールを使っていて溶けやすいから保管の温度に気をつけてます。あとアルコールが強めなので運転されるお客様にはご遠慮いただいてます(笑)
——さすが「発酵の町」って感じのジェラートですね。そういうジェラートを作るときって、どんなことにこだわってるんですか?
石川さん:できる限り素材の味を生かしたいので、甘さは控えめにしてます。その上で、砂糖をはじめとした材料は金額が高くてもいいものを使うようにしてるんです。安いものを使うと味や舌触りが変わってしまって、美味しくなくなってしまうんですよ。シンプルなだけに味の変化はわかりやすいですね。
——最後に、これからやってみたいことを教えてください。
石川さん:結構いろいろやり尽くしちゃったんで……と言いつつ、まだまだあるんですけどね(笑)。できれば店をもう少し広くしたいとか、カップアイスをいろんなところに置いてもらいたいとか。でも一番やっていきたいことは、阿賀町のいろんな商店と関わりながらコラボ商品を作ること。みんなで一丸となって阿賀町を盛り上げていきたいと思ってます。
農産物直販所で働いていたときに売れ残りの農産物を見てきた経験から、ジェラートにして提供することを思いついた石川さん。その他にも、阿賀町の特産品を使った、地元でしか食べられないジェラートをたくさん作っています。みなさんも紅葉狩りやドライブで阿賀町に出かけた際にはぜひ立ち寄ってみてください。阿賀町を感じることができるジェラートに出会えると思いますよ。
Refeli
〒959-4403 新潟県東蒲原郡阿賀町平堀877
0254-92-7711
10:00-17:00
水曜休