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背脂醤油が主流の三条エリアに、横浜家系ラーメンで挑戦する「三条家」

新潟五大ラーメンのうちの「燕三条背脂醤油ラーメン」と「三条カレーラーメン」のご当地にあたる三条市。そこで新たに「横浜家系ラーメン」で勝負を挑むのが、今年4月にオープンした「横浜家系ラーメン 三条家(さんじょうや)」です。お店を訪ねるとそこにいたのは……。

 

 

横浜家系ラーメン 三条家

佐藤 阿希 Aki Sato

1994年三条市(旧下田村)生まれ。焼肉店のアルバイトをはじめ様々な飲食店で経験を積み、アパレルショップを経て、2025年にオープンした「横浜家系ラーメン 三条家」で店長を務める。趣味はカラオケで、十八番はやっぱり内緒。

以前紹介したカフェのスタッフが、ラーメン店の女性店長に……。

——あれっ? 以前お会いしていますよね。

佐藤さん:はい、「王様の珈琲」で働いていたとき、Thingsに取材していただきました(笑)

 

——ああ、やっぱり。その節はお世話になりました。まさかラーメン店の店長さんになっていたとは……(笑)

佐藤さん:あの頃はコーヒーを淹れていましたけど、今は麺の湯切りをしています(笑)

 

——どういったいきさつで「横浜家系ラーメン 三条家」の店長になったんでしょうか?

佐藤さん:「王様の珈琲」の後、アパレルショップのスタッフとして働いていたんですけど、どうしても慣れ親しんだ飲食業に戻りたくなったんです。そんなときに「中華蕎麦 おか部」のお手伝いをさせていただけるようになり、姉妹店としてオープンする「横浜家系ラーメン 三条家」の店長をやらせてもらえることになりました。

 

——いろいろな飲食店で経験を積まれた思いますが、ラーメン店は初めてじゃないんですか?

佐藤さん:餃子専門店のメニューにラーメンはあったんですけど、スープを最初からつくるのは初めての経験で難しかったです。社長と自分の目指しているスープの方向性を擦り合わせて、豚骨のうま味が凝縮した濃厚なスープをつくることができたと思います。

 

 

——どうして濃厚な家系ラーメンを目指したんでしょう?

佐藤さん:三条エリアのラーメンというと背脂醤油ラーメンやカレーラーメンが主流なので、周りにない横浜家系ラーメンで挑戦することにしたんです。姉妹店の「中華蕎麦 おか部」や「麺豪 織蔵(めんごうおりくら)」も周りにない淡麗系やがっつり系のラーメンを提供しています。

 

——「横浜家系ラーメン」って、三条エリアにはないんですか?

佐藤さん:あまりないと思います。だから年配のお客様のなかには、「横浜家系ラーメン」に慣れていない方も多いんです。家系ラーメンは「麺の固さ」「スープの濃さ」「油の量」が選べるじゃないですか。家系でいう「油」っていうのは「鶏油(チーユ)」のことなんですけど、三条では一般的に「背脂」を指すことが多いのでよく間違われます(笑)

 

——「大油」とか「鬼油」とか?(笑)

佐藤さん:はい(笑)。あと「メンマ入ってねえねっか」って言われたこともあります。「そういうラーメンなんですよ」って説明したら「そうらか……メンマ食べたかったんろも」って言いながらも、美味しそうに食べてくれていたので安心しました(笑)

 

プレッシャーや力仕事と闘う女性ラーメン店長。

——ラーメン店の店長をやってみて、大変だと思うことはありますか?

佐藤さん:大きな寸胴を持ち上げたり、大量のスープをかき混ぜたりする力仕事は大変ですけど、もともと体を動かすことが好きなので苦にはなりません。

 

——それは頼もしいですね。

佐藤さん:でも最初の頃はランチタイムに行列ができると、プレッシャーで押しつぶされそうでした。今ではかなり慣れてきましたね(笑)。最初はできないことも多かったけど「できないのなら、できるようにすればいい」と思って頑張りました。

 

——前向きな考え方ですね。他にも心掛けていることがあったら教えてください。

佐藤さん:お客様ひとりひとりと目を合わせながら、お迎えやお見送りをするようにしています。特に常連のお客様とはコミュニケーションをとるようにしていますね。

 

 

——もう常連さんもいらっしゃるんですね。

佐藤さん:おかげさまで、週4日続けてご来店くださるお客様もいらっしゃいます。そういう常連のお客様が突然いらっしゃらなくなると、何かあったんじゃないかと心配になってしまうんです(笑)。このお店は「りとるたうん」という施設の一画で営業しているので、施設内の教室に通っている方々が食べに来てくれます。あと朝9時から営業しているので、お隣の病院に勤めている夜勤明けの看護師さん達も朝食を食べに来てくれて、「おやすみなさい」といって帰っていくんですよ(笑)

 

——ラーメン店の店長をやっている女性って、少ないんじゃないですか?

佐藤さん:だからこそ挑戦し甲斐があると思っているんです。女性店長が少ないんだったら、自分がやってやろうと思いながら頑張っています。

 

お客さんに満足してもらえるラーメンやサービス。

——ラーメンをつくるときには、どんなことを心掛けているんですか?

佐藤さん:お金をいただいて提供しているわけですから、美味しく食べて満足してもらえるように心掛けています。そのためには美味しくラーメンをつくるのはもちろん、丼を温めて熱々のラーメンを食べてもらえるよう気をつけていたり、立体的な盛り付けを意識して綺麗で美味しそうに見えるように心掛けたりしています。

 

——「満足」といえば「無限ライス」や「無料トッピング」といったサービスもすごいですね。

佐藤さん:できるだけ素材を無駄にしないよう、サービスに生かす努力をしているんですよ。「無限ライス」は200円でお替わりし放題ですし、「無料トッピング」も自由にお召し上がりいただけます。お米も頑張ってコシヒカリを使っているんです(笑)

 

 

——このご時世にコシヒカリを使っているのは気合が感じられます笑)

佐藤さん:今後はもっとトッピングの種類を増やしていきたいし、新メニューも増やしていけたらと思っています。差し当たり「油そば」を提供したいなと思っているんです。

 

——それ楽しみですね。ぜひ三条エリアに横浜家系ラーメンを根付かせてください。

佐藤さん:ありがとうございます。頑張ります(笑)

 

 

 

横浜家系ラーメン 三条家

三条市興野2-2-58

9:00-15:00

不定休

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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