僕らの工場。#6 有名建造物を支えるチカラ「株式会社遠山熔接」

街づくりに欠かせない、溶接という仕事。

昭和58年の創業、新潟県北蒲原郡にある「株式会社遠山熔接」は溶接に特化した職人集団です。「藤木鉄工株式会社」の協力会社として、これまで数多くの建造物を溶接してきました。今回はその工場にお邪魔して、溶接の仕事のこと、都市開発のこと、これからのこと、いろいろお聞きしてきました。

 

株式会社遠山熔接

五十嵐 達也 Tatsuya Igarashi

代表取締役。自身も溶接工の職人として活動する傍ら、会社組織の管理、人材育成に力を入れる。今年、代表取締役に就任した2代目社長さん。

 

重要性の高い鉄骨だから、溶接にも責任と技術が伴う。

「藤木鉄工株式会社」の工場内で溶接加工を専門に活動している遠山熔接。藤木鉄工は全国でも数社しか取得していない「国土交通大臣認定 Sグレード」を有する鉄骨制作工場として最上位グレードの企業で、例えば何百メートルもあるビルの鉄骨などを製造しています。つまり、この工場で作られているのは誰もが「一度は見たことある」「知っている」そんなビル、建物、橋の一部。遠山溶接の職人さんたちが毎日溶接するのも、そんな超重量級&超重要な部品ばかりです。

 

ーー今日はよろしくお願いします。大きなものを作っているんですね。驚きました…。

五十嵐さん:そうですね。私たちがやっている溶接はひとつひとつの規模が大きいです。例えば高層ビルや橋の重要な場所に使われる梁や柱の部分。そのひとつひとつのパーツが現場で組み合わさるときの接続に関わる溶接と言えば分かりやすいかと。ひとつの鉄骨柱で数十カ所の溶接が必要で、2人体制で決められた箇所に溶接を行っています。

 

ーー大きいけれども、やっぱり精度は細かいのでしょうか。

五十嵐さん:ここで行われている溶接加工は、モノは大きい物ばかりですけれど1ミリ単位の精度が求められます。それは藤木鉄工さんが請け負っているお仕事の規模や重要性が高いということもあり、その検査基準は非常に厳しいです。だから私たちも1つ1つの溶接に対して気を抜かずに取組まないといけない責任と技術が必要ですね。

 

競馬場、朱鷺メッセ、メディアシップ…有名建造物の溶接。

ーー普通ではお目にかかれない大きさの鉄骨製品ですよね。ちなみにどういう建物になるんですか?

五十嵐さん:藤木鉄工さんは全国でも数社しか取得していないSグレード鉄骨制作工場なので、この工場で作られている鉄骨はけっこう皆さんが知っている建物が多いと思いますよ。例えば、新潟県内の建物で言えば「新潟競馬場」や「朱鷺メッセ」、ここ最近でいえば「メディアシップ」のような大型建築物。そのほかにも色々と。あとは大体、新潟にある橋なんかはここで作られているものがほとんどだと思います。

 

ーーえ?めちゃくちゃ有名なものばかりじゃないですか?

五十嵐さん:だから私たちもひとつひとつの作業に気が抜けないんです(笑)。同時に誇らしくもありますしね。町を車で走っていると「あれは自分たちが溶接した建物だ」って。大変だったことなんかが思い出されたりなんかして、達成感みたいな感じもあって。

 

ーーそれは、遠山熔接さんが新潟の都市開発を支えていると言って過言じゃないですね!

五十嵐さん:いやいや、それは藤木鉄工さんが凄いんですよ。こうやってお仕事をいただいていて思うことですけど、藤木鉄工さんはモノづくりへの取組みや姿勢が本当にしっかりしていると思います。だからSグレード認定工場にもなっていますし、すべては技術力もそうですけど、確実で正確な製品を作り続けられる体制ありきだなと感じていますね。だから私たちも都市開発の一端を担っているという自覚と責任の中で日々研鑽を積み、技術力の向上に努めています。

 

工場での働き方は飛躍的に向上。未来の溶接工を育てたい。

ーーところで溶接って職人技ですよね。人手不足などの問題はないのでしょうか。

五十嵐さん:溶接工ってあまりイメージが良くないのか、溶接工になりたいって人が少なくなってきているんです。たしかに溶接工って3Kって言われている業種ですが、もちろん100%そうじゃないとは言い切れませんが、少なくとも私たちの所では職人さん達が働きやすい環境で仕事に取組んでもらえるよう努めています。

 

ーーというと?

五十嵐さん:例えば、働き方改革推進企業として以前と比べると労働環境は格段に良くなっています。有給休暇はもちろん、ノー残業デーを設けたり、例え残業があったとしても100%残業代支給は当たり前として制度に組み込まれているので、「工場だから」というイメージは以前と比べて違うものになっています。

 

ーーなるほど。そしたら若い人には「労働環境を心配する必要はない」と言いたいですね。

五十嵐さん:私の目標としては、「溶接工の未来を育てていきたい」と思っています。もちろん仕事ですから「やりがい」も大切と考えていますし、そういったところでは私たちの会社では都市開発の一端を担っている、という大きなやりがいを持って仕事に取組めると思うんですね。それに、溶接工という職人に近い職業で、これだけの重要な溶接ができるのも全国を探しても数少ないと思っていますし、そういう仕事に携われることにワクワクを感じてもらえたらなって。

 

ーー溶接工になりたいという人は何か特殊な能力や資格が必要だったりしますか?

五十嵐さん:いえいえ、例えば大学卒業とか資格や経験がとか、そういう堅苦しい制限を設ける気は全くありません。間口を狭める気はまったくなくて。誰だって最初は初心者ですし、職人の世界は良い意味で実力主義の世界ですから、だからこそ学歴なんて関係なくて若い人、溶接に興味のある人。そんな人をしっかり育てて生きたいな。って思っています。

 

ーー「有名なあの建物もあの橋も自分たちが作っている」って思えたら素敵ですね。溶接に夢を持つ若者もきっとたくさんいるんじゃないかと感じました。今日はありがとうございました!

 

 

株式会社遠山熔接

新潟県北蒲原郡聖籠町東港3丁目2265-6

025-256-2262

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