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気軽にタコスやお酒が楽しめる「Tacos el AMABLE」。

外食するときに思い浮かべる料理って何がありますか? ラーメン、そば、とんかつ、パスタ、寿司、中華料理、焼肉……。メキシコ料理のタコスを思い浮かべる人は少ないのではないでしょうか。今回ご紹介する新潟市中央区の「Tacos el AMABLE(タコス エル アマブレ)」は、もっと気軽にタコスを楽しんでほしいというオーナーの思いからオープンしたお店です。自慢のタコスをいただきながら、オーナーの北川さんにお話を聞いてきました。

 

 

Tacos el AMABLE

北川 智子 Tomoko Kitagawa

新潟市西区生まれ。飲食業やアパレル、アイドルのマネージャーなど様々な職業を経験し、2025年に「Tacos el AMABLE」をオープンする。アメリカンカルチャーが好き。4年前からサーフィンを続けている。

タコス店のオーナーは、アイドルグループの元マネージャー。

——待った甲斐があって、ようやく取材できることになりました(笑)

北川さん:じつは私が以前働いていたお店も、Thingsさんに取材してもらったことがあるんですよ。取材にはオーナーが対応しましたが、私はそこでタコスの調理を担当していました。

 

——そうだったんですね! 北川さんはずっと飲食業をされてきたんですか?

北川さん:そんなこともなくて、アパレルの仕事をしていたこともあるし、アイドルグループのマネージャーをやっていたこともあるんです(笑)

 

——ええーっ、なんというグループですか?

北川さん:名前は伏せさせてもらいたいんですけど、グループの立ち上げから4年間マネージャーをやっていました。マネージャーって、本来はメンバーを母親のようにフォローする役割のはずなんですけど、私もまだ若かったこともあってメンバーと衝突することも多かったんです(笑)。当時はメンバーから怖がられていましたけど、その後はお互いにわかり合えて今でも親交は続いています。

 

 

——なるほど。昔からアイドルに興味があったんでしょうか?

北川さん:アイドルに興味があったわけではなくて、当時所属していたダンスチームを通して声が掛かったんです。

 

——ダンスをやっていたんですね。

北川さん:高校生の頃からやっていました。洋楽が好きだったこともあって、アメリカンカルチャーに興味を持っていたんです。それで英語の勉強やダンスのレッスンをはじめて、大学時代に短期留学したのを皮切りに何度もアメリカを訪れました。

 

——じゃあ、もしかしてタコスと出会ったのもその頃?

北川さん:そうなんです。ホームステイ先のホストファミリーとタコスを食べにいったことをきっかけに、アメリカへ行くたびに食べるようになりました。でも新潟にはタコスを食べられるお店が少なかったので、しかたなく自分でつくって食べるようになったんです。

 

——タコスのつくり方は独学で覚えたんですか?

北川さん:ほとんど独学ですね。旅先で食べるたびに自分がつくるタコスと比べたり、フードトラックのなかを覗いてつくり方を探ったりしていました(笑)。あとニューヨークに住んでいる友達の知り合いにメキシコ人がいたので、つくり方を教えてもらったこともありましたね。

 

ランチにラーメンやカレー、豚丼まで食べられるタコス店。

——自分でつくって食べているうちに、タコスのお店をオープンしたいと思うようになったんですね。

北川さん:そうなんです。でもなかなか条件にあう物件が見つからなかったので、焼肉店や居酒屋で働きながら探し続けました。そのうち勤務先に出入りしている業者さんから、ここで営業していたカフェのオーナーを紹介していただいたんです。そのオーナーは、ご家庭の事情でカフェを閉めるということでした。

 

——そうだったんですね。

北川さん:オーナーさんとお会いしたときに、ビビッと感じるものがあったんです。とてもいい方だった上に、いろいろなつながりもあってご縁を感じましたね。調度品から食器までそのまま譲っていただいただけじゃなく、スタッフまでそのままだったりするんです(笑)。オーナーさんは今でもちょくちょくお店に来てくれるんですよ。

 

 

——それはいいご縁でしたね。立地的にはどうだったんですか?

北川さん:古町や駅前のような繁華街ではなく、かといって古町から離れ過ぎていない理想的な場所でした。専用駐車場がないのでお車で来られる方には有料駐車場をご利用いただいていますが、その分は価格面でサービスできるように頑張っています。

 

——この辺っていろんな行政機関や企業が集まっていますよね。

北川さん:カフェだった頃は、周辺に勤める方々の社員食堂のようだったので、私も店舗を受け継ぐと共に常連のお客様も受け継がせてもらおうと思いました。そこでタコス以外にカレーやパスタ、豚丼が食べられる週替わりランチを提供することにしたんです。焼肉店や居酒屋で働いてきた経験が役に立ちましたね(笑)。でも、いずれはラーメンや牛丼と同じように、タコスもランチの選択肢に入れてもらいたいと思っているんですよ。

 

——まだ日本ではそこまで身近な食べものじゃないですもんね。

北川さん:少しでもタコスを食べてもらえる機会が増えるよう、アメリカにある「Taco Tuesday(タコチューズデー)」という毎週火曜にタコスを食べに行く習慣にならって、お得にタコスが食べられるサービスデーを設けています。

 

——へぇ〜、アメリカにはそんな習慣があるんですね。オープンして数ヶ月経ちましたけど、調子はいかがですか?

北川さん:おかげさまで常連のお客様もできました。「応援してくれる人がいるだけで、こんなにありがたいのか」と思っています。今ならアイドルの子達の気持ちがよくわかりますね(笑)

 

こだわらないことが、こだわり。

——タコスをつくるときに、心掛けていることがあったら教えてください。

北川さん:めっちゃ時間をかけて丁寧に仕込みをしています。「ビリアタコス」や「カルニタス」に使う肉は、3時間煮込んだ後に手で裂きながら筋や脂身を取り除いて、食べやすいようにしているんです。

 

——とても細やかな気配りを感じますね。他にもこだわりはありますか?

北川さん:いろいろなお酒を用意していますけど、私が好きなお酒しか置いていないんです(笑)。でも常連のお客様からリクエストがあれば、対応していきたいとは思っています。

 

 

——わりと柔軟ですね(笑)

北川さん:こだわらないことがこだわりなんです。だからおつまみになめこおろしを出すのもありだと思っていますし、3年後には餃子をやっているかもしれません(笑)

 

——それは将来が楽しみですね(笑)

北川さん:毎日楽しく生きていきたいですね。楽しくなければ店も続けられないですから。タコスやお酒、人が好きなので、この仕事をやっていて幸せを感じています。腰が曲がったおばあちゃんになっても、この店を続けているのが夢ですね。

 

 

 

Tacos el AMABLE

新潟市中央区川岸町1-48-16

025-265-2017

11:30-14:30/17:30-22:00(日曜はランチ営業のみ)

月曜休

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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