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僕らの工場。#25 「はかる」のその先を創造する「シンワ測定株式会社」。

  • 僕らの工場。 | 2021.08.23

今年で創立50周年を迎えた「シンワ測定株式会社」は、曲尺や直尺などの定規、水平器、温度計といった「はかる」道具を製造しています。プロ仕様の道具が多いですが、個人のDIYユーザーに向けた製品展開もしているそうです。そこで今回は、「2021年 ニイガタIDSデザインコンペティション」でIDS賞を獲得したDIY向け製品「2×4止型定規 クリア」の開発を担当した桑原さんに、会社のこと、製品開発のことなど、いろいろな話を聞いてきました。

 

シンワ測定株式会社

桑原 大洋 Taiyo Kuwabara

1996年燕市生まれ。東海大学卒業後、「シンワ測定株式会社」に新卒入社。開発部製品開発1係所属。海釣りが趣味で、釣った魚は自ら調理する。

 

「はかる」道具を作るのが、「シンワ測定株式会社」のミッション。

――「シンワ測定株式会社」は、今年で50周年を迎えられたそうですね。おめでとうございます。まずは、どのような製品を作っているのか教えてください。

桑原さん:長さ、温度、重さなど、「計測」にはいろんな種類があります。それぞれを「はかる」製品を作っているのが、「シンワ測定株式会社」です。ちなみに「はかる」という言葉は、計る、量る、測る……と、目的によって異なります。私たちは「はかる」製品(体温計を除く)を全般的に取り扱っていることから、ひらがなで「はかる」と表現しているんです。

 

――なるほど。「はかる」製品を全般的に、というと、かなりの製品数があるのでは?

桑原さん:そうですね。2,400種類以上の製品を取り扱っています。毎年新しい製品を開発しているので、今後もどんどん増えていきますよ。

 

 

――想像していた数より多くて驚きました……。そのなかでもメインとなる製品は?

桑原さん:「シンワ測定株式会社」といったら、やはり国内シェアNo.1の曲尺や直尺をはじめとした定規製品ですね。この製品を開発して、製造する技術があったからこそ、「はかる」をキーワードにさまざまな製品開発をすることができましたし、50年間走り続けて来られたのだと思っています。

 

――国内シェアNo.1となると、どのぐらいの出荷数があるんですか?

桑原さん:年間数十万本を出荷していますね。

 

――そんなに?? でも、曲尺とかって普通の人が頻繁に買うものではないですよね?

桑原さん:メイン製品である曲尺の多くは、大工さんをはじめとした現場のプロが使用しています。大工さんは1人で複数本所有していて、状態によって長さを測るだけではなく、直角を合わせることにも使用するので、しっかりとしたものを使うことが大切なんですよね。だから消耗品として使用されているんです。

 

開発者に聞いた、DIY向け製品のアレコレ。

――それでは、桑原さんが開発された製品「2×4止型定規 クリア」についても教えてください。これは、どんな製品なんですか?

桑原さん:今まで「はかる」というのは行為であって、つまりは目盛りでした。でも、その先を見据えて「はかる」のその先を想像し、役に立つものを提供していくことが、これからの「シンワ測定株式会社」としてのミッションです。それで誕生したこの「2×4止型定規 クリア」は、DIYでよく用いられる2×4材(2×4工法に用いられる木材)に特化した製品で、「2021年 ニイガタIDSデザインコンペティション」でIDS賞を獲得しました。

 

 

――2×4材に特化しているというと、具体的にどういうことですか?

桑原さん:製品としての規格が2×4材に合わせてあります。45°、90°を同時に確認できたり、2×4材の短辺83㎜に対して1/2、1/3、1/4を簡単に等分割り付けできたり、あとはビスを打ち込む箇所をビス穴ガイドで示したり、とにかく2×4材を加工する際に必要となる機能をふんだんに盛り込んだ定規なんですよ。

 

――ふむふむ。2×4材はサイズが決まっているから、それに合わせて設計されていて、「ここから〇㎝、あっちから〇㎝」みたいに測らなくても、簡単に加工することができるってわけですね。

桑原さん:その通りです。曲尺などのプロツールって、流通はしていても、一般の方がDIYで使用する商品ってなかなか目にしないじゃないですか。でもDIYが流行っている最近は、ホームセンターには2×4材などの材料がたくさん並んでいますよね。それをヒントに、「一般の方がどうやったら簡単に加工できるのか」を考えて、今までに作ってきたプロツールのノウハウを生かして「2×4止型定規 クリア」を生み出しました。

 

 

――あの、ちょっと気になっていたんですけど、どうしてクリア(半透明)なんですか? 「シンワ測定株式会社」で作られている曲尺などの定規はステンレス製が多かった気が……。

桑原さん:これ、大切なポイントなんです。クリアにすることで定規の下にどんな印が付けられているかが見えますし、素材を透明のポリカーボネート樹脂にすることで、木材を傷つけにくくもなるんですよ。

 

――なるほど、そういうことだったんですね。レッド、ブルー、イエローみたいに、いろんなカラーバリエーションを作ったら、DIYユーザーは喜ぶんじゃないですか?

桑原さん:それがですね……、「2×4止型定規 クリア」には、何のための印を書く場所なのかが簡単に識別できるように、ピクトグラムを配置しています。だから、木材に定規を当てたときに、このピクトグラムがしっかりと見えることが重要だったんです。シンワ測定のイメージカラーである「シンワブルー」で試作したこともあったんですけど、それだとピクトグラムが全然見えなくて……。それでいろんな色を試して、使いやすさを追求した結果、このちょっと薄いクリアブラックになったんです。

 

スタートからゴールまで、一貫して製品に携われるメーカーだからこそ。

――2,400種類以上も製品があって、自分で企画した「2×4止型定規 クリア」もあって、さらに作ってみたい製品ってあるもんですか?

桑原さん:ん~……「これを作りたい」「これを作ってみたい」という、具体的な製品は思いつかないんですけど、これからは自社製品を使用しているユーザーのところにうかがって、「こういう機能が欲しい」「こんな道具があったら便利」という生の声を製品化して、感謝の声をいただけるような新しい製品を作り出したいとは思っています。

 

――実際に自分で考えた製品が店頭に並んでいるのって嬉しいですか?

桑原さん:ですね。「これ作ったんだよ」って言いたいです(笑)

 

――それでは最後に、今後の目標を教えてください。

桑原さん:やっぱり「はかる」のその先ですね。工事現場で作業する人が使っている「はかる」道具を補助する道具とか、例えば農業みたいにひとつのジャンルに特化して、もう一歩、新たに踏み出して、今までになかった「はかる」製品開発をしていきたいです。

 

 

インタビューを終えて、ちょっと雑談をしていたときに「実は、YouTubeに出演しているんですよ」と、桑原さんが恥ずかしそうに教えてくれました。さっそく「2×4止型定規 クリア」の紹介動画をチェックしてみたら……。作業をしている手だけ、出演していたんですね(笑)。気になる方はYouTubeをチェックしてみてください。

 

 

 

シンワ測定株式会社

新潟県三条市興野3-18-21

0120-666899

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