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ベテラン獣医師が人生を捧げる、猫専門病院「新潟 ねこの病院」。

今や子どもの数よりペットの数の方が多いといわれる日本。犬、猫、うさぎ、ハムスター、鳥類、魚、爬虫類…いろんな種類の動物がいる中で、代表格といえば犬と猫。今回は猫を専門に診察する「新潟 ねこの病院」を開院した65歳のベテラン獣医師・小嶋佳彦先生から、獣医師としてのお話や猫についてのお話などいろいろお聞きしてきました。

 

 

新潟 ねこの病院

小嶋 佳彦 Yoshihiko Kojima

1955年阿賀野市(旧安田町)生まれ。麻布獣医科大学(現麻布大学)獣医学部を卒業後、1979年に小島動物病院を開院。また麻布大学の獣医学部研究生や大学院で獣医繁殖学を修了。2020年に新潟市中央区で「新潟 ねこの病院」を開院。獣医学に関する著書や講演も多数。歌手の髙橋真梨子や井上陽水のデビュー当時からのファンでコンサートに行くのが何よりの楽しみ。猫2匹と暮らしている愛猫家。

 

テレビで見た洋画の登場人物への憧れや父の勧めで、獣医師の道へ。

——今日はよろしくお願いします。早速ですが、先生は昔から動物がお好きだったんですか?

小嶋さん:私のひいばあちゃんが動物好きで、生まれたときから家には犬や猫がいました。だから動物が好きっていうよりも、身の回りにいるのが当たり前でした。

 

——常に身近な存在だったわけですね。でも、獣医師になろうと思ったのは何かきっかけがあったんですよね?

小嶋さん:何の映画だったか忘れましたが、小学生の頃テレビで洋画を放送していて、その中に動物のお医者さんが登場したんです。その獣医師が家畜の往診に行く時の車がかっこよかったので、それを見て獣医師に憧れるようになったんです。また、中学生の頃、父からこれからは獣医という仕事が面白そうだと勧めを受けて、興味を持つようになりました。それで歴史のある「麻布獣医科大学」に入学することにしたんです。

 

——映画がきっかけとは意外ですね。それで大学で犬や猫についての医学を勉強したと。

小嶋さん:最初は、牛とか馬とかの大きな動物の獣医師を目指していました。当時の獣医大学は、牛、馬を中心に勉強していたんです。家畜のための獣医師を育ててたんですね。ところが40年前くらいから犬や猫の比率が増えてきて。今は逆に牛や豚の獣医師になる人が減る一方で、そのうち国産の牛肉や豚肉なんてなくなっちゃうんじゃないかって心配ですよね。

 

大学卒業後、1年ちょっとでいきなり動物病院を開院!

——大学を卒業した後はどこかの動物病院にお勤めだったんですか?

小嶋さん:実は大学を卒業して1年ちょっとで、当時の新津市(現在の新潟市秋葉区)で「小島動物病院」を開院したんです。当時は25歳くらいだったから、開院するにはまだ若過ぎるっていう周囲の反対の声もあったんだけど…。

 

——え?卒業していきなり開業しちゃったんですか?

小嶋さん:大学に通ってる間の夏休みや冬休みに、知り合いや先輩の動物病院で自主的に研修をしてたんです。だから卒業時にはそれなりの知識や経験が身についてたんですよね。

 

——じゃあ大学時代から時間を無駄にせず経験を積んでいたって感じですね。

小嶋さん:そうですね。でもまだまだ勉強したいことも多かったので、開業しながら「麻布大学」の大学院で研究生として「繁殖学」を学びました。この「繁殖学」っていうのは人間でいうところの「泌尿器科」「産科」「婦人科」「小児科」が一緒になったような学問です。月2回神奈川に通って勉強するのは大変でしたけど、学問や研究を通して人々との交流が計れ、おかげで多くを学ぶことができました。現在は猫の眼科や皮膚科、内分泌科などに力を入れています。

 

どうして猫専門の病院にしたのか。

——一番聞きたかったことを質問をさせてください。どうして猫専門の病院を開業することにしたんですか?

小嶋さん:個人的な考えとして、いろいろな種類の動物を一人の獣医師が診るということにずっと疑問を感じてきたんですよ。それで20年前に、どれか1種類の動物にしぼろうと思ったときに、ひいばあちゃんの影響で自分が一番好きな猫を選んだんですね。

 

——「小島動物病院アニマルウェルネスセンター」はどうなったんですか?

小嶋さん:5年前に私が60歳になったのを機に、事業承継として息子に院長を任せました。幸い息子の妻も獣医師で娘は動物看護師なんですよ。この3名を中心に20名近いスタッフと協力しながら運営しています。

 

——それで先生ご自身は「新潟 ねこの病院」を開院されたんですね。

小嶋さん:面白いもんでね。25歳くらいで「小島動物病院」を開院したときは周囲から「まだ若過ぎる」って言われたのに、65歳で「新潟 ねこの病院」を開院することになった今回は「いい歳なのにまだやるのか」って言われるんですよ(笑)。でも、やるなら今しかないって思ったんですよね。今も昔も“年齢”というよりも、気持ちとか気力の充実のほうが重要だと思っています。

 

——どうしても猫の専門病院をやりたかった、その情熱を感じますね。開業してみていかがですか?

小嶋さん:新しい取り組みを続けていると、若い頃は上手くいかなかったようなことでも上手くいくようになります。成功体験ができるんです。何よりも毎日いろんな猫を見ることができて楽しいですよ(笑)。あと生まれたばかりの猫が成長する姿を見続けたりできるのもうれしいですね。

 

猫が健康に暮らすためのアドバイスいろいろ。

——飼い主に向けて、猫が健康に過ごせるアドバイスをお願いしたいんですが。

小嶋さん:一番大事なのは良質な食事を食べさせることですね。良質ないい材料が使われた食事っていうことです。ペットフードにはたくさんの種類があり過ぎて迷ってしまう人も多いんですよね。そんなときは獣医師や動物看護師、ペット栄養管理士に相談してアドバイスを受けることをお勧めします。当院では「より良い食事療法食」を扱ってますので相談してほしいですね。

 

——食事が大事なのは人も猫も同じなんですね。他にもアドバイスありますか?

小嶋さん:健康診断も含めて、健康チェックを定期的に受けてほしいですね。少なくても年2回は受けた方がいいと思います。あと、できるワクチンはした方がいいです。ただ病気でワクチンの接種ができない場合もあるので、そのへんは気をつけてほしいですけれど。不妊手術や去勢手術もできれば受けさせた方がいいですね。生後6〜7ヵ月齢の発情期前に受けると乳がんにならないんです。乳がんにかかってしまうと95%以上の猫は亡くなります。あとは外に出さないこと。外に出ないだけで感染症や事故、毒物を食べるっていう危険が少なくなります。

 

——なるほど、いろいろ勉強になります。

小嶋さん:今言ったことをやってもらうだけで、猫は格段に健康な生活を送れます。15年くらいは生きてくれますよ。

 

残りの獣医人生を賭けて、猫たちの健康を守りたい。

——今後やっていきたいことってありますか?

小嶋さん:これからは診療以外に動物に関する講演もおこなって、いろいろなことを伝えていきたいですね。最長で7時間も講演したことがあるんですよ(笑)。あと将来は自分に代わる後継者を見極めて病院を引き継ぎたいです。将来私が獣医師をやめても世の中から猫はいなくならないですからね。

 

——いや先生、まだ病院を開業したばっかりですよ(笑)。後継者を考えるのは早いんじゃないですか?

小嶋さん:そうですね(笑)。まあ残りの獣医人生を、この「新潟 ねこの病院」にすべて賭けたいと思ってます。ありがたいことに猫が大好きで勉強熱心なスタッフたちにも恵まれましたし、猫たちの健康を守るためにがんばっていこうと思います。

 

 

包み込むような優しい雰囲気と安心感のある小嶋先生を見ていると、病気やケガの動物たちにこれまでどんなに優しく接してこられたか、想像できるような気がしました。先生、これからも苦しんでいる猫ちゃんや困っている飼い主さんを助けてあげてください!

 

 

新潟 ねこの病院

〒950-0902 新潟県新潟市中央区南万代町1-7 南万代テラスA-1

025-245-2828

10:00-12:30/15:00-18:30(土曜は15:00/日曜は12:30まで)

月曜祝日休(日曜は午後休診/木曜午後は予約の手術日)

 

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