今回の主役は「St.valentine(セントバレンタイン)」のフルーツサンドです。手がけているのは多数の飲食店を展開している新発田の「株式会社サクラフーズ」。これまではラーメン店や食堂、居酒屋などを出店してきましたが、なぜ今、フルーツサンドのお店をはじめたのでしょう。社長の望月さんに、いろいろとお話を聞いてきました。
株式会社サクラフーズ
望月 和弘 Kazuhiro Mochizuki
1966年静岡県生まれ。新発田市育ち。「株式会社サクラフーズ」3代目社長。高校卒業後に上京。出版業やカメラマンなど経験し、15年ほど前から「株式会社サクラフーズ」の事業に関わる。2020年に、同社代表取締役社長に就任。
——今日はよろしくお願いします。まずは「St.valentine」を運営している「株式会社サクラフーズ」さんについて教えてください。
望月さん:新発田を中心に、ラーメン店や定食屋、居酒屋を経営している会社です。新発田の7号線沿いにある「ラーメン魂 とらまる」や新潟駅前の「九州うまかもん横丁 九龍」などを展開しています。最近では、ぽっぽ焼きの生地にあんこを詰めた「蒸判焼き」を販売して、いろいろなメディアに取り上げていただきました。「蒸判焼き」って昔新発田にあった名物らしいんです。それを再現してみました。
——今回の「St.valentine」は、どんな経緯でスタートしたんでしょう? 今までとはちょっとタイプが違うお店のようですが……。
望月さん:コロナ禍で売上が伸び悩んでいたので、「キッチンカーをやってみようか」という話になったんです。もともとフルーツサンドに興味がありましたし、いずれはスイーツの分野にも力を入れたいと思っていました。
——最初はキッチンカーだったんですね。
望月さん:はじめて出店したのが、2021年のバレンタインデーでした。それでお店の名前を「St.valentine」と名付けたんです(笑)。キッチンカーが軌道に乗って、今年の8月に中曽根町に路面店をオープンさせることができました。
——キッチンカーと路面店、それぞれどんな役割が?
望月さん:キッチンカーは、アンテナショップのような役割を果たしてくれますね。イベントの会場にいる皆さんにお店を知ってもらう広告塔みたいな。路面店は商品点数が充実していますし、お客さまが欲しいものを、欲しい数買える安定感があるように思います。
——「St.valentine」のフルーツサンドには、どんな特長があるんでしょう?
望月さん:甘すぎないオリジナルレシピのクリームが一番の売りです。石川さんという腕のいいパティシエが作ったクリームなんですよ。フルーツサンドのお店はたくさんありますからね、豊富なクリームの種類と、クリームの美味しさで差別化を図っています。石川さんとの出会いがあったことも「フルーツサンドの店を始めよう」と思ったきっかけですね。
——フルーツサンドだけでなく、サンドイッチなどもありますよね。
望月さん:「厚切りロースカツサンド」や「厚焼きたまごサンド」などもご用意しています。これは、山岡さんという和食料理人の力を借りて作りました。本格的なソースが美味しさの秘密です。
——いろいろとメニューが豊富で楽しいです。
望月さん:お手頃な商品も用意したくて、マリトッツォやキューブ型のフルーツサンドもありますよ。それから、マンネリ化しないようにパフェも。パフェは今のところ3種類ですが、もっといろいろなメニューを考えているところです。
——コロナ禍でキッチンカーにチャレンジしてみて、いかがでしたか?
望月さん:新しいことをやりたいと思っても、何かきっかけがないとなかなか挑戦できないものですよね。コロナ禍は新しいことをはじめる、思わぬきっかけになりました。キッチンカーのすべてがいいことばかりではないですが、「やってよかった」と思っていますよ。ただ、新潟の冬は関東圏とは違うから、この時期の集客には工夫が必要だと思っています。何事も流行り廃りがありますし、まだまだこの先が勝負ですね。
——経営者としてこのコロナ禍で何か思うところはありましたか?
望月さん:私は、30年以上飲食業に携わってきました。これまで経験した中で、新型コロナウイルスの影響が一番インパクトのある出来事でしたね。まったく予想しなかったことでしたから。でもこの2年間で、成功の鍵は「人」が握っている、と改めて感じました。人手が足りなくなり、つくづく人材の大切さを感じたんです。
——なるほど。望月さんは、どんな人と一緒に働きたいと思っていますか?
望月さん:会社やお店のことを考えてくれる人、一緒になって物事を乗り越えてくれる人がいいですね。そんな思いを持っている社員がたくさんいる企業が、今の厳しい状況を乗り越えられるんだと思います。
新発田市中曽根町2-12-14-3
TEL: 0254-28-8018