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新潟の食材と中国の薬膳を結びつけた「髙津薬膳教室」。

皆さんは「薬膳」と聞くとどんなイメージを思い浮かべるでしょうか。「漢方薬のような材料で作る美味しくない中華料理」みたいなイメージを持っている人もいるのでは? でも実際には、身近な食材を組み合わせて作ることができる、とても健康的な料理なんです。今回は「髙津薬膳教室」の髙津さんから、薬膳についてのあれこれを聞いてきました。

 

髙津薬膳教室

髙津 もろみ Moromi Takatsu

新潟市西区生まれ。同志社女子大学英文科を卒業後、新潟市内の学習塾で中学生に英語を教える。30歳のとき、母親のやっていた自然食の店を手伝い始め、薬膳について学び「髙津薬膳教室」を受け継ぐ。国際薬膳食育師、オミックス医療カウンセラーの資格を持つ。趣味は美術鑑賞でユトリロの絵画が好き。

 

「薬膳」っていったいどんな料理なの?

——早速なんですけど「薬膳」って何ですか?

髙津さん:「薬膳」は中国から伝わった料理です。昔から中国では、食材に薬と似た効能があると考えられていました。季節や体質、体調に合った食材を組み合わせて食べることで、毎日を健康に過ごすための「マッチング料理」なんですよ。体質や食材の組合せによって、合うものと合わないものがあるので、その組合せを学ぶのが薬膳教室なんです。

 

——そうだったんですね。季節に合った食材ってどういうものなんでしょうか?

髙津さん:「陰陽五行(いんようごぎょう)」の考え方では、季節ごとに食べるといい食材が色分けされています。春は青、初夏は赤、夏は黄色、秋は白、冬は黒い色の食材がおすすめなんです。たとえば冬におすすめの黒い食材というと、黒豆、黒米、黒ごまがあります。紫も黒として見ますのでブルーベリーなんかもおすすめです。食材と色の関係は古い書物にも書かれているので、昔の人は現代の人よりも感覚が鋭かったんじゃないでしょうか。

 

——じゃあ身体が冷える冬におすすめのレシピもあるってことですね。

髙津さん:杜仲茶を使って炊いたお粥がおすすめです。杜仲茶は腎機能に働きかけるので、身体を温めながら利尿作用もあって、寒い冬の健康維持にはおすすめですね。小豆や黒豆も同じ理由でおすすめの食材です。

 

地元新潟の食材を使った「新潟薬膳」とは。

——「髙津薬膳教室」はどのように始まったんですか?

髙津さん:始めたのは私の母なんです。母はかなりのやり手で、20歳で紳士服のテーラーを起業したんですよ。そんな母が自然食の店を始めたのは、家族がきっかけでした。父が先天性の肝機能障害を患っていた上に、姉も心臓が弱くてランドセルを背負うだけでぜいぜいするほどだったんです。母は食事に気を使うようになって、身体にやさしい食材に目を向けるようになりました。そのうちテーラーをやる傍ら、無添加の味噌、醤油、酢を売るようになって、だんだん自然食の店に比重を置くようになっていったんです。

 

 

——最初は自然食の店として始まったんですね。薬膳はどこで覚えたんですか?

髙津さん:メディアで薬膳が取り上げられるようになった頃、興味を持った母が有名な先生の勉強会に参加して薬膳を教わってきたんです。その後も北京や上海の大学で短期のスクーリングをして学んで、「国際薬膳指導師」という国際的な資格も取りました。母はこの資格を日本で最初に取得した17人の中のひとりだったんです。

 

——それじゃ日本ではかなり早い段階で、薬膳に目をつけたんですね。

髙津さん:そうかもしれないですね。でも中国の食薬を多く使っていたせいか、薬膳の味が日本人の口には合わなかったんです。そこで母は、新潟の地場食材を使った薬膳を考えるようになりました。気候や土壌に根ざした新潟の食材と、中国の先人の知恵と結びつけることで「新潟薬膳」を生み出して、それを広めるために「髙津薬膳教室」を始めたんです。

 

——髙津さんはお母さんから教室を受け継いだんですか?

髙津さん:はい。母から薬膳の知識を学んで教室を受け継ぎました。新潟日報社主催の薬膳教室の依頼を受けたとき、主催者側は母が来ると思っていたのに、そこへ私が現れたもんだから驚かれてしまいました(笑)。

 

家族の健康を守る知識が学べる教室。

——教室ではどんなことをするんですか?

髙津さん:まず季節ごとに受ける身体の影響や、その季節に食べた方がいい食材をご説明します。それからレシピの説明に入り、食材の組み合わせの意味、調理用具の使い方、薬膳の意義について学んでいただきます。最後は実際に調理をして、完成した料理をみんなで食べていただくんです。

 

——どんな方が教室に参加しているんですか?

髙津さん:まず子育て中のお母さんが多いですね。身体にいいものを子どもに食べさせたいっていう思いで参加されています。あと自分の健康を考えている50〜60代の人も多いです。中にはプロの料理人も参加してますよ。ただ美味しいだけじゃなくて、料理に付加価値をつけたいっていう考えで勉強されています。

 

 

——薬膳を学ぶメリットってどんなことでしょう?

髙津さん:料理を作ることは身体を作ることにつながってるんですよね。ですから食材の選び方や料理の作り方が、健康な生活にそのままつながっているわけです。そういった意味でも、ご自身や家族の健康を守る知識が身につくものだと思います。

 

——なるほど。では髙津さんが今後やってみたいことってありますか?

髙津さん:それぞれの土地の食材を使った「地域薬膳」をクリエイトするための資格認定制度を作りたいんですよ。その資格は新潟だけじゃなくて、いろんな地域に応用できると思うんです。今までは自分の知識をあまり人に教えないようにしていたんですけど、これからは自分の知識をいろんな人に伝えて、もっと多くの人に薬膳の魅力を知ってほしいと思うようになりました。

 

 

家族の健康を考えて薬膳に興味を持ち始め、その素晴らしさを広めるために薬膳教室を始めた髙津さんのお母さん。そして、その思いを受け継いだ髙津さん。おふたりの活動で薬膳が新潟に住む多くの人に伝わり、地元の食材で作る「新潟薬膳」がぐっと身近なものになるといいですね。

 

 

髙津薬膳教室

〒950-2013 新潟県新潟市西区小針が丘3-22

025-266-0418

10:00-19:00

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