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農業の素晴らしさと越後川口の魅力を伝える「田中さき」。

長岡市には「川口」という小さな町があります。その町で農業に励むかたわら、モデルやタレントとして活躍し、「川口観光大使」を務めるのが今回紹介する田中さきさんです。コシヒカリの収穫を終えたばかりの田中さんを神楽南蛮の畑に訪ね、「農業タレント」や「川口観光大使」としてのお話を聞いてきました。

 

 

農業タレント

田中 さき Saki Tanaka

1992年小千谷市生まれ。長岡市内のベーカリーで働いているときに新潟のモデルプロダクションで活動をはじめ、テレビやラジオ、イベントなどで活躍。2016年から長岡市川口に移住し、祖父の農業を手伝いはじめ、「農業タレント」として活動。2022年からは「越後川口観光大使」を務めている。小さい頃からアイドルが好きで、現在は「=LOVE」や「≠ME」を応援中。推しメンは佐々木舞香。

「農業タレント」として活動をはじめた理由。

——まずは、田中さんが「農業タレント」として活動することになったいきさつを教えてください。

田中さん:たまたま読んだブログで、モデルやタレント活動をしている今井美穂さんの存在を知って、地元の新潟を盛り上げたり、東日本大震災の被災者を支援している姿に興味を持ちました。私もそうした活動をしてみたかったので、長岡のイベントに今井さんが出演したとき会いに行ったんです。

 

——ボランティア活動に対して興味を持っていたんでしょうか?

田中さん:もちろんそれもありましたけど、小さい頃から「モーニング娘。」や「AKB48」といったアイドルが好きだったので、タレント活動にも興味があったんです。

 

——そうだったんですね。それで、今井さんには会えたんですか?

田中さん:会ったその場で「一緒に活動しない?」と誘っていただきました(笑)。それで今井さんが代表を務めるプロダクションで活動することになったんです。ラジオにテレビ、イベント、企業のイメージモデルなどいろいろなお仕事を経験させていただきましたね。

 

——ガラリと生活が変わったんですね。一方で「農業」については、いつから興味を持っていたんでしょう?

田中さん:これも小さい頃からで、大好きなおじいちゃんがやっている農業を手伝っているうちに、土の香りのなかで黙々と作業するのが自分に合うと感じるようになったんです。大人になったらおじいちゃんと一緒に農業をやって、いずれは跡を継ごうと考えるようになりました。

 

 

——それで「農業タレント」に?

田中さん:モデル活動をしつつ、おじいちゃんと一緒に農業をやりながら、SNSで農業の楽しさを発信していたんです。そしたら農業関係のメーカー様からお声がけをいただいて、農業に関わるお仕事が増えていきました。おじいちゃんが使っていた農業メーカー様からもイメージモデルとして起用していただき、とても嬉しかったですね。

 

農業のイメージを「ダサイ」から「かっこいい」に。

——農業タレントとして活動する際に、心掛けていることを教えてください。

田中さん:農業に対するネガティブなイメージを払拭したいと思っています。20年前の農業は「キツイ」「汚い」「危険」の「3K」と呼ばれていて、その上「ダサイ」というイメージが強かったと思うんです。

 

——当時は今以上にそういうイメージが強かったかもしれませんね。

田中さん:私自身、学生時代は周りの目を気にして、友達にさえ農業が好きだと言えませんでした(笑)。でも、それって真剣に農業に取り組んでいる方々に対して失礼ですし、何よりもキラキラしているおじいちゃんを見ていると本当に素敵だなと感じるんです。だから農業の素晴らしさを多くの方々に伝えていきたいと思っています。

 

——具体的には、どのように伝えるようにしていますか?

田中さん:可愛いピンクのつなぎに身を包んだ農業女子として、明るく楽しく取り組む姿を発信することで、農業のイメージを「ダサイ」から「かっこいい」に変えていけたらいいなと考えています。

 

 

——田中さんは、農業のどんなところが魅力だと感じていますか?

田中さん:ゴマみたいに小さな種から芽が出たり、それが成長して実がなったり、食べてみて美味しかったり、ひとつの作物からたくさんの感動を味わえることですね。9年間農業を続けてきて、毎年変わらずに同じ感動を味わうことができるんです。

 

——育てる楽しさを感じることができるんでしょうね。でも大変なこともあるんでしょう?

田中さん:力仕事も多いので、女性には大変ですね。特に袋詰め作業は30kgの袋を持ち上げて8段に積み上げるので、昨年は腰を痛めてしまったんです。そこで今年からは機械を導入して、作業が大変楽になりました。あと近年の異常気象による夏場の暑さが厳しいですね。日焼けしないように肌を出さない格好で作業しているので、なおさら暑いんですよ。でも一日の終わりには心地よい疲労感や達成感があって、生きていることを実感できます(笑)

 

——タレント業と農業の両立も大変なんじゃないですか?

田中さん:タレント業をやっているとプレッシャーを感じることも多いんですが、そのストレスを自然のなかでもくもくと農業に励むことで緩和していて、お互いにバランスのとれた状態になっているんです(笑)

 

移住した川口で観光大使を務める。

——現在は「川口観光大使」としても活躍されていますよね。

田中さん:おじいちゃんの農業を本格的に手伝うために、24歳の頃から川口へ移住してきたんです。3年前から観光大使に任命していただき四期目を迎えました。

 

——観光大使としては、どんな活動をしているんですか?

田中さん:川口のご当地キャラ「かわぐっち」と一緒に、県内外のいろいろな場所に出かけては川口の魅力をPRしています。

 

 

——では、川口の魅力を教えてください。

田中さん:人口4千人に満たない小さな町なんですけど、それだけに人と人の絆が強いんです。人柄もあたたかくて、地元を大切にしている人が多いように感じます。しっかりした意志を持っていて、向上心の強い人もたくさんいるんです。

 

——魅力的な人々が暮らしている町なんですね。おすすめの観光スポットはあるんですか?

田中さん:日帰り温泉施設の「えちご川口温泉リゾート」ですね。効能が高い泉質の天然温泉で、山の上にあるので露天風呂からは越後三山や信濃川と魚野川の合流地点を一望できますし、冬には一面の雪景色を楽しむこともできるんです。夏場には「越後川口やな場」で鮎料理を味わうこともできます。

 

——豊かな自然を楽しむことができるんですね。最後に、今後はどのように活動していこうと思っていますか?

田中さん:今後はもっと農業に力を入れていきたいです。田んぼの規模を拡張して、もっとたくさんの方々に魚沼産コシヒカリをお届けしたいと思っています。将来はキッチンカーやお店をオープンして、おにぎり屋さんをやってみたいですね。そうした活動を通して、より一層農業の楽しさを伝えていきたいです。

 

 

田中さき

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