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新潟県産米の魅力をPRするお母さんたち、その名も「ライスガールズ」。

「ライスガールズ」ってアイドルグループ?その正体とは。

新潟県産米のPRをする「ライスガールズ」という女性たちの存在を知っていますか? 名前からすると、どこかのアイドルグループのようなのですが…。実はこの「ライスガールズ」、新潟県でお米を作っている農家のお母さんたちによるユニットなんです。今回は収穫の秋を目前に控え、メンバーの阿部さんと大坂さんに新潟県産米の魅力をお聞きしました。

 

ライスガールズ

阿部 マサ子 Masako Abe

新潟市西蒲区(岩室地区)在住。旧巻町生まれ。お米をメインに自家用野菜も栽培する農家。在来ナスの普及にもつとめている。趣味はフラワーアレンジメントと健康づくり。

ライスガールズ

大坂 昌子 Masako Daisaka

新潟市中央区在住。旧豊栄町生まれ。お米の他、ナス、オクラ、トマト、キュウリ、女池菜を栽培する農家。趣味はアートフラワー、卓球、大正琴。

 

東京や大阪などの大都市を中心に新潟県産米のPR。

——今日はよろしくお願いします。まず「ライスガールズ」とはどんな方たちなのか知りたいんですが…。

大坂さん:2012年に結成された、新潟県産米PRのためのスペシャルユニットです。メンバーは現在6人。新潟米4大産地の岩船、佐渡、魚沼、新潟から、それぞれお米を中心に農業をやっている生産農家のお母さん方が集まっているんですて。

 

——ユニット、ということですけど、いったいどんな活動をしているんですか?

阿部さん:東京とか大阪とか大きい都市でのPR活動が多いかな。最近だと東京ビッグサイト、大阪府梅田にある新潟アンテナショップ「じょんのび にいがた」とかに行って、新潟県産米をアピールしたり、県産米で握ったおむすびの振る舞いをやったりしましたね。逆に県内の活動はほとんどないですて。「にいがた酒の陣」の会場での「にいがた米の陣」のPRくらい。

 

——なるほど。県外の人たちに新潟県産米の美味しさをアピールしているんですね。で、県外の人たちの反応はいかがですか?

大坂さん:新潟県産米を紹介すると、みなさん美味しさはよく知ってくださってるの。でも残念なことに、食べたことがないって人がいっぱいいらっしゃるんですよ。「コシヒカリは高価だから、なかなか食べられない。」って。まあ、新潟のコシヒカリが美味しいっていうイメージが伝わっているのはうれしいですけどね(笑)

 

阿部さん:お米が高いっていわれるけど、私は安いもんだと思うけどなあ。ただ、若い人たちがお米を食べないのは面倒だからじゃないかしらねえ。そのまんま食べることができなくて、食べるときは炊かなきゃダメだから手間なんだろうねぇ。もっと食べてもらえるように、私たちもがんばってPRしないとね。

 

天候に左右される米づくりは水の管理に気をつかう。

——「ライスガールズ」はみなさんお米を作っているんですよね?お二人はどんなお米を作っているんですか?

大坂さん:私のとこは「こしいぶき」と「コシヒカリ」。

 

阿部さん:うちは「コシヒカリ」、「こがねもち」(もち米)、それから早生(わせ)も作ってます。

 

——1種類じゃないんですね。お米を作る上で大変なことってありますか?

大坂さん:農家は自然相手の仕事だから、台風とか長雨とか天気に左右されるのが大変。

 

阿部さん:台風のあとのフェーン現象が一番大変。水が一気に干上がって、稲が白く枯れてしまう白穂になる。人間でいうとこの熱中症みたいなもん。

 

——それを防ぐために、どんなことをしているんでしょうか?

阿部さん:水の管理ね。「間断灌水(かんだんかんすい)」といって、田んぼに浅く水を入れて、水がなくなったら2日くらい水なしの状態を保って、また浅く水を入れるということを繰り返す水の管理方法ね。新鮮な水を入れ続けることで、稲の根傷みを防ぎ稲が強く育つ。気が抜けない作業ですて。

 

大坂さん:「溝切り」っていって、稲の列の横に水が通るための溝を掘っていく作業が大変。あとは草取りとか、虫や病気の予防とか…。農家以外の人から見れば、何してるのかわかんないような細かい仕事が多いんですよねえ。

 

——いろいろ気が抜けないんですね。

大坂さん:まあ、こまめに手入れをしてやるのが一番大事ですよね。あと、有機肥料を使ったり、植える苗の数を少なくしてやると、肥料が行き渡っておいしくなりますね。昔はとにかくたくさんお米を作ったもんだけど、今は量より質の時代だからね。

 

阿部さん:そうそう。うちも農薬を以前の50%に抑えるよう気をつけてますて。

 

——おいしいお米のために努力してるんですね。農家としてやりがいを感じるのはどんなときですか?

大坂さん:自分で作ったお米を食べるとき。力をもらえるような感じがします。

 

阿部さん:お米を買ってくれたお客さんにしばらくして会ったら、ふっくらしてた人がほっそりしてたんですよ。失礼だけど「前はもっとふっくらしてませんでした?」って聞いたら、うちのお米が美味しくて、ごはんばっかり食べてたら痩せたっていわれました。とてもうれしい言葉でしたね(笑)

 

おいしい新潟県産米をさらにおいしく食べるには?

——「ライスガールズ」でPRしている新潟県産米の特徴はどんなことですか?

阿部さん:私は冷めても美味しいことだと思う。あと,粘り気があって甘みも強い。

 

大坂さん:それは湿田の土質がいいからだね。稲刈りしたあとの田んぼに雪が積もって、その間に栄養素が蓄えられる。気候も含めて稲の栽培に合う土地ですよね。

 

——なるほど。そんなお米をおいしく炊くコツを教えてください。

阿部さん:炊く前、水にひたすのがポイント。最低でも10〜15分。できれば30分〜1時間はひたすといいね。夏は水がぬるいから短めに、冬は水が冷たいから長めにひたすように。やるとやらないとでは、炊きあがりのふっくら加減が全然ちがってくるから。

 

大坂さん:お米は短い時間で炊き上げる方が美味しくなるの。だから、炊き上がるのに1時間かかる電気釜よりは、30分で炊き上げる火力の強いガス釜の方が美味しく炊けますよね。あと、蒸らし過ぎは固くなって美味しくなくなります。10分位蒸らしたらごはんを混ぜるようにするといいね。

 

——ところでイベントでおむすびを握ることも多いと思うんですが、美味しい握り方ってあるんでしょうか?

阿部さん:外はしっかり、中はふんわりするよう、力を入れ過ぎずに固く握らないことね。最近は手袋つけて握ることが多いんだけど、加減がわかんなくて握りにくいよね。手で握った方が人肌が伝わって美味しくなると思うんだけどね。

 

大坂さん:握るときは手に力を入れず、お腹に力を入れてに握るといいですよ。あと、お米が手につかないように水をいっぱいつける人がいますけど、水の代わりに塩をほどよくつけて握ると、お米も手につかないし、塩も混ざって美味しいおむすびになります。

 

海外進出してパリでおむすびを握る?今後の夢とは。

——今後「ライスガールズ」でやってみたいことってありますか?

大坂さん:「ライスガールズ」の歌を出したい(笑)。それから、海外にも日本の…というより新潟のお米をアピールしたい(笑)

 

阿部さん:例えばフランスはパン食ばかりだから、パリで新潟県産米のおむすび握って食べてもらったら、どんな反応するんだろっかねえ(笑)

 

 

新潟県産米のPR活動をしている「ライスガールズ」のお二人はお米のスペシャリストだけあって、身近なお米の知らなかったことをたくさん教えてくれました。お陰でますます新潟県産米に愛着を感じるようになった気がします。今度はフルメンバーの6人とお会いしてみたいです。これからも県外はもちろん、海外でも新潟県産米のよさを伝えていただきたいですね。

 

 

 

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