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見附の老舗割烹がはじめた「グリット キッチンカー」の鮭米(ベ)ーガー。

見附市には意外と割烹が多いってこと、知っていました? 大正初期創業の「割烹 太田家」もそのひとつ。その老舗割烹が、今年からキッチンカーでライスバーガーを売り始めたんです。その名も「米(ベ)ーガー」。なぜそんなことを始めたのか、その理由を5代目の太田陽子さんに聞いてきました。

 

 

グリット キッチンカー

太田 陽子 Youko Ohta

1982年見附市生まれ。「割烹 太田家」5代目。専門学校で医療事務を学んだ後、アパレル系の仕事に就く。体調が悪いときに料理教室の先生から栄養に関するアドバイスを受けたことがきっかけで、栄養士の専門学校に通って栄養士免許を取得。その後、家業の「割烹 太田家」で働き始め、2020年3月より「グリット キッチンカー」をスタート。

 

見附に割烹が多い理由と、5代目のこれまで。

——太田さんは「割烹 太田家」の5代目なんですよね。老舗割烹とお聞きしましたけど、どんな歴史があるんですか?

太田さん:「割烹 太田家」は大正初期に創業した振り売り……今でいう仕出し屋で、どじょうの蒲焼が人気料理だったそうです。当時の見附は「ガチャ万時代」って呼ばれるほど繊維産業で栄えていたので、全国からたくさんの商人が買い付けに来ていました。そこで商人たちを接待する場所が必要で、見附は割烹の数が意外と多いんですよ。

 

——なるほど。ところで「ガチャ万時代」ってどういう意味なんですか?

太田さん:織り機で「ガチャッ」ってひと織りしただけで、万単位のお金が転がり込む、っていう意味です。当時は織れば織るほどお金になったんですよね。接待慣れした舌の肥えたお客様を相手にしてきたから、次第に料理人の腕も上がっていったんじゃないでしょうか。

 

 

——料理はどんなところにこだわっているんでしょうか?

太田さん:やはり旬の食材をこだわって使うようにしています。それから、うちは常連のお客様が多いので、続けて同じ料理をお出ししないように気をつけていますね。常連様の好き嫌いは把握してますから、お料理はお客様の好みに合わせて作っています。

 

——常連客の多い割烹ならではの心配りですね。ところで太田さんはずっと「割烹 太田家」で働いてきたんですか?

太田さん:いいえ、私は専門学校で医療事務を勉強したんです。でもなぜかアパレル業界で接客の仕事をしていました(笑)。その当時に身体を壊してしまって、当時通っていた料理教室の先生から栄養についてのアドバイスをいただいたんです。それをきっかけに食や栄養に興味を持つようになって、栄養士の専門学校で3年間勉強して、栄養士免許や栄養教諭の資格を取得しました。「割烹 太田家」で働き始めたのはその後になります。

 

「グリット キッチンカー」誕生のいきさつ。

——どうして老舗割烹がキッチンカーを?

太田さん:「鮭と銀だらの味噌漬」という看板商品があるのですが、見附産の田舎味噌をメインにブレンドした自家製味噌に、一本一本丁寧に骨抜きした鮭と厳選した銀だらを漬けたもので、焼き上げると弾力のある食感とともに香ばしい味わいをお楽しみいただける美味しい味噌漬です。お中元やお歳暮、引出物といったギフトとして人気があって、「見附ブランド」としても認めていただいたんです。

 

 

——ほうほう。

太田さん:それを年配の方だけじゃなくて若い人たちにも食べてほしいと考えて、ライスバーガーにすることを思いついたんですよ。食べやすいかたちになっていれば、誰でも気軽に食べてくれるんじゃないかって思って。

 

——ハンバーガーじゃなくて、ライスバーガーなんですね。

太田さん:最初はパンに鮭の味噌漬を挟んで試してみたんですけど、どうしてもパンには合わなかったんです。そこで、新潟らしくコシヒカリを100%使ったライスバーガーにしました。「米」という字を使って「米ーガー」という名前にして、商標登録を9月に取得いたしました。

 

 

——たしかに鮭とご飯の相性は最高ですよね。で、それをわざわざキッチンカーで売ろうと思ったのはどうしてなんですか?

太田さん:割烹って、気軽には入りにくいみたいなんですよね。だったら駐車場で売ってみようってことで、キッチンカーを思いついたんです。移動して売ることもできるから、もっと多くの人たちに食べてもらえるんじゃないかって。でも家族からは反対されちゃいましたね(笑)

 

——反対する気持ちもわかるような気がしますが……。

太田さん:割烹がキッチンカーをやるっていうイメージがわかなかったみたいです。「店舗の営業も忙しいのに、そんなことをやる必要があるのか」って言われました。でもやってみたら、お客様との距離感も縮まって、多くの人に「鮭の味噌漬」を食べていただけたので、ようやくキッチンカーをやることについて理解してもらえました。

 

キッチンカーの苦労や喜び。そしてこれから。

——いつどこで出店しているんですか?

太田さん:まず「割烹 太田家」の駐車場ですね。どんなふうに出店するのが一番ベストなのか様子を見ながらいろいろ試している段階なので、営業日ははっきり決めてないんですよ。営業するときは、InstagramやTwitterで告知をしています。あとは農産物直販所の「みっけセンター」駐車場とか、イベントでの出店もやってきましたね。

 

——キッチンカーをやっていて大変なことってありますか?

太田さん:天候に左右されることですね。土砂降りでもパラソルを広げたり看板を立てたりして、準備しなくちゃならないですから。車が大きく揺れるほど風の強い日もあって、そんなときは看板が飛んでいかないか心配です。

 

——車だから、ずっと外ですもんね。

太田さん:でもSNSで出店の告知をすると、「今日買いに行きます」っていうコメントをもらうことがあって心強く感じることもありますね。SNSでご予約をいただくこともあって、SNSを使うメリットを実感しています。

 

 

——最後に、これからやってみたいことを教えてください。

太田さん:今年は新型ウィルスのせいで見附に帰ってこれなかった人もたくさんいました。「米ーガー」を通販してほしいという声もたくさんいただいたんです。でも、この形で冷凍して送るのは難しいんですよ。だから今、「米ーガー」を自宅で簡単に作れるキットを開発しています。年内は難しいけど、年明けにはなんとか間に合わせたいと思ってます。落ち着いたら市外へもキッチンカーで出かけていきたいですね。割烹との両立は大変なんですけど、頑張って続けていけたらと思っています。

 

 

 

 

グリット キッチンカー

〒954-0057 新潟県見附市新町1-8-4 割烹 太田家駐車場内

0258-62-0120(割烹 太田家)

11:00-15:00

不定休

 

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