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ひとつひとつが店主のお気に入り。文具と雑貨のお店「ツバキ舎」。

西区の内野町にある「ツバキ舎(つばきしゃ)」には、個性的でキュートな文具や雑貨がそろっています。たとえば、ほっこりするデザインのカレンダーやスタイリッシュな柄のマスキングテープ、凹凸のある活版印刷で作られたポストカードなどなど。これらは、すべて店主の神林さんがセレクトしたもの。どんなお店なのか、神林さんにお話を聞いてきました。

 

ツバキ舎

神林 千夏 Chinatsu Kambayashi

1982年愛媛県松山市生まれ。26歳のときに結婚し、新潟へ移住。2019年、不定期開店のチャレンジショップとして「ツバキ舎」をスタート。2020年から常設店舗として運営をはじめる。2児のママで、趣味は写真撮影。

 

「お気に入り」を集めたお店で、作り手と買い手の思いに触れる。

——お店の名前とロゴマークがかわいいですね。「ツバキ舎」という名前は、新潟の県木である雪椿からですか?

神林さん:結婚して新潟に嫁いできて、新潟の県木が雪椿だと知って縁深いものを感じました。というのも、私の出身地である愛媛県松山市の市花が「ヤブツバキ」なんです。それで、お店のロゴと名前にツバキを使いました。

 

——そうだったんですね。さて、その「ツバキ舎」はどんなお店ですか?

神林さん:文具や雑貨を中心に扱っているお店です。私が好きなものをセレクトして置いているので、大型店舗にはないものがほとんどですね。扱っているものは、レターセットやポストカード、メモ帳、カレンダー、マスキングテープなど紙雑貨が多いです。それと、見た目が大好きなので、鉱石も取り扱っています。

 

——その中で、神林さんが特に好きなものは?

神林さん:う〜ん。選ぶのは難しいですね……。でも、思い入れが強いものは、「九ポ堂」さんのアイテムです。「九ポ堂」さんは、活版印刷機を使った紙雑貨を制作している作家さんで、「ツバキ舎」の仕入先第一号でもあるんです。このお店をはじめる準備していた頃、「九ポ堂」さんに「まだ店舗がない状況ではあるけど、作品を取り扱うことはできますか」と相談したところ、快諾してくださったんですよ。とても嬉しかったですし、お店をオープンすることに自信と勢いがつきました。

 

 

——神林さんは、作家さんと直接交渉しているんですか?

神林さん:作家さんに自分の思いや作品の好きなところを伝えた上で、仕入れについてなど直接お話しすることが多いですね。好きな作家さんとやり取りできるなんて、役得ですよね。

 

——珍しいものも置いている?

神林さん:新潟だとここでしか扱っていないものも多いですよ。作家さんがネットショップを運営していないと、その方の作品を手に入れることが難しいんです。だから、お目当ての作家さんの作品がこのお店に置いてあることを知って、「新潟で買えるなんて……」と感動される方もいらっしゃいます。

 

優しくて、落ち着く。「木漏れ日」のような存在でありたい。

——お客さんは、文具に詳しい方が多いんでしょうか?

神林さん:いえいえ、そんなことはないですよ。いろんな方がいらっしゃいます。先日は、中学生くらいのお客さまが好きな子に渡すためのプレゼントを買いに来てくれました。お財布から小銭をかき集めている姿から、頑張ってお金を貯めたんだろうと想像して、キュンとしましたね(笑)。

 

——ふふふ。いいですね。

神林さん:作家さんとやり取りしていると、ひとつの作品を生み出すためにたくさんの時間と労力をかけていることがよく分かるんです。ひとつひとつにストーリーがあるものを「ツバキ舎」がお預かりして、お客さまに提供しているんですよね。私の仕事には、作り手と買い手、両方の思いを知ることができる贅沢さがあるんです。

 

——それがお仕事の醍醐味なんでしょうね。

神林さん:それから、お客さまが「心が満たされました」と言ってくださるときなんかも、とても嬉しいですね。ここにあるものは、全部私が気に入って選んでいるものなので、「その気持ち、分かる」って共感しちゃうんです。「ツバキ舎」の素敵なものに触れて、心のエネルギーを満たしてもらえたら、それだけでも嬉しいんですよ。

 

——そもそも、どうしてこのお店をはじめようと?

神林さん:小さい頃から、紙雑貨や文具が大好きでした。東京や大阪で開催される文具の大きいイベントに行って、お気に入りのものを買うことが楽しみだったんですけど、子どもが生まれてからしばらく、イベントに行けなかったんです。遠方だし、子どもを連れて行くわけにもいかないし。それで、わざわざ遠くに行かなくても、好きなものを買うことができたらいいのに……と思って、自分でお店をやろうと思ったんです。

 

 

——お店をやるって勇気がいりますよね。

神林さん:そうですよね。自分でも、文具屋の店主になるなんて想像していませんでした(笑)。でも、数年前から内野に遊びに来ていて、そこで「又蔵ベース」の仲間たちと出会ったことが影響しているんです。「又蔵ベース」は、「ツバキ舎」があるこの建物の名前で、シェアアトリエとして使われていました。ここで、ものづくりが好きな人たちが集まって、イベントをしたり制作をしたりしていたんですよね。

 

——それはいつくらいのことですか?

神林さん:2017年か2018年でしたかね。「又蔵ベース」に出入りするようになって、仲間たちから刺激を受けて、2019年にチャレンジショップとして、「ツバキ舎」を不定期で営業しはじめたんです。ある程度準備が整ったので、2020年からは常設店舗としてスタートしました。

 

——どんなお店にしたいと思ってはじめたんでしょう?

神林さん:木漏れ日のようなお店にしようと思っていました。木漏れ日のようにホッとできる、優しい場所にしようと。人間的にも、木漏れ日のような存在になりたいって思っています。

 

もうすぐ節目の3周年。お祝いに、大好きな作家さんとの記念品作り。

——オリジナルの商品も?

神林さん:毎年作っている記念品は、どれもオリジナルです。オープン1周年の記念品には、四季をイメージしたえんぴつに、松山出身の正岡子規の句を刻印ました。2周年では、押し花のしおり。3周年を迎える来年は、「九ポ堂」さんにお願いして、しおりを作ってもらおうと考えているところです。

 

——思い出に残る記念品ができそうですね。

神林さん: 自分の中では、お店の3周年、5周年、10周年を節目の年だと思っているので、3周年の記念品は、ちょっと贅沢なものを作ろうと決めていました。

 

——オープンしてからの約3年間、いかがでしたか。

神林さん:最初の3年間はがむしゃらに頑張って、お店を継続させることを目標にしていました。その目標は果たせたそうかな、と思っています。次は、5周年に向かってネットショップを充実させたいですね。このお店の商品を好きでいてくれる方が、どこからでもお気に入りのものを買うことができるように。

 

 

 

ツバキ舎

新潟市西区内野町1356

営業日:火・木・金10:00〜17:00、土10:00〜18:00、第一日曜10:00〜17:00

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