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新潟では珍しい、青竹手打ちラーメンが食べられる「田之助」。

全国の有名なご当地ラーメンのひとつに、栃木の「佐野ラーメン」があります。青竹を使って手打ちされたもっちりした麺が特徴で、あっさりした醤油スープとの相性もよく人気のあるラーメンです。新潟県内には青竹を使った手打ちラーメンの店って、数軒しかないんです。そのひとつが燕市吉田にある「田之助-DENNOSUKE-」という居酒屋さん。どうして居酒屋で、青竹手打ちラーメンが食べられるんでしょうか? 店主の宮田さんにお話を聞いてきました。

 

 

田之助 -DENNOSUKE-

宮田 芳久 Yoshihisa Miyata

1964年長岡市生まれ。三条の鋼材会社で営業として働いた後、農業機械メーカーで営業や企画の仕事を30年以上続けてきたが、2016年に脱サラして燕市吉田で「田之助-DENNOSUKE-」をオープンする。学生時代に弾いていたフォークギターを再開したいと思っている日々。

 

脱サラしてはじめた、ラーメンのある居酒屋。

——こちらの店名は「たのすけ」じゃなくって「でんのすけ」って読むんですよね。どういう意味があるんですか?

宮田さん:俺はこの店をやる前は農業機械メーカーに勤めて、営業や企画を30年以上やってきたんだて。だっけ「田んぼを助ける」っていう意味で「田助(でんすけ)」っていう店名にしようと思ったんだろも、文字にすると寂しかったっけ「之」を入れて「田之助」にしたんだこってね。

 

 

——へ〜、そういう意味があったんですね。宮田さんは居酒屋さんの前にはサラリーマンをやっていたんですか。定年退職って年齢じゃないようですけど、どうして会社を辞めてお店をはじめたんですか?

宮田さん:サラリーマンのまま終わったら、きっと後悔すると思ったんて。会社を辞める10年くらい前から「自分で店をやってみたい」と思うようになって、50歳になったら独立しようと思っていたんだこってね。でもなかなか会社を辞める決心がつかなかったっけ、とりあえず開店資金の借り入れを申し込んでみたんのてば。そうしたら審査が通って借りれることになってしまったっけ、もう後に引けなくなってしまったんだこってね(笑)

 

——借金に背中を押されることになったわけですね(笑)。もともと居酒屋をやってみたいという思いはあったんでしょうか?

宮田さん:いや、居酒屋でのぉでラーメン屋がやりたかったんだて。でも仲間に相談してみたら「ラーメンは人によって好き嫌いが分かれるっけ難しい。酒だば誰でも飲むんだっけ居酒屋にせえ」って言われて、それもそうだかと思って居酒屋をはじめることにしたんさ。

 

 

——じゃあ、もともとはラーメン屋をやりたかったんですね。てっきり、居酒屋さんがラーメンの提供をはじめたのかと思っていました。それにしても、どうして青竹を使った手打ち麺をはじめたんですか?

宮田さん:自家製麺はやりたかったろも、店舗の内装にお金がかかり過ぎてしまって、製麺機が買えなくなってしまったっていうのもあるわね。あと農業機械メーカーで働いていたときは出張族だったっけ、仕事でいろんな土地に行ってたんだて。その頃に食べたラーメンのなかで、山形の米沢ラーメンに影響を受けて、青竹を使った手打ち麺でラーメンを作ることにしたんだてば。

 

——そうだったんですね。手打ラーメンって難しそうですけど、どこかで修業したんですか?

宮田さん:いいや。ラーメン学校で基礎は習ったろも、あとは見よう見まねで独学。もともと中学生の頃から遊びでうどんだのそばだのを手打ちしてたすけ、興味はあったんだろうね。でも失敗を重ねて試行錯誤した上に、やっとお客さんに出せる麺が作れたんだて。まあ、最初からプロなんていないんだし、誰でもはじめは素人なんだっけさ。

 

——じゃあ、最初から居酒屋でラーメンを出していたんですか?

宮田さん:そうだね。居酒屋のメニューとしてラーメンを出してたね。ランチ営業をはじめるようになってからは、昼はラーメン屋、夜は居酒屋っていうスタイルになったんだこってね。

 

目指したいのは、ナンバーワンよりオンリーワン。

——それにしても、新潟で青竹手打ち麺をやっているラーメン店って、何軒もないんじゃないですか?

宮田さん:そうだと思うよ。燕はラーメン激戦区だしうちは後発だっけ、他の店と同じことしたって勝ち目はないんだて。だっけよそとは違うことをしんばねぇし、俺も人の真似をするのが好きじゃなかったんさ。

 

——手打ちって製麺機に比べて手間がかかりそうですよね。

宮田さん:時間はかかるね。団子になった麺生地を青竹で押し伸ばして、薄くなったら折畳んでまた押し伸ばして……生地全体が圴一になるまで、その作業を繰り返すんだっけね。その代わり機械打ちに比べると、生地のなかに気泡がたくさん残っているおかげで、茹で上がりが早いし麺のもっちり感も強いんだて。茹で時間なんて機械打ちした麺の半分で済むんねんかな。

 

 

——苦労する分、得られるメリットも大きいんですね。この縮れはどうやって作り出すんですか?

宮田さん:これは麺を手揉みしてるんだろも、捏ねるくらいの感覚で強めに揉んで、縮れの強い麺にしているんだて。

 

 

——この縮れた麺がスープによく絡んで美味しいです。ところで、スープも独学なんですか?

宮田さん:もちろん。会社勤めをしていたときから寸胴やプロパンを用意して、休みの日にはスープ作りを研究してたっけね。どこのラーメン店でもそうだろうけど、ちょっとした火加減でスープの味や状態が変わってくるから、火加減には本当に気を使ってるんだてね。

 

——現在は4種類のラーメンが食べられるんですね。

宮田さん:最初は「あっさり支那そば」だけで行こうと思ってたんだて。でもそれだと飽きられるろ? だっけ支那そばのあっさりとこってり、つけそば、ブラック中華の4種類を定番メニューでやってるんだこってね。この辺は背脂中華そばの店が多いっけ、俺は絶対にやりたくないと思っていたんだろも、お客さんから「この手打ち麺で作った背脂中華そばを食べてみてぇのお」っていわれたら作らないわけにいかねかったんだわね(笑)。だっけ「こってり支那そば」には背脂が入ってんだて。

 

——そうなんですね。この「こってり支那そば」って、食べてみると手間がかかっていることがよくわかりますね。とても美味しいです。

宮田さん:そう言ってもらえると嬉しいて。うちの店は地域ナンバーワンなんて目指そうと思ってないんさ。目指しているのはオンリーワン。ここでしか食べられないラーメンを目指して、続けていきたいと思ってますこってね。

 

 

 

田之助 -DENNOSUKE-

燕市吉田本所582-1

0256-94-7273

11:30-14:00/17:30-22:00(土曜は23:00まで)

火曜休

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